代位弁済の時効や求償権の時効起算点はいつ?対処法や注意点の解説
代位弁済とは
代位弁済というのは、借金の保証人が借主である債務者に代わって借金を返済することです。
代位弁済すると保証人は債務者に対して求償権を取得することになります。
求償権というのは保証人が債務者の代わりに支払ったお金を債務者に請求する権利のことです。
例えば、債権者がA、債務者がB、保証人がCの場合、Bが返済に行き詰まったために、CがAに借金を返済すると、CはBに対して求償権の請求をすることができます。
わかりやすくいえば「代わりに借金を支払ったのだから、その分を返しなさい」という債務者に対する保証人の権利です。
ここがポイント!
保証人が債務者に代わって借金を返済すると求償権を取得する
代位弁済があった場合の消滅時効の起算点
代位弁済をしたことによって保証人が求償権を取得した場合、消滅時効の起算点がいつになるかが問題です。
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この点については、代位弁済により求償権という新たな債権が発生しているので「代位弁済をした日」から新たな時効期間がスタートします。
例えば、借主である債務者が債権者に最後に返済したのが令和5年1月、保証人が債権者に代位弁済をしたのが令和5年4月の場合、消滅時効は令和5年4月からスタートします。
よって、原則的に令和5年4月から5年が経過した令和10年4月に消滅時効の援用ができるようになります。
ここがポイント!
求償権の消滅時効は代位弁済したときからスタートする
銀行からの借入れと代位弁済
銀行からフリーローンなどを借入れた場合、ほぼすべての場合で保証会社が付いています。
例えば、三菱UFJ銀行の保証会社にアコム、新生銀行の保証会社に新生フィナンシャル(レイク)、みずほ銀行の保証会社にオリエントコーポレーション、三井住友銀行の保証会社にSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)、千葉銀行の保証会社にエム・ユー信用保証といった感じです。
これは、借主は銀行と契約書を取り交わすと同時に、保証会社との間で保証委託契約を締結させられているからです。
この保証委託契約により、借主の返済が滞った場合に保証会社が借金を代位弁済し、債権者の地位が銀行から保証会社に移ることで、その後は保証会社から請求を受けることになります。
ここがポイント!
銀行などの金融機関からの借入れには必ず保証会社が付いている
保証協会の時効期間
千葉県信用保証協会など全国にある信用保証協会が代位弁済をした場合の時効期間については注意が必要です。
というのも、信用保証協会は営利を目的とした株式会社ではないため、原則的に時効期間が通常の債権と同じく10年になるからです。
ただし、これには例外があります。
それは、信用保証協会が保証をしている場合でも、個人事業主である債務者の委託に基づいて保証をした場合は、信用保証協会が代位弁済によって取得した求償権は商事債権になるので、消滅時効期間は保証会社が株式会社である場合と同じ5年になるという点です。
よって、保証会社が信用保証協会の場合は、借主である債務者が個人的な目的で借入れをしたのか、それとも事業目的で借入れをした借金なのかによって、消滅時効の期間が5年になるのか10年になるのかが変わってくるわけです。
ただし、改正民法が施行された2020年(令和2年)4月1日以降に発生した債権の場合は商事債権は廃止され、個人的な目的か事業目的かにかかわらず、5年で時効になります。
ここがポイント!
信用保証協会の時効期間は原則10年だが、個人事業主の場合は5年になる
※ただし、2020年3月31日以前に発生した債権の場合
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