医療費(診察代)の消滅時効

病院代にも時効がある

病院の診察代を滞納することは、借金に比べれば多くはありませんが、手術をおこなって医療費が高額になった場合などでは、すぐに支払えないケースもあると思われます。

何かしらの理由で未払いになってしまった医療費についても時効はあります。なお、ここでいう医療費には薬代も含まれます。医療費や薬代の時効は3年とされています。

よって、すでに3年以上経過している場合は時効が成立しているので、病院や回収業務を委託された債権回収会社から請求が来ても、消滅時効の援用をすることで法的な支払義務を免れることができます。

<ここがポイント!>
☑ 病院などの医療費や薬代は3年で時効になる

公立病院の医療費

民間の病院、個人で開業している医院やクリニックなどでの入院や手術の治療による医療費は、民法第170条1号の「医師や助産師の報酬」に該当するので、3年の経過によって消滅時効が完成します。

これに対して、都道府県や市町村その他の国立・公立の病院の場合、保険診療と自由診療のいずれのケースにおいても、地方自治法236条1項、会計法30条による公債権となるので、5年の経過によって時効が完成となるとされてきました。

しかし、平成17年の最高裁判決では、「公立病院において行われる診療は、私立病院において行われる診療と本質的な差異はなく、その診療に関する法律関係は本質上私法関係というべきであるから、公立病院の診療に関する債権の消滅時効期間は、地方自治法236条1項所定の5年ではなく、民法170条1号により3年と解すべきである」との判断が示されました。

これにより、現在では病院が民間であっても国公立であっても、医療費や薬代は3年で時効となります。

ただし、裁判上の請求により判決を取られていると時効期間は10年に延長されますし、途中で一部弁済や支払義務を認めた場合は債務の承認となり、それまでの時効が中断します。

公立病院における医療費の消滅時効(PDF)

<ここがポイント!>
☑ 医療費の時効は民間病院であっても、国公立病院であっても3年

債権回収会社からの請求

医業未収金は、病院の経営にも影響を及ぼすので、最近では滞納医療費の請求を債権回収会社(サービサー)や弁護士に委託している病院も増えてきているようです。

なお、債権回収会社というのは、法務大臣の許可を受けて債権回収を専門としている民間業者です。

ただし、債権回収会社から催告書や法的措置予告通知などの書面が届いても、それだけでは時効は中断しません。

なぜなら、時効を中断させるには訴訟や支払督促などの裁判上の請求である必要があるからです。

なお、時効が中断するというのは、それまで進行していた時効期間がリセットされ、そこから新たに時効がスタートするという意味です。

単に時効が一時停止するわけではありません。また、すでに3年の時効期間が成立している場合でも時効は中断します。

よって、すでに3年以上経過しているにもかかわらず、催告書が届いたからといって、安易に債権回収会社などに連絡をすると、相手のペースで話が進み、結果として債務の承認をさせられて時効が中断してしまうので注意が必要です。

<ここがポイント!>
☑ すでに3年以上経過している高額な医療費は安易に連絡せず司法書士に相談する

関連ページ

☑ 消滅時効援用サービス
 日本学生支援機構(奨学金)の消滅時効
 借金の消滅時効でよくある質問

 

お気軽にお問い合わせください

受付時間:平日9時~18時
電話番号:043-203-8336

メールでのお問い合わせはこちら