財産開示手続きが2020年(令和2年)の改正によって利用しやすくなりました

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債務者が当初の契約で決められたとおりに支払いをしてくれない場合、債権者は裁判を起こして判決などの債務名義を取得することで債務者の財産を差し押さえることができるようになります。

しかし、いざ債務者の財産を差し押さえようとしても、契約時から債務者の勤め先が変わっていると給与の差し押さえをすることができません。

口座を差し押さえるには金融機関の支店までを特定する必要がありますが、債務者が自ら口座の情報を教えてくれるわけはないので、債務者がどこの金融機関に口座を持っているのかがわからないと、苦労して債務名義を取得しても現実的にお金を回収することができません。

そこで、債権回収を効率的におこなうことができるように、債務者が持つ財産の情報を開示させる制度が作られました。

それが「財産開示手続き」です。

財産開示手続きでは、裁判所が債務者を呼び出して保有する財産の情報を陳述させます。

つまり、財産開示手続きは債権者が強制執行(差し押さえ)をする際の債務者の財産を特定するための手続きといえます。

この財産開示手続きが2020年(令和2年)に改正されて利用しやすくなりました。

改正前の財産開示手続き

改正前の財産開示手続きでは、裁判所から呼び出しを無視して債務者が出頭しなかったり、虚偽の事実を陳述しても30万円以下の過料が科されるだけでした。

そのため本当の情報を陳述して財産を差し押さえられるくらいなら裁判所の呼び出しを無視して過料を払った方がマシだと考える債務者が多く、債権者にとって財産開示手続きは有効に機能していませんでした。

そこで、2020年に民事執行法が改正されることになりました。

改正後の財産開示手続き

改正後の財産開示手続きでは、債務者が正当な理由なく裁判所からの出頭に応じなかったり、虚偽の情報を陳述した場合は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」に変更されました。

罰則に懲役刑が加わり、過料が罰金になったのが大きな違いです。

2020年10月には神奈川県松田警察署で全国で初めて書類送検案件となりました。

その後も2021年11月に岐阜県警逮捕事例、2022年2月に神奈川県警逮捕事例が報告されています。

また、2022年8月には書類送検後に嫌疑不十分で不起訴になった者に対して、検察審査会が「起訴相当」の意見を出している事例もあります。

これらはいずれも財産開示手続きに出頭しないことを理由とした不出頭での摘発事例です。

裁判所から財産開示手続きの呼び出しがあった場合、正当な理由なく欠席するのは非常に危険な対応なのでご注意ください。

法改正によって、財産開示手続きを申し立てることができる条件も大幅に緩和されました。

これまでは財産開示手続きの申し立てをするには確定判決や和解調書などが必要で、確定前の仮執行宣言付判決、支払督促、公証人が作成した執行証書は除外されていました。

しかし、改正後は金銭債権についての強制執行の申立てに必要とされる債務名義であれば、どのような債務名義であってもよいことになりました。

これにより、従来では除外されていた支払督促や公正証書などの債務名義であっても、財産開示手続きを利用することができるようになりました。

財産開示手続きを利用できる債務名義

☑ 判決(確定前の仮執行宣言付判決でも可)
☑ 仮執行宣言付支払督促
☑ 和解調書・調停調書
☑ 金銭等の支払いを目的とした公正証書

財産開示手続きをするには、上記の債務名義を保有していることに加えて、強制執行できなかったことの「疎明」が必要です。

疎明とは、裁判官が一応確からしいという心証を得た状態にすることなので、裁判で必要な「証明」ほどの厳格さは要求されません。

よって、一度強制執行の申立てをした際に完全な弁済を得られなかった事実を指摘することで足りることがほとんどです。

強制執行できない場合とは

☑ 強制執行をしても完全な弁済を受けられなかった

☑ 債権者が知っている財産を差し押さえるだけでは完全な弁済を受けられない可能性が高い

強制執行できない場合というのは、債務者の預貯金口座を調査したが不明であったり、判明している口座の残高では完全な弁済が得られない場合です。

また、勤務先を調査しても不明であったり、現在の給料の額では完全な弁済を得られない場合も該当します。

これらの条件に加えて、債務者が過去3年以内に財産開示をした者ではないことが必要です。

もし、債務者が3年以内に全部の開示をしていたと裁判所に判断された場合でも、債権者が一部の財産が非開示であること、②新たな財産を取得したこと、③雇用関係の終了、を証明すれば財産開示手続きが開始されます。

改正前の財産開示手続きでは、債務者を裁判所に呼び出して財産情報を聞き出すだけでした。

これに対して、改正後の財産開示手続きでは、裁判所が金融機関や関係行政機関などに問い合わせをして、債務者の不動産や預貯金、給与債権などに関する情報を開示させることができるようになりました。

不動産情報の入手先は法務局となります。

勤務先に関する情報の入手先は市区町村や厚生年金を取り扱っている日本年金機構となります。

ただし、勤務先情報はプライバシー性が高いので、養育費や婚姻費用などの支払請求権、②人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権を有する情報開示の必要性が高い債権者に限定されます。

預貯金情報の入手先は金融機関となります。

複数の金融機関をまとめて指定することができ、支店を特定する必要もありません。

株式等の情報の入手先は証券会社等です。

第三者からの情報取得手続きを利用するには次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

第三者からの情報取得手続きを利用する条件

  1. 過去6か月以内に強制執行手続をしたが、完全な弁済を得られなかった
  2. 現在利用している債務者の財産からは完全な弁済を得られない

「不動産情報」「勤務先情報」の2つについては、上記の条件に加えて「3年以内に財産開示が実施されていること」が必要です。

これに対して、流動性が高い「預貯金情報」「株式等情報」は事前に財産開示手続きをおこなっている必要はありません。

特に有用なのは金融機関の預貯金等の情報で、財産開示手続きがされたことが債務者に通知されないので債務者に知られずに情報を開示してもらえます。

債権者から財産開示の申し立てがあった場合の流れは以下のとおりです。

債務者の住所の調査
債務名義を取得した当時と住所が変わっている場合は、債務者の住民票等を取得して現在の住所を調べておく必要があります。
裁判所への申立て
債務者の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てをおこないます。
財産開示期日の指定および呼び出し
裁判所が財産開示手続きの要件を満たしているかどうかを審査して、要件を満たしている場合は財産開示手続実施決定をおこないます。

その後、裁判所から債務者に対して、期日呼出状財産目録提出期限通知書が送られます。
財産開示期日
債務者は指定された期日に裁判所に出頭して、自分の財産に関する情報を陳述します。

財産開示期日は非公開の手続きですが、裁判所の許可を得れば債権者も出席して債務者に財産状況に関する質問をすることができます。

正当な理由なく欠席したり、虚偽の鎮実をした場合は懲役や罰金の可能性があるのでご注意ください。
記録の閲覧
財産開示期日後は記録の閲覧ができます。

そこで得られた情報をもとに債権者は強制執行(差し押さえ)をすることになります。

債権回収会社(サービサー)は、借金の回収を専門におこなっている会社です。

よって、判決などの債務名を取得されたにもかかわらず、返済に応じない債務者に対しては今後は財産開示手続きを積極的にしてくる可能性が高いと思われます。

実際にアルファ債権回収、オリンポス債権回収は財産開示手続きを利用して借金の回収を積極的におこなっています。

今後は債権回収会社だけでなく、れいわクレジット管理株式会社、株式会社クレディア、アペンタクル株式会社、株式会社ギルド、株式会社グリーンアイランドなど、すでに貸金業を廃業して既存の貸付金の回収のみをおこなっている業者も積極的に財産開示手続きを利用してくる可能性があります。

よって、債権者から請求を受けた場合は、裁判を起こされて債務名義を取られる前に時効援用や債務整理をおこなうようにしてください。

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