アウロラ債権回収から「債権譲渡通知書」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【三和ファイナンス → アウロラ債権回収⑤】
相談内容
静岡県にお住まいの方から、アウロラ債権回収から「債権譲渡通知書」が届いたとご相談がありました。
20年以上前に三和ファイナンスから借りた借金の請求でした。
ご本人曰く、10年以上は支払いも連絡していないということです。
時効だとは思うが、自分ではどうしてよいかわからないということで、当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、アウロラ債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
アウロラ債権回収から届いた債権譲渡通知書を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。
請求明細
- 契約日 ➡ 2003年
- 当初債権者 ➡ 三和ファイナンス株式会社
- 支払の催告に係る債権の弁済期 ➡ 2012年
- 譲渡人 ➡ 合同会社バント
- 現債権者 ➡ 株式会社SKインベストメント
- 譲受年月日 ➡ 2024年
- 元金 ➡ 119万円
- 利息 ➡ 112万円
- 遅延損害金 ➡ 227万円
- 債権合計 ➡ 458万円
2003年に三和ファイナンスと契約したものの支払いができなくなり、その後に債権が譲渡されて最終的に2024年にバントからSKインベストメントに譲渡されていたことがわかりました。
滞納が始まった時期は「支払の催告に係る債権の弁済期」で確認することができます。
今回は2012年になっていましたが、三和ファイナンスは2008年に破産の申し立てをおこない、2011年に裁判所で破産が認められました。
よって、2012年の弁済期が滞納時期を正しく反映しているか不確かでしたが、いずれにしても10年以上は支払いをしていないことは確実でした。
なお、債権譲渡日が5年以内であっても時効の成否に影響はありません。
時効の条件
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 5年以内に支払いに関する話をしていない
- 10年以内に裁判を起こされていない
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ご本人の記憶では三和ファイナンスが倒産する前から返済はしておらず、これまでに裁判所から書類が届いた覚えもありませんでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、SKインベストメントから回収業務の委託を受けているアウロラ債権回収に対して時効の通知を送りました。
すると、その後はアウロラ債権回収からの請求は一切なくなりました。
これにより、458万円にも膨れ上がった借金を時効の援用によって消滅させることができました。
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アドバイス
三和ファイナンスはすでに倒産していますが、債権が転々と譲渡されて、いまだに請求を受けることがあります。
つまり、当初の債権者が倒産したからといって、滞納している借金の支払い義務が消滅するとは限らないということです。
よって、三和ファイナンスの借金が残っていると、アウロラ債権回収から以下のような記載がされた債権譲渡通知書が届く可能性があります。
合同会社バント(以下「譲渡人」といいます。)は、○年○月○日付債権譲渡契約により、貴殿に対して有する別紙譲渡債権明細の債権及びこれに付帯する一切の権利(以下「対象債権」といいます。)を、株式会社SKインベストメント(以下「譲受人」といいます。)に対して譲渡いたしましたので本書を以ってその旨ご通知いたします。
なお、譲渡人は、譲受人に対し、本件債権譲渡に係る通知の送付に関する一切の代理権を付与しております。
譲受人は、貸金業法第24条第2項が準用する同法第17条に基づき、ここに通知いたします。
つきましては、今後、対象債権に関するお問い合わせ・ご返済は譲受人が債権の管理回収業務を委託したアウロラ債権回収株式会社にて承りますので、その旨ご承知おきください。
アウロラ債権回収からの請求を架空請求、詐欺と勘違いして放置していると自宅訪問されたり、裁判を起こしてくることがあります。
よって、時効の可能性がある場合は訪問や裁判を起こされる前に時効の援用をおこなってください。
これに対して、時効の検討もせずに慌ててアウロラ債権回収に電話をかけてしまうと債務承認となって時効が更新する可能性があるのでご注意ください。
債務承認になる行為
- 借金を支払う
- 合意書にサインする
- 電話で返済の相談をする
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裁判を起こされると東京簡易裁判所から訴状が送られてきます。
特別送達という書留郵便なので、留守中に配達されるとポストに差出人が裁判所の不在票が投函されます。
その場合は必ず再配達の依頼をして訴状を受け取ってください。
もし、意図的に受け取らなかった場合は裁判所から通知書が届き、訴状が送達されたものとみなされて裁判が進んでしまい、欠席判決になってしまいます。
訴状を受け取ったら内容を確認して時効の可能性がある場合は答弁書で時効の主張をすることになります。
その際にアウロラ債権回収の請求を認めたり、分割払いを希望してしまうと時効の援用ができなくなるのでご注意ください。
時効の更新事由がなければ、アウロラ債権回収が裁判を取り下げます。
ただし、裁判が取り下げになると答弁書でおこなった時効の主張もなかったことにされて、取り下げ後に請求が再開されるおそれがあります。
よって、答弁書の提出に加えて別途、内容証明郵便で時効の通知を送っておくのが安全です。
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借金を滞納すると信用情報機関(CIC、JICC)にブラックリストが登録されます。
ただし、信用情報機関に加盟できるのは現に貸金業を営んでいる会社で、倒産した場合は対象外となります。
よって、三和ファイナンスのように倒産した会社の場合は信用情報にブラックリストは登録されていません。
また、アウロラ債権回収のようなサービサーも信用情報機関には加盟していません。
そのため、時効の援用をおこなうことであらたにブラックリストが登録されるようなこともありません。
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三和ファイナンスのような古い借金の場合、アウロラ債権回収から請求が来た時点ですでに債務者が死亡している場合があります。
借金も相続の対象になるので、裁判所に相続放棄の申し立てをしていない借り、法定相続分の割合に応じて相続人が借金も相続することになります。
ただし、相続人も時効の援用ができます。
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相続放棄は原則的に相続開始後3か月以内におこなう必要があります。
ただし、債務者が死亡してから数年後に債権者からの通知で初めて借金の存在に気づくことがあります。
そのような場合は債権者から通知を受けてから3か月以内であれば、相続放棄が受理されることがあります。
3か月過ぎた相続放棄が認められる場合
- 被相続人の遺産を一切相続していない
- 相続時の調査では被相続人に借金があることがわからなかった
- 債権者からの通知で初めて借金の存在を知った
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お問い合わせ
当事務所はアウロラ債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
お電話 043-203-8336(平日9時~18時)