相続放棄できる期間

相続放棄は原則的に相続開始後3ヶ月以内にしなければいけません。

ここでいう相続開始というのは「自己のために相続の開始があったことを知った時」のことをいいます。

自己のために相続の開始があったことを知った時というのは以下の2つの事実の両方を知った時です。

自己のために相続の開始があったことを知ったとき

☑ 相続開始の原因である事実

☑ 自分が法律上の相続人となった事実

「相続開始の原因である事実」というのは被相続人が亡くなったという事実」です。

つまり、被相続人の死亡を知ればこの条件はクリアーします。

次は「自分が法律上の相続人となった事実」です。

これは、被相続人が死亡した事実を知ったことにより、自分が法律上の相続人となったことを知ったという意味です。

これについては、相続順位によって、自分が法律上の相続人となったことを知るタイミングが異なるので注意が必要です。

被相続人の配偶者や子であれば、被相続人が死亡した事実を知ったと同時に自分が相続人になることを認識できます。

よって、配偶者や子の場合、被相続人が死亡した事実を知ることで「相続開始の原因である事実」および「自分が法律上の相続人となった事実」の両方を認識することができるので、相続放棄の熟慮期間の起算点は被相続人が死亡したことを知った日」となります。

もし、子や配偶者であっても、何年も前から連絡を取っていないような事情があり、被相続人の死亡の事実を知らなかったような場合は「被相続人が死亡した事実を知った時」から相続放棄の熟慮期間がスタートすることになります。

つまり、被相続人が死亡した事実を知らない限り、いつまで経っても3ヶ月の熟慮期間がスタートしないわけです。

ここがポイント!

配偶者や子の場合、被相続人が死亡した事実を知った時から熟慮期間がスタート

先順位の相続人がいる場合、後順位の相続人が直ちに相続人になることはありません。

なぜなら、後順位の相続人は、先順位の相続人全員が相続放棄することで初めて相続権を取得するからです。

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例えば、被相続人に「第1順位の相続人である子」がいる場合、「第2順位の相続人である被相続人の両親」は、自分の子である被相続人が死亡した時点では、いまだ法律上の相続人ではありません。

被相続人の両親に相続権が発生するのは「被相続人の第1順位の相続人である子(両親からみれば孫)が相続放棄をした時点」です。

ただし、被相続人の両親に相続権が発生したからといって、それと同時に相続放棄の熟慮期間がスタートするわけではありません。

なぜなら、熟慮期間の起算点は「相続開始の原因である事実」だけでなく、「自分が法律上の相続人となった事実」の両方を知った時だからです。

よって、孫が相続放棄をしただけでなく、両親が孫の相続放棄を知った時に初めて、第2順位の相続人である両親の熟慮期間がスタートするわけです。

ここがポイント!

後順位の相続人の熟慮期間の起算点は、先順位の相続人による相続放棄を知った時

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