アイアール債権回収株式会社から「請求書」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【アイアール債権回収株式会社⑦】
相談内容
滋賀県にお住まいの方から、アイアール債権回収から「請求書」が届いたとご相談がありました。
30年近く前に契約したアコムの借金でした。
ご本人曰く、10年以上支払いをしておらず、一切相手と連絡も取っていないということです。
損害金だけで100万円を超える金額になっており、これを機に解決したいということで当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、アイアール債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
アイアール債権回収から届いた請求書の内容を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。
契約明細
- 債権譲渡人 ➡ アコム株式会社
- 包括契約年月日 ➡ 1996年
- 最終貸付年月日 ➡ 1997年
- 約定延滞発生日 ➡ 2020年
- 譲受年月日 ➡ 2021年
- 当初の契約利率 ➡ 28.47%
- 延滞利率 ➡ 18%
- 元金残高 ➡ 34万円
- 未収利息 ➡ 138万円
- 未収損害金 ➡ 24万円
- 請求合計金額 ➡ 196万円
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1996年にアコムと契約をしたものの、その後に支払いが滞り、2021年にアイアール債権回収に債権が譲渡されていたことが分かりました。
「約定延滞発生日」が2020年になっていましたが、利息や損害金の額から推測すると少なくても10年以上前から滞納していることは明らかでした。
よって、約定延滞発生日は滞納が始まった時期を反映しておらず、当てにならないと判断しました。
なお、債権譲渡日が5年以内であっても時効の成立に影響はありません。
時効の条件
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 5年以内に支払いを認めるような話をしていない
- 10年以内に裁判を起こされていない
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ご本人の記憶では、これまでにアコムやアイアール債権回収から裁判を起こされた覚えはないということでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、アコムから債権を譲り受けたアイアール債権回収に対して、時効の通知を送りました。
すると、その後はアイアール債権回収から請求を受けることはなくなり、裁判を起こされることもありませんでした。
これにより、利息や損害金を加えて200万円近くまで膨れ上がった借金を時効の援用によって消滅させることができました。
ご依頼件数5000人以上
アドバイス
アイアール債権回収はアコムの子会社のサービサーで、2014年にアフレッシュクレジットを吸収合併しています。
また、アコム以外にも以下の会社から債権を譲り受けて請求してくることがあります。
主な譲渡会社
- アプラス
- かんそうしん
- スルガキャピタル
- 中部債権回収
- 三井住友トラストクラブ
- 九州カード
よって、アコム等の支払いを滞納していると債権を譲り受けたアイアール債権回収から以下のような記載がされた請求書が届くことがあるので、架空請求、詐欺と勘違いして放置しないようにしてください。
アイアール債権回収株式会社は、下記債権を債権譲渡人から譲り受けましたが、いまだにお支払いがございません。
このまま放置されますと、ご契約者の一層の信用低下につながるだけでなく、遅延損害金も加算されます。
つきましては、支払期日までに、請求合計金額をお支払いただきたく、ご通知いたします。
弊社は、債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)に基づき譲受債権の請求業務を行うものです。
本状と行き違いにお支払いの節は、何卒ご容赦願います。
なお、ご不明な点やご相談がございましたら、弊社担当者までご連絡ください。
ただし、時効の可能性があると思われる場合はアイアール債権回収に電話をかけないようにしてください。
なぜなら、電話で以下のような話をすると債務承認となって時効が更新(リセット)するからです。
債務承認になる発言とは
- 今は厳しいので少し待ってほしい
- 元金だけにしてくれないか
- 一括では払えないので分割にしてほしい
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アイアール債権回収の請求を放置していると裁判を起こしてくることがあります。
その場合は裁判所から訴状が特別送達という郵便で届きます。
裁判所から訴状が届いても、その段階であれば時効の援用で対処できます。
これに対して、指定された期限までに答弁書を提出せず、裁判所にも出頭しなかった場合は欠席判決となり、時効の援用ができなくなります。
よって、裁判を起こされた場合は、すみやかに訴状の内容を確認して適切な対応を取るようにしてください。
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具体的には裁判期日の1週間前までに答弁書で時効の援用をおこないます。
答弁書を提出しておけば、裁判所に出頭する必要はありません。
時効が成立した場合はアイアール債権回収が裁判を取り下げるので後日、裁判所から取下書が届きます。
ただし、これで安心してはいけません。
なぜなら、裁判が取り下げになると答弁書での時効援用もなかったことにされて、アイアール債権回収の請求が再開するおそれがあるからです。
よって、裁判所から取下書が届いても別途、内容証明郵便で時効の通知を送っておくのが安全で確実です。
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アコムはCIC、JICCという信用情報機関に加盟しています。
そのため、支払いを数ヶ月滞納すると信用情報にブラックリストが登録されます。
延滞中は原則的にブラックリストが消えることはありませんが、これには例外があります。
それはアイアール債権回収のような信用情報機関に加盟していないサービサー等に債権が譲渡された場合です。
債権譲渡されるとCICでは5年、JICCでは1年で譲渡会社であるアコムのブラックリストが抹消されます。
よって、完済や時効の有無にかかわらず、債権譲渡から5年で信用情報は回復します。
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最後の支払いから5年経過していなかったり、すでに裁判を起こされて判決等の債務名義を取られてから10年以上経過していない場合は時効になりません。
そういった場合は支払い義務があるので、分割返済できる場合はアイアール債権回収と和解交渉をおこなうことになります。
自分で交渉できない場合は司法書士にアイアール債権回収との和解交渉を依頼することができます。
これを任意整理といいます。
任意整理では和解成立後の返済に利息は付けませんので、返済した分だけ確実に残高が減っていきます。
分割回数は36~60回くらいになることが多いですが、実際にどのくらいの条件で和解できるかについては、それまでの取引内容などによっても変わってくるのでケースバイケースです。
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お問い合わせ
当事務所はアイアール債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
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