アビリオ債権回収から「お電話のお願い」が届いたケースの解決事例

消滅時効が成立【三洋信販 → アビリオ債権回収⑦】

福井県にお住まいの方から、アビリオ債権回収の「お電話のお願い」が届いたとご相談がありました。

20年くらい前に三洋信販で借りた借金でした。

ご本人曰く、借りてから数年で支払いができなくなり、その後は一切返済をしていないということです。

おそらく時効だろうということで当事務所にご連絡を頂きました。

以下のページで、アビリオ債権回収の対処法を紹介しているので参考にしてください。

アビリオ債権回収から届いた「お電話のお願い」には以下のような記載があるだけでした。

早速ではございますが、本状記載のご契約につき早急にご相談したいことがございますので下記連絡先までご連絡くださいますようお願いいたします。

お忙しいこととは存じますが、何卒宜しくお願い申し上げます。

契約内容に関する具体的な記載がなかったので、ご本人が保管していた別の請求書を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。

譲受債権の請求内容

  • 契約日 ➡ 2005年
  • 譲渡人 ➡ 三洋信販株式会社(現:SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
  • 支払期日 ➡ 2008年
  • 譲受日 ➡ 2010年
  • 残元金 ➡ 21万円
  • 損害金 ➡ 85万円
  • 請求額 ➡ 106万円

2005年に三洋信販と契約したものの、2008年から支払いが滞納し、2010年SMBCコンシューマーファイナンスからアビリオ債権回収に債権が譲渡されていたことがわかりました。

返済ができなくなった時期は「支払期日」で確認することができます。

今回は債権譲渡日が10年以上前でしたが、たとえ5年以内であっても時効の成否に影響はありません。

借金の時効条件とは

  • 5年以上前から一度も支払いをしていない
  • 10年以内に裁判を起こされていない
  • 5年以内に電話で支払いの話をしていない

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裁判を起こされて判決等の債務名義を取られている場合は時効が10年更新します。

アビリオ債権回収の場合、債務名義を取得している場合、請求書の「備考」に表示されています。

そこで、備考欄を確認したところ、以下のような記載がありました。

[備考]

左記残高は、次の債務名義に基づき記載しています。

  • 種類:判決正本
  • 裁判所名:東京簡易裁判所
  • 事件番号:平成20年(ハ)第○○号
  • 遅延利率:26.28%

債務名義とは

  • 仮執行宣言付支払督促
  • 判決正本
  • 和解調書
  • 調停調書

平成20年に判決を取られていましたが、すでに10年以上経過していました。

ご本人の記憶では、10年以内に支払いや返済の話をしたり、アビリオ債権回収から差し押さえをされた覚えはありませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、三洋信販から債権を譲り受けたアビリオ債権回収に対して時効の通知を送りました。

すると、数週間後にアビリオ債権回収から時効が成立した旨の書面と当初の契約書が送られてきました。

これにより、106万円の借金を時効の援用によって消滅させることができました。

ご依頼件数8000人以上

アビリオ債権回収は三井住友フィナンシャルグループのサービサーで、SMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)三井住友カードが株主です。

そのため、プロミスや三井住友カードを滞納するとアビリオ債権回収から請求を受けることがあります。

また、2023年セディナ債権回収と合併しているので、セントラルファイナンス、OMCカード、クオークなどのカード代金を滞納しているような場合もアビリオ債権回収から請求が来ます。

もとの借入先

  • 三洋信販
  • プロミス
  • アットローン
  • クオークローン
  • クラヴィス
  • 三井住友カード
  • SMBCファイナンスサービス(セディナ)
  • セントラルファイナンス
  • オーエムシーカード
  • クオーク

アビリオ債権回収から「お電話のお願い」が届いても時効の可能性がある場合は電話をかけないようにしてください。

なぜなら、時効期間が経過していても、電話で支払いの話をしてしまうと債務承認となって時効が更新してしまうからです。

時効が更新するとそれまでの時効期間がリセットされて、ゼロから再スタートとなります。

債務承認に該当する行為

  • 借金の一部を支払う
  • 和解書にサインする
  • 電話で返済の相談をする

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プロミスはCIC、JICCという信用情報機関に加盟しています。

そのため、支払いが数か月滞るとCICには「異動」、JICCには「延滞」と登録され、これをブラックリストといいます。

ブラックリストは基本的に延滞している限り、抹消されることはありませんが、これには例外があります。

それは、アビリオ債権回収のような信用情報機関に加盟していないサービサー等に債権が譲渡された場合です。

CICでは債権譲渡から5年、JICCでは1年で譲渡会社のブラックリストが抹消されます。

よって、債権譲渡から5年以上経過している場合は借金が残っていてもブラックリストは抹消されています。

もちろん、時効の援用をおこなうことであらたに信用情報に傷が付くようなこともありません。

もし、債務名義を取られてから10年以内の場合は時効になりません。

ただし、これにも例外があります。

それは債務名義の種類が仮執行宣言付支払督促の場合です。

なぜなら、仮執行宣言付支払督促には確定判決のような既判力がないからです。

既判力とはあとから覆すことができなくなる効力です。

そのため、支払督促が申し立てされた時点で、すでに5年の時効期間が経過していた場合は仮執行宣言付支払督促が確定した後でも時効の援用ができます。

例えば、最後に支払いをしたのが平成20年で、債務名義の事件番号が「平成30年(ロ)第○○号」のような場合です。

この場合、平成30年の時点で時効期間が経過しているので、確定から10年以内であっても時効の援用が可能です。

これに対して、債務名義が支払督促であっても、申立てをされた時点で最後の支払いから5年以内であった場合は時効の援用はできません。

例えば、上記の事件番号で最後の支払いが平成20年ではなく、平成26年だと最後の支払いから4年しか経っていないので時効の援用はできません。

この辺の判断は専門的になるので、債務名義を取られている場合はご自分で判断せずにまずはお気軽にお問い合わせください。

債務名義を取られているとアビリオ債権回収から強制執行をされるおそれがあります。

強制執行が空振りに終わるとアビリオ債権回収が裁判所に財産開示手続きの申し立てをしてくることがあります。

財産開示手続きが実施されると裁判所から呼び出しを受けて、仕事先や銀行口座の情報を開示しなければいけなくなります。

正当な理由なく呼び出しに応じなかったり、虚偽の情報を答えると「6か月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」に処されるおそれあるのでご注意ください。

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財産開示手続きはこちら

差し押さえの対象になるもの

  • 給与、ボーナス
  • 預貯金
  • 動産(家財道具など)
  • 不動産
  • 自動車、オートバイ

当事務所はアビリオ債権回収の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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