公開日: 2019年1月30日 | 最終更新日:2026年4月16日

NHKと契約を締結している場合、5年以上前の受信料は時効の援用ができます。

そのことを知らずにNHKの請求書を無視して、支払いを拒み続けていると裁判を起こされるリスクがあります。

このページでは、NHK受信料の対処法と解決事例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること

  1. NHK受信料の時効が成立する条件
  2. 受信契約を締結していない場合の時効援用の可否
  3. NHKから請求された際にしてはいけないこと
  4. NHKから請求書が届いた場合の対処法

NHK受信料の時効は5年!ただし自動的に消滅するわけではない

NHKの放送受信料の時効期間は5年です。

これは2014年の最高裁判所の判決で示された見解であり、これ以降、受信料の債権は5年で時効になるという運用が定着しています。

時効のカウントがいつから始まるのかというと、各月の受信料の支払期日から進行します。

ただし、5年の期間が経過すれば自動的に支払い義務がなくなるわけではありません。

「時効が成立したので支払いません」という意思表示をNHKに対しておこなう必要があり、これを時効の援用といいます。

【時効の対象になるケース】

  • 受信契約を締結していて5年以上前の受信料の請求がきている ➡ 対象になる
  • 受信契約を締結しているが直近5年以内の受信料の請求がきている ➡ 対象にならない
  • 受信契約を締結していない ➡ 対象にならない

NHK受信料の時効を主張するための3つの条件

未払いのNHK受信料について時効の援用を主張するには、満たすべき条件があります。

最も重要なのは、時効の進行が更新していないことです。

例えば、支払い義務を認める申し出をしたり、NHKから裁判上の請求を受けたりすると時効は更新され、それまでの期間がリセットされてしまいます。

時効を成立させるためには、主に3つの条件をすべてクリアしているか確認が必要です。

条件1:NHKと受信契約を締結していること

時効の援用を主張するための大前提として、NHKと受信契約を締結している必要があります。

そもそも契約が成立していなければ、個々の受信料支払い義務が発生せず、時効のカウントも開始されません。

過去の判例では、テレビを設置した時点に遡って契約が成立すると判断される傾向にあります。

そのため、未契約のままだと時効を主張できず、テレビ設置時からの受信料全額を請求されるリスクがあります。

条件2:5年以上支払っておらず、支払いの約束もしていないこと

時効の成立には、最後の支払いから5年以上が経過していることが必要です。

この滞納期間中に、たとえ少額でも受信料未払いの一部を支払ったり、「支払います」「少し待ってください」といった支払いの猶予を求める発言をしたりすると、「債務の承認」とみなされます。

債務を承認すると時効の更新事由にあたり、その時点から再び5年間カウントをやり直すことになります。

時効の援用を検討している場合、安易に支払いに関する約束をしないよう注意が必要です。

【債務承認に該当する行為】

  • 受信料の一部を支払う
  • 和解書や合意書にサインする
  • 電話で返済を前提とした話をする

条件3:過去10年以内にNHKから裁判を起こされていないこと

自宅に請求書や督促状が届くだけでは時効は更新しませんが、NHKが裁判所に訴訟や支払督促の申し立てを行い、それが受理されると時効は更新します。

その後、裁判で判決が確定したり、支払督促に対して異議申し立てをしなかったりすると、時効期間は確定日から10年に延長されます。

そのため、過去10年以内に裁判所を通じた請求をされていないことが、5年の時効を主張するための条件となります。

時効援用をすることで支払いはどうなる?

時効の援用手続きが成功した場合でも、未払い分の受信料が全額免除されるわけではない点に注意が必要です。

時効によって支払い義務がなくなるのは、援用した時点から遡って5年以上経過した受信料のみです。

したがって、直近5年分の受信料については支払い義務が残ります。

この残った受信料については、NHKから支払いを求められるため、分割払いなどの相談をすることになります。

今は支払いをしている場合の未納期間の時効の可否

  • 支払いの再開をしてから5年以内 ➡ 未納期間の時効援用はできない
  • 支払いの再開をしてから5年以上 ➡ 未納期間の時効援用ができる

支払い残額の目安(地上契約の場合)

時効が成立することによって、5年以上前の受信料については支払い義務がなくなります。

しかし、直近5年分の受信料は支払い義務が残っています。

受信料を5年分に減額できた場合、地上波の場合だと「7万5000円」前後になります。

ただし、支払い方法や契約時期によって正確な金額は変動するため、あくまで参考としてください。

支払い残額の目安(衛星契約の場合)

地上契約と同様、時効が成立しても直近5年以内の受信料の支払い義務は残ります。

時効援用によって、支払い義務が残る金額は衛星契約の場合だと「13万円」前後になります。

衛星放送も受信できる衛星契約の場合、地上契約よりも受信料が高額になります。

こちらも支払い方法や滞納期間の受信料額によって実際の請求額は変わります。

NHKの受信料に対して時効を主張するにはどうしたらいい?

NHKに対して時効を主張する際は、あとから「言った、言わない」のトラブルを避けるためにも、確実に証拠が残る方法でおこなうことが極めて重要です。

口頭での主張は、債務承認とみなされるような不用意な発言をしてしまうリスクもあるため推奨されません。

書面での通知、特に法的な証明力を持つ方法を選択することが、手続きを確実かつ安全に進めるための鍵となります。

消滅時効を確認する

消滅時効とは、一定の期間が過ぎることで、借金を支払う義務が法律上なくなる可能性がある制度のことです。

NHKからの受信料を減額するためには、まず消滅時効が成立しているかの確認が必要です。

先述した「時効を主張するための3つの条件」を参考に自身に当てはまっているかどうか確認してみてください。

ただし、以下のような場合は時効が成立していない、もしくは更新されている可能性があります。

  • NHKと分割払いや支払い猶予の合意をした場合
  • 一部でも受信料を支払った履歴がある場合(債務の承認とみなされる)
  • NHKからの請求に対して、支払いを前提としたやり取りをおこなっている場合
  • 裁判上の手続き(支払督促や訴訟など)がおこなわれている場合
  • 差押えや強制執行などの法的措置が取られている場合 など...

時効の援用をおこなう

消滅時効は、期間が経過しただけでは自動的に成立するものではなく、「時効を援用する」という意思表示をおこなって初めて効力が発生します。

具体的には、NHKに対して内容証明郵便で時効援用通知を送付するのが一般的です。

これにより、「時効が成立しているため支払い義務はない」という法的主張を正式に伝えます。

適切に手続きが完了すれば、その後の請求は止まり、5年以上前の受信料の支払い義務が消滅します。

ただし、手続きに不備があると無効になる可能性もあるため、慎重に進める必要があります。

司法書士に相談する

時効援用を検討している場合や、消滅時効に当てはまる場合、まず最初に司法書士に相談したほうがいいでしょう。

時効の援用が適応されるかどうかは、

  • 最後の支払い時期
  • NHKとのやり取りの有無
  • 裁判や督促の履歴 など...

細かな事情によって対応できるケースが異なります。

一見すると時効が成立しているように見えても、過去の電話や支払いによって、すでに時効が更新されているケースも多くあります。

そのため司法書士に相談することで時効援用が本当に可能かどうかを事前に確認することができ、ミスやトラブルのリスクを抑えることができます。

特に、「時効がギリギリかもしれない」「過去に連絡を取ってしまっている」といったケースでは、専門家の判断が重要になります。

結果として、時効援用を成功させる可能性を高めるためにも、状況に応じて専門家の活用を検討することが現実的です。

依頼する場合は以下の2つの方法がおすすめです。

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①「内容証明」を作成してもらう

NHKに対して時効援用をおこなう際は、内容証明郵便での通知が基本となります。

司法書士に依頼すれば、法的に不備のない形で書面を作成してもらうことが可能です。

内容証明には、「いつ・誰が・どのような内容を通知したか」を証明する役割があり、時効援用の意思表示を明確に残す重要な書類です。

個人で作成することもできますが、文言や記載内容に不備があると無効と判断されるリスクもあるため、専門家に任せることで確実性が高まります。

【内容証明作成サービスのメリット】

  • 自分で内容証明を作成する必要がない
  • 記載内容の不備による失敗リスクがない
  • LINE、メールで簡単に手続きできる

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②「時効の援用」を代理してもらう

当事務所にご来所頂ける場合は、時効援用の手続きを一括で代理対応することが可能です。

具体的には、内容証明の送付だけでなく、NHK側からの問い合わせや連絡への対応も含めて任せることができます。

これにより、NHKと直接やり取りする精神的負担を軽減できる点も大きなメリットです。

また、万が一トラブルが発生した場合でも、専門家が間に入ることで適切に対応できるため、結果的にスムーズかつ安全に時効援用を進めることにつながります。

【消滅時効援用サービスのメリット】

  • 直接請求が止まる
  • 自宅訪問される心配がなくなる
  • 時効の更新事由がない限り、確実に時効が成立する

時効援用の代理サービス

NHKから届いた請求書の実例と記載内容を確認

最近は普通郵便ではなく、簡易書留で請求書が送られてくることがあります。

請求書の下に払込伝票がくっついていて、それを切り離すことで支払いができるようなタイプの請求もあります。

受信契約の途中から現在に至るまで一度も返済をされていない方は、5年以上前の受信料については時効によって支払い義務をなくせる可能性があります。

【NHKの請求書】

まとめ:NHKの受信料は5年以上前なら消滅する可能性が高い

NHKの受信料は、最後の支払いから5年以上が経過し、債務の承認や裁判上の請求がないなどの条件を満たせば、時効の援用が可能です。

ただし、自動的に支払い義務が消滅するわけではなく、内容証明郵便で「時効援用通知書」を送付するという明確な意思表示が必要です。

この手続きにより5年以上前の支払いは不要になりますが、直近5年分の支払い義務は残ります。

手続きに不安がある場合や、NHKからの督促を確実に止めたい場合は、司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。

よくある質問

NHKと契約していない場合でも時効は使えますか?

いいえ、使えません。

時効の援用は、成立している契約に基づく支払い義務(債権)に対して主張するものです。

NHKと未契約の場合、そもそも個々の受信料の支払い義務が発生していないため、時効も進行しません。

テレビ設置の事実行為に遡って受信契約が成立したと判断されると、過去の受信料全額を請求される可能性があります。

自分以外の家族がNHKに支払いを約束した場合、時効はリセットされますか?

リセットされる(時効が更新される)可能性が非常に高いです。

生計を同一にする同居の家族は、契約者の代理人とみなされる場合があります。

そのため、家族の一員が訪問員に対して「あとで払います」などと支払いを約束する発言をすると、本人が債務を承認したことになり、時効の進行がリセットされてしまうリスクがあります。

裁判所から支払督促が届きました。どう対応すればよいですか?

すぐに専門家へ相談し、必ず2週間以内に「異議申立書」を裁判所に提出してください。

支払督促を無視すると、NHKの請求が認められて預金口座や給与などの財産を差し押さえる強制執行が可能になります。

時効期間が経過している場合でも、異議申し立てをしなければ時効を主張できなくなるため、迅速な対応が不可欠です。

NHK受信料を払わないのは違法ですか?

テレビ等の受信機器があるにもかかわらず、NHKと契約をしないのは放送法64条違反となります。

ただし、違法ではありますが罰則はないので、受信料を支払わないからといって刑事罰が科せられることはありません。

NHKの未払い受信料は相続の対象になりますか?

NHKの未払い受信料は相続の対象になります。

なぜなら、相続人はプラスの遺産(預貯金や不動産など)だけでなく、マイナスの遺産(借金など)も相続するからです。

ただし、亡くなってから3か月以内に裁判所に相続放棄の申し立てをしている場合は、プラスの遺産もマイナスの遺産もすべて相続しなくなります。

【相続人の対応】

  • 相続放棄の申し立てをした・・・相続放棄申述受理通知書のコピーを郵送する
  • 相続放棄の申し立てをしていない・・・相続人が時効の援用をおこなう

NHK受信料を解約するにはどうすればいいですか?

テレビ等の受信機を設置した住居に誰も住まなくなった場合やテレビの廃棄、故障などによって受信契約の対象となる受信機がすべてなくなった場合は、NHKとの放送受信契約を解約することができます。

解約事由が発生したにもかかわらず、NHKに対して解約の申し出をしないと、その間の受信料は支払う必要があります。

主な解約事由

  1. 受信機を設置した住居にどなたも居住しなくなる場合
  2. 廃棄、故障、譲渡などにより、受信契約の対象となる受信機がすべてなくなった場合

1の場合に該当するのは、①2つの世帯が1つになる場合、②世帯消滅、③海外転居、などがあります。

①は、一人暮らしや単身赴任の解消などによって、2つの世帯が1つになる場合です。

この場合は、いずれか一方の受信契約が解約の対象になります。

よって、受信機器がすべてなくなるなどの解約事由が発生した場合は、すみやかに解約の申出をおこなうようにしてください。

NHK受信料を払わないと訴えられる?

テレビを設置しているのにNHK受信料を支払わないでいると、支払督促という裁判を起こされる可能性があります。

ただし、実際にNHKから訴えられる確率は1万分の1(0.01%)程度です。

NHK受信料を払っていない人の割合は?

NHK受信料を支払っていない人の割合はおよそ2割程度です。

よって、テレビを設置している8割の人は受信料を支払っていますが、残りの2割は払っていません。

NHKの時効援用は信用情報に影響しますか?

NHK受信料を支払わなかった場合でも信用情報に影響はありません。

なぜなら、NHKは信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に加盟していないからです。

信用情報機関に加盟しているのは貸金業者や金融機関のみでNHKは対象外です。

よって、NHKの不払いがあっても信用情報にブラックリストが登録されることはないので、住宅ローンや各種融資の申し込みに影響はありません。

もちろん、NHKに対して時効援用をおこなっても信用情報に傷が付くことは一切ないのでご安心ください。

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もちろんケースに該当しなくても借金が減る可能性はあるため、迷ったら無料相談で気軽にお問合せください。

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NHK受信料の過去分の未払いを請求されたケース

過去の未払い分の請求。今は支払っているので時効になるか不安でしたが相談してみました

債権者NHK札幌放送局
借金の減少額34万円 → 0円
おこなった手続き時効援用
手続き期間1日

北海道にお住まいの方からNHKから過去の未払い分の受信料の請求書が届いたと相談がありました。

平成27年以降の受信料は銀行引き落としで支払いをしており、今回の請求は過去の未払い分の受信料でした。

請求期間には「平成14年〇月から平成27年〇月」と記載されており、平成27年以降の受信料はすべて支払っているとのことです。

平成27年に支払いを再開する際にNHKから「今までの分は支払いをしなくてよいので、これからの分をよろしくお願いします」と言われたそうです。

それにもかかわらず、今になって突然、過去の未納分の受信料を請求されてご本人はとても困惑されていました。

【解決方法とアドバイス】

<解決方法>

NHK受信料にも時効があります。

時効期間は借金の時効と同じく5年ですが、NHK受信料の場合、直近5年分は時効になりません。

つまり、5年以上前の受信料でなければ時効の対象にならないということになります。

今回の請求は平成14年~平成27年の約34万円の請求です。

ただし、平成27年以降の受信料は遅れることなく支払いをしているので、これが未納期間の受信料の時効を更新(リセット)させるかどうかがポイントです。

結論から言いますと、平成27年以降の支払いは未納期間の時効を更新させません。

なぜなら、平成27年以降の支払いは、あくまでも平成27年以降の受信料に対する支払いであって、未納期間の受信料に対する支払いではないからです。

しかし、5年以内に過去の未納期間の支払いをしたり、支払いを認めるような発言や書類にサインをしていると、時効が更新してしまいます。

今回のケースでは、支払いはあくまでも平成27年以降の受信料に対するものであって、5年以内に未納期間の支払いを認めるような書類にサインをしたり、NHKと話をしたこともありませんでした。

よって、5年以内に未納期間の受信料に対する時効更新事由はなかったので、当事務所が内容証明郵便を作成して、NHKに対して時効の通知を送りました。

今回は北海島からのご依頼であったので、当事務所が代理人にならずに内容証明の発送までを代行する内容証明作成代行サービスで対応しました。

その結果、NHKの過去の未払分の請求は止まり、約34万円の受信料の支払い義務が消滅しました。

<アドバイス>

今回のケースのように現在は支払いをしていても、過去の未払い分の請求がくることがあります。

この場合に時効の対象になるのは、支払いの再開が5年以上前の場合です。

支払いの再開が5年以内の場合は時効になりません。

なぜなら、支払いを再開する際の申込用紙には「放送受信料支払期間指定書」という項目があり、申込用紙にサインをすることで未払期間の支払いを承認したことになり、時効が更新するからです。

よって、今は受信料を支払っている方に過去の未払い分の受信料の請求がきた場合は、支払いを再開してから5年以上経っているかどうかがポイントです。

また、支払いの再開から5年以上経過していても、5年以内に未払い期間の受信料の支払いをしたり、未払い期間の支払いを認めるような書類にサインをすると時効が更新してしまいます。

よって、支払いの再開から5年以上経過していて、かつ、5年以内に過去の未払い期間の債務承認をしていないことが条件となります。

【未納期間の時効が成立する条件】

  • 支払いの再開から5年以上経過している
  • 5年以内に未納期間の債務承認をしていない

NHK受信料の時効援用を自分でしようとしたケース

10年以上支払いをしていない受信料の請求。しつこく督促状が届くので思い切って相談しました

債権者NHK福井放送局
借金の減少額24万円 → 8万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間3週間

福井県にお住まいの方から、NHKから滞納している受信料の督促状が届いたとご相談がありました。

15年くらい前から滞納している受信料の請求でした。

ご本人曰く、滞納してからは一度も支払いをしておらず、NHKと連絡も取っていないということです。

できることならNHK受信料の時効援用を自分でしたいが、不安があるということで当事務所にご連絡を頂きました。

【解決方法とアドバイス】

<解決方法>

NHKから届いた督促状を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

契約内容

  • ご契約件数 ➡ 地上契約
  • ご請求期間 ➡ 平成21年~令和6年
  • ご請求金額 ➡ 24万円

NHKと地上契約を締結したものの、平成21年から支払いをしていないことが分かりました。

カード会社等の借金であれば、時効が成立すればすべての支払い義務がなくなります。

これに対して、NHKの場合は時効が成立しても直近5年分は対象外です。

つまり、5年以上前の受信料のみが時効の対象になります。

よって、時効が成立しても令和元年以降の直近5年分の受信料については支払い義務があります。

ご本人の記憶では平成21年以降は一度も支払いをしておらず、NHKと一切接触していおらず、裁判も起こされていませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所がNHK福井放送局に対して、内容証明郵便で時効の通知を送りました。

すると、1か月くらいで直近5年分(8万円弱)に減額された請求書が改めて届きました。

これにより、5年以上前の受信料の支払い義務を時効の援用によって消滅させることができました。

<アドバイス>

2023年4月から不正な手段によって受信料の支払いを免れたり、正当な理由なく受信契約の申し込みをしなかった場合に割増金の運用が開始されています。

割増金が適用されると通常の受信料に加えて、その2倍の相当する額を支払うことになります。

例えば、受信料の未納額が50万円だとすると、割増金はその2倍の100万円なので合計で150万円となります。

「不正な手段」とは受信契約の解約届や受信料免除の申請において、虚偽の内容を記載した場合が該当します。

「正当な理由」の事例としては、非常災害や急な病気や事故等で受信契約書を期限までに提出できなかった場合です。

すでに地上契約契約を締結していて、新たに衛星受信機を設置した場合にも適用されます。

ただし、割増金については、上記の事由に該当するからといって一律に請求されるわけではなく、個別事情を考慮しながら運用していくとされています。

NHKから裁判を起こされる可能性は極めて低いとしても、受信契約を締結していないとテレビの設置日から遡って全額の受信料に加えて、その2倍の割増金の支払い義務を負うことになります。

これに対して、受信契約を締結している場合はNHKから裁判を起こされたとしても、5年以上前の受信料については時効の援用ができるので、直近5年分(地上契約の場合は約8万円)だけを支払えばよいことになります。

つまり、NHKから裁判を起こされた場合、同じ日にテレビを設置をしていたとしても受信契約を締結しているかどうかによって時効援用の可否や割増金の有無が異なるので、結果として支払うことになる受信料に雲泥の差が生じるということです。

よって、そういったリスクを考慮したうえで、受信契約を締結するかどうかを検討した方がよいと思われます。

50万円の受信料の裁判を起こされ場合

  • 受信契約を締結していない ➡ 割増金(100万円)を含めて150万円の支払い義務を負う
  • 受信契約を締結している ➡ 時効の援用によって8万円(直近5年分)だけで済む

NHKから督促状がかなりの確率で届いたケース

NHKは観ていない。できれば1円も支払いたくないが、そうもいかないので時効の相談をすることにしました

債権者NHK千葉放送局
借金の減少額23万円 → 8万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間2週間

千葉県にお住まいの方から、NHKから受信料の督促状が頻繁に届いているとご相談がありました。

ご本人曰く、10年以上前から一度も支払いをしていないそうです。

NHKは観ていないので、できるなら支払いをしたくないということでした。

ただし、自分ではどのようにしたらよいかわからず、督促状もかなりの確率で届いているので当事務所にご連絡を頂きました。

【解決方法とアドバイス】

<解決方法>

NHKから届いた「放送受信料払込取扱票」を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

契約内容

  • 請求期間 ➡ 平成20年 ~ 令和5年
  • 請求金額 ➡ 23万円
  • ご契約件数 ➡ 地上契約

NHKと地上契約を締結したものの、平成20年から支払いが滞っていることが分かりました。

NHK受信料の時効は5年です。

ただし、直近5年分は対象外です。

つまり、5年以上前の受信料が時効の対象になります。

ご本人の記憶では、平成20年以降は一度も支払いをしておらず、滞納してい間にNHKと話はしていませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、NHK千葉放送局に対して時効の通知を送りました。

すると、NHKから直近5年分に減額された督促状(約8万円)が届きました。

これにより、5年以上前の受信料については支払う必要がなくなり。、かなりの確率で届いていた督促状も届かなくなりました。

NHK受信料は時効が成立しても直近5年分は対象外なので、全額支払わなくてもよいというわけではありません。

ただし、未納期間が長ければ長いほど時効の対象期間が増えるので、時効援用をおこなうメリットは十分あります。

<アドバイス>

受信料を滞納しているとNHKから以下のような記載がされた督促状が届くことがあります。

令和5年○月に「重要なお知らせ」を題する文書及び放送受信料の払込用紙をお送り致しましたが、現在に至るまで、下記期間の放送受信料をお支払いいただけておりません。

このままお支払いがない場合には、貴殿に対し、やむを得ず、法的手続きを検討せざるを得ません。

再度、払込用紙をお送り致しますので、この点をご賢察のうえ、至急お支払いください。

お支払方法についてのご相談(分割払いなど)がある場合は、下記問い合わせ窓口までご連絡ください。

NHK受信料で訴えられる確率は相当低いですが、可能性はゼロではありません。

NHKから訴えられると裁判所から支払督促が特別送達という郵便で届きます。

この段階であれば、まだ時効の援用が可能です。

具体的には支払督促を受け取ってから2週間以内異議申立書を裁判所に提出します。

すると、裁判は支払督促から通常訴訟に切り替わります。

その後、裁判所からあらためて裁判期日呼出状答弁書が届きます。

答弁書は裁判期日の1週間前までに裁判所に提出する必要があります。

異議申立書や答弁書を提出する際はNHKの請求を認めたり、分割払いを希望しないようにご注意ください。

時効が成立した場合は直近5年分だけを支払うことになります。

これに対して、指定された期限内に異議申立書や答弁書を提出しなかった場合は、NHKの請求が認められて滞納期間全額の支払いをしなければいけなくなります。

よって、NHKから督促状が届いた場合は、裁判を起こされる前の段階で時効の援用をおこなっておくのが安全です。

NHK受信料を滞納したまま契約者が死亡して相続人が解約と時効援用したケース

契約者がすでに死亡していたので、どうすればよいかわからず相談しました

債権者NHK水戸放送局
借金の減少額65万円 → 13万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間3週間

茨城県にお住まいの方からNHK受信料の契約者死亡後の時効援用についてご相談がありました。

契約者本人が死亡したので遺品整理をしていたところ、NHKから20年分以上の受信料(65万円)の督促状が見つかったということです。

被相続人は独身で子供もおらず、両親もすでに他界しているということです。

NHKの受信料にも時効があることを知り、NHK受信料を滞納したまま解約と時効援用できないかとのご相談でした。

【解決方法とアドバイス】

<解決方法>

被相続人に配偶者、子ども、両親がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

よって、NHK受信料を滞納したまま契約者本人が死亡した場合、相続人である兄弟姉妹に支払い義務があります。

兄弟姉妹が複数人いる場合は、法定相続分の割合に応じて各相続人が支払い義務を負います。

今回は3人兄妹でしたが、そのうちの1人が相続放棄をしていたため、残った兄妹が単独で相続をすることになります。

そこで、NHKから届いた請求書を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。

請求内容

  • 契約の種類 ➡ 衛星契約
  • ご請求期間 ➡ 平成11年から令和5年
  • ご請求金額 ➡ 65万円

NHK受信料にも消滅時効の適用があります。

よって、時効の条件を満たしている場合は、相続人が時効の援用をおこなうことが可能です。

ただし、直近5年分は時効の対象外なので、時効が成立しても5年分については支払い義務があります。

今回は受信契約者本人がすでに死亡しており、生前の生活状況などもまったく分からなかったため、時効の条件をクリアーしているかどうか不明でした。

ただし、遺品整理をした際の状況から、おそらく被相続人がNHKとは一切連絡を取っておらず、支払いもしていないだろうと思われました。

そこで、受信契約者の相続人からNHKに対して、内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。

その際にNHKとの受信契約を解約する旨の記載もおこないました。

すると、NHKから「放送受信料時効援用届出書」「放送受信契約解約届」が届き、無事に滞納したまま受信契約の解約と時効援用をおこなうことができました。

<アドバイス>

受信料を滞納している間に契約者が死亡していることがあります。

その場合は相続人が時効の援用をおこなうことができます。

よって、被相続人が5年以上前のNHK受信料を滞納したまま死亡した場合は相続放棄をおこなうか、時効の援用をおこなうかでその後の対応が異なります。

相続人の対応と受信料の支払い義務

  • 相続放棄をした ➡ 受信料の支払いをする必要は一切ない
  • 相続放棄をせずに時効の援用をした ➡ 5年以上前の受信料の支払いは免除される

相続放棄の期間は受信契約者である被相続人の死亡から3か月以内が原則ですが、被相続人が死亡した事実を知らなかった場合は、死亡の事実を知ってから3か月以内であれば相続放棄できます。

また、死亡の事実を知っていたケースでも、一切の遺産を相続しておらず、NHKからの通知で初めて負債がある事実を知ったような場合は、NHKから通知を受けてから3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。

ただし、3か月以上経過していてもNHKからの通知で初めて受信料を滞納していることを知ったような場合は、例外的に通知を受け取ってから3か月以内であれば相続放棄が受理される場合があります。

【3か月過ぎた相続放棄が認められる条件】

  • 被相続人の預貯金や不動産などの遺産を一切相続していない
  • 相続時の調査で受信料や借金があることが分からなかった
  • NHKからの通知で初めて被相続人に負債があることを知った

相続放棄と時効援用の両方が選択できる状況であれば、まずは相続放棄を先におこなうのが安全です。

なぜなら、先に時効援用をしてしまうと相続を承認したことになってしまうので、時効が成立しなかった場合にあとから相続放棄に切り替えることができなくなるおそれがあるからです。

よって、預貯金や不動産等の遺産が一切ないようなケースであれば、まずは相続放棄をしてみて、受理されなかった場合に時効の援用をおこなうのが安全です。

NHKから受信料の請求書が届いたら場合はご相談ください

当事務所はこれまでに1万人を超える方の借金問題を解決しており、NHK受信料の時効実績も豊富です。

NHKから5年以上前の受信料の請求が来てどうしてよいかわからない場合はお気軽にご相談ください。

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この記事を執筆している司法書士

いなげ司法書士事務所 豊島裕也
いなげ司法書士事務所 豊島裕也司法書士・行政書士
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
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