日本保証から「ご入金のお願い」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【武富士 → 日本保証④】
相談内容
栃木県にお住まいの方から、日本保証リテール管理部から「ご入金のお願い」が届いたとご相談がありました。
20年以上前に武富士で借りた借金の請求でした。
ご本人曰く、20年以上は返済をしておらず、日本保証にも連絡を取っていないということです。
今になって多額の損害金を加算されて請求されても、とても支払える金額ではないということで当事務所にご連絡を頂きました。
以下のページで、日本保証の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
日本保証リテール管理部から届いた「ご入金のお願い」を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。
契約内容
- 最終貸付年月日 ➡ 1998年
- 支払の催告に係る債権の弁済期 ➡ 2000年
- 元金 ➡ 42万円
- 利息 ➡ 183万円
- 請求金額 ➡ 225万円
契約日は不明でしたが、1998年に武富士から最後の借り入れをおこない、2000年から未払いになっていることがわかりました。
滞納が始まった時期は「支払の催告に係る債権の弁済期」で確認できます。
なお、日本保証(旧ロプロ)は2012年に武富士の消費者金融事業を吸収分割で承継していますが、時効の成否に影響はありません。
時効の条件
- 最後に支払いをしてから5年以上経過している
- 10年以内に判決などの債務名義を取られていない
- 5年以内に支払いの話をしていない
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武富士から裁判を起こされて判決を取られていると時効が10年となります。
その後、預貯金口座を差し押さえされている場合は最後の差し押さえから10年は時効になりません。
ただし、日本保証の場合、請求書を見ても債務名義を取られているかどうかはわかりません。
債務名義とは
- 確定判決
- 和解調書
- 調停調書
- 仮執行宣言付支払督促
ご本人さまに確認したところ、これまでに裁判所から書類が届いたことはなく、差し押さえをされたような覚えはないということでした。
よって、今回は時効の可能性があると判断しました。
そこで、当事務所が武富士から消費者金融事業を引き継いだ日本保証リテール管理部に対して、内容証明郵便で時効の通知を送りました。
すると、その後は日本保証から請求を受けることは一切なくなりました。
これにより、225万円まで膨れ上がった借金を時効の援用によって消滅させることができました。
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アドバイス
武富士の借金を滞納したままにしていると、金融事業を引き継いだ日本保証から請求を受けることがあります。
日本保証が引田法律事務所に回収業務を委託している場合もあります。
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日本保証から請求を受けても引田法律事務所から通知書が届いても対処法はまったく同じです。
武富士の場合、10年以上前から滞納していることがほとんどなので、そのような場合の基本的な対応は時効の援用となります
よって、日本保証から以下のような記載がされた「ご入金のお願い」が届いても支払ったり、電話をかけないようにしてください。
当社が貴殿に対して有する下記記載の債権に関して、通知致します。
貴殿からのお支払いが確認できておりません。
つきましては、○年○月○日までにご返済口座へご請求金額のお支払い、もしくは下記フリーダイヤルへのご連絡をお願い申し上げます。
株式会社日本保証 リテール管理部
0120-413-151
もし、支払ったり、電話をかけて今後の返済について話をしてしまうと債務承認となって時効が更新してしまいます。
時効が更新すると、それまで何年払ってなくても時効がリセットされて、その後5年間は時効の援用ができなくなります。
よって、日本保証からご入金のお願いが届いた場合は、すみやかに時効の援用をおこなってください。
債務承認になる行為
- 債務の一部の支払いに応じる
- 和解書にサインする
- 電話で支払いの相談をする
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日本保証はJICC(日本信用情報機構)に加盟していますが、CICには加盟していません。
よって、武富士の未払いがあると日本保証の会社名でJICCに延滞情報が登録されています。
これをブラックリストといいます。
JICCにブラックリストがあると、住宅ローンやカードの審査に通りづらくなります。
滞納中は事故情報が消えることはないので、未払いが続いている限りはJICCに日本保証のブラック情報が登録されたままになります。
ブラックリストを消すには完済するか、時効援用をおこなう必要がありますが、延滞情報が削除される期間が異なります。
完済する場合はJICCに記載されている残高に加えて、滞納している間に発生した損害金を加えた金額を支払う必要があり、たとえ全額支払ってもブラックリストが消えるまで5年かかります。
これに対して、時効が成立した場合は損害金のみならず、元金についても一切支払う必要がなくなります。
また、ブラックリストも時効が成立すると1~2か月で抹消されます。
なぜなら、時効が成立すると時効の起算日に遡って完済したことになり、その時点で登録期間の経過によって事故情報が削除されるからです。
よって、時効の可能性がある場合は完済するメリットはないので、すみやかに時効の援用をおこなってください。
JICCのブラックリストが消えるまで
- 完済 ➡ 5年
- 時効 ➡ 1~2か月
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10年以内に確定判決などの債務名義を取られていたり、預貯金口座の差し押さえをされている場合は時効になりません。
その場合は支払い義務がありますが、日本保証の和解条件は非常に厳しく、和解成立後の返済に利息を要求してきます。
よって、任意整理が困難な場合は最後の手段として裁判所に自己破産の申し立てをおこなうことも選択肢となります。
日本保証から請求を受けた時点ですでに債務者が死亡している場合があります。
その場合は法定相続分の割合に応じて各相続人が借金を引き継ぎます。
ただし、相続開始後3か月以内に裁判所で相続放棄の申し立てをおこなっている場合は相続放棄申述受理通知書を日本保証に郵送すれば、それ以上請求を受けることはなくなります。
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債務者の死亡から数年経ってから日本保証の通知書が届き、そこで初めて債務者に借金があったことを知る場合があります。
このような場合、被相続人の遺産を一切相続しておらず、相続時の調査で借金があることがわからなかったのであれば、日本保証からの通知から3か月以内であれば、裁判所で相続放棄が受理される可能性があります。
3か月過ぎた相続放棄が認められる条件
- 被相続人の遺産を一切相続していない
- 相続時点の調査で借金があることがわからなかった
- 債権者からの通知で初めて債務者に借金があることを知った
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お問い合わせ
当事務所は日本保証の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
いなげ司法書士・行政書士事務所
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