遺言書がある場合や遺産分割がまとまらない場合の遺産の分配方法

遺産の分配はどうすればいいの?遺言書がある場合や遺産分割の解説

遺言書がなければ法定相続分どおりに遺産は分配されます。

ただし、相続全員遺産分割協議をして、法定相続分と異なる配分方法に合意すれば、その通りに配分されます。

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遺言で相続分を指定することもできるので、その場合は遺言で書かれたとおりの配分となります。

つまり、遺言がある場合は、法定相続よりも遺言が優先するわけです。

遺言書がない場合は相続人全員遺産分割協議をするのが普通です。

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遺産分割協議をしなければ、法定相続分どおりに分配されることになります。

これに対して、遺言が残されていたとしても、遺産分割協議をすることで遺言の内容と異なる分割をすることも可能です。

これは、相続人全員が合意しているからです。

当然のことながら、遺産分割をすれば法定相続分どおりでない分配が可能となります。

このように、遺産分協議をすることで法定相続分遺言の内容を変更することができるわけです。

遺言書がない場合は、法定相続分で遺産を分配するよりも、遺産分割協議をすることが圧倒的に多いです。

なぜなら、法定相続分どおりの配分だと、不動産は相続人の共有状態になってしまい、その後の処分の際に面倒になるからです。

そのため、通常は不動産が相続人の特定の1人が相続して、不動産以外の預貯金等をそれ以外の相続人がもらったりすることが多いです。

ただし、どうしても相続人間で話し合いがまとまらない場合は、遺産分割協議は成立しません。

そのような場合は、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てをおこなうことになります。

裁判所で調停の話し合いが成立すれば、調停調書が作成され、それに基づき遺産が各相続人に遺産が分配されます。

調停でも話し合いがまとまらない場合は、自動的に審判に移行します。

審判に移行した場合、裁判所が遺産の配分を決定します。

民法の改正によって、2023年(令和5年)4月から、遺産分割協議で特別受益と寄与分を主張できる期限が相続開始から10年と決められました。

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よって、相続開始から10年以上経過している場合は、遺産分割協議で特別受益や寄与分を主張することができなくなりました。

ただし、相続開始から10年が経過する前に裁判所に遺産分割請求をした場合はセーフです。

この規定は改正法の施行日である令和5年4月1日より前に被相続人が死亡している場合にも適用されます。

つまり、令和5年4月1日時点で、すでに相続開始後10年が経過している場合にも適用されるのでご注意ください。

ただし、この場合は5年の猶予期間が設けられています。

そのため、令和10年4月までは遺産分割において、特別受益や寄与分の主張が認められます。

このような改正がなされた理由は、早期の遺産分割を促すことで所有者不明土地問題を解消することです。

よって、遺産分割自体の期限が相続開始から10年となったわけではないのでご注意ください。

また、相続人全員が合意していれば、特別受益や寄与分を考慮して遺産を配分することは自由です。

遺産分割に時間をかけると、その間に二次相続が発生して相続人が芋づる式に増えるリスクがあります。

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相続人が増えれば、それだけ遺産分割協議がまとまらない可能性が高くなります。

よって、特別受益や遺留分に関係なく、遺産分割はなるべく早くおこなった方がよいです。

民法の改正によって、相続登記も2024年(令和6年)4月から義務化されます。

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申請期限は遺産分割の10年よりも短く、相続開始から3年です。

よって、遺産の中に不動産がある場合は、被相続人が亡くなってから3年以内に相続登記をおこなう必要があります。

また、相続登記の義務化は過去分の相続にも遡って適用されます。

つまり、2024年4月以前に亡くなっている場合にも相続登記の義務化が適用されます。

もし、正当な理由なく3年以内に相続登記を申請しなかった場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

ただし、被相続人の死亡から3年が経過していても、そもそも被相続人の死亡の事実や自分が相続人であることを知らなかった場合は、その事実を知ってから3年以内に申請すれば大丈夫です。

また、遺産分割がまとまらない場合は、法定相続分どおりの相続登記をしたり、新たに創設される相続人の申告登記をしておけば、義務を果たしたことになります。

法定相続分どおりの相続登記は相続人の1人からでも申請することが可能です。

遺言書で自分の相続分がまったくないような場合は、その相続人は最低でも遺留分は主張できます。

よって、遺言を書く際は遺留分を侵害するような配分方法を指定するのは控えた方がよいでしょう。

ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。

よって、子どもや両親がおらず、兄弟姉妹が相続人になる場合、配偶者にすべての遺産を相続させる内容の遺言書を書いておけば、兄弟姉妹から遺留分を主張されることはありません。

せっかく遺言書を作成したのに、あとから書き漏れが発覚することもあります。

書き漏れがあった場合の選択肢は以下の2つです。

遺言書に書き漏れがあった場合の選択肢

  • 遺言書を訂正する
  • 新たに遺言書を書く

遺言書 を訂正するのは、かなり面倒なので、どうせなら一から書き直した方がよいでしょう。

訂正も書き直しもしなかった場合、遺言書から漏れた財産については、法定相続分どおりに分配されます。

ただし、相続人全員の合意があれば、遺産分割協議によって自由に分配することができます。

つまり、遺産分配に関する優先順位は以下のとおりです。

遺産分配の優先順位

  1. 相続人全員の合意
  2. 遺言書
  3. 法定相続分

遺言書があっても、相続人全員の合意があれば、遺言の内容に縛られずに、自由に遺産を分配することが可能です。

相続人全員の合意が得られなければ、遺言書の内容で分配されます。

実務上も遺産分割協議で遺産を分配することが圧倒的に多いです。

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