消滅時効が成立【株式会社クレディア④】

クレディアから連帯保証人に「債務名義確定通知」が届いたケースの解決事例

兵庫県にお住まいの方から、株式会社クレディアから「債務名義確定通知」が届いたとご相談がありました。

以前、ご本人の親族が経営していた会社の借金で、ご本人が連帯保証していました。

会社は10年くらい前から休眠状態で、4~5年前に一度ご本人のお名前で支払いをしてしまったということです。

こういった場合でも時効にできないかということで、当事務所にご連絡を頂きました。

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ご本人からこれまでの事情をお聞きして、会社の登記情報を確認したところ、会社は平成27年に解散していることがわかりました。

また、クレディアから届いた「債務名義確定通知」によると契約内容は以下のとおりでした。

ご融資の契約内容

  • 契約年月日 ➡ 平成15年
  • 事件番号 ➡ 大阪地方裁判所 平成16年(ワ)第〇〇号
  • 請求元金 ➡ 916万円
  • 未収金 ➡ 2622万円
  • 損害金 ➡ 1022万円
  • 合計金額 ➡ 4560万円

ご本人が保管していた振込伝票を確認すると、2019年(令和元年)に連帯保証人であるご本人のお名前で1000円を入金していました。

債務名義を取られた後に返済をしている場合の時効は、最後に支払いをしてから10年となります。

債務名義とは

  • 確定判決
  • 仮執行宣言付支払督促
  • 裁判上の和解
  • 特定調停

ただし、連帯保証人が返済をしても主債務者の時効は更新しません。

また、連帯保証人は主債務の時効を援用することができます。

主債務が時効によって消滅すると、保証債務の付従性によって、連帯保証債務も消滅します。

債務名義を取られている場合の時効条件

  • 最後の支払いから10年以上経過している
  • 10年以内に強制執行(差し押さえ)をされている等の時効更新事由がない

債務名義を取られてから10年以上経過した後に、ご本人のお名前で1000円を入金していました。

わずか1000円ではありますが、これにより連帯保証人の時効は更新(リセット)されます。

債権者から「1000円でもいいから入金してくれ」と言われるのは、時効を更新させるのが狙いだからです。

しかし、連帯保証人が返済をしても、主債務者である会社の時効は更新しないので、今回は連帯保証人が主債務者である会社の時効援用権を行使することにしました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、クレディアに対して時効の通知を送りました。

すると、その後はクレディアから請求がくることは一切なくなりました。

これにより、4560万円の借金の支払い義務を消滅させることができました。

すでに裁判を起こされて債務名義を取られている場合は、時効が10年延長します。

よって、債務名義を取られてから10年以内の場合は時効になりません。

これに対して、債務名義を取られてから10年以上経過している場合は時効の可能性があります。

よって、クレディアから債務名義確定通知が届いた場合は、まず債務名義の事件番号をチェックしてください。

もし、事件番号の年数が10年以上前であれば時効の可能性がありますが、その後に返済をした場合は時効が最後の返済から10年となります。

ただし、連帯保証人が付いている場合、時効の更新は以下のように複雑です。

【消滅時効の更新一覧表】

主債務保証債務
主債務者に対する請求更新(中断)する更新(中断)する
保証人に対する請求更新(中断)する 更新(中断)する
主債務者による債務承認更新(中断)する更新(中断)する
保証人による債務承認更新(中断)しない 更新(中断)する

今回のケースのように連帯保証人が返済をした場合、保証債務の時効は更新しますが、主債務の時効は更新しません。

よって、連帯保証人が返済しても主債務者が時効援用すれば、保証債務の付従性によって、主債務だけでなく連帯保証債務も消滅します。

主債務者が時効援用してくれない場合は、連帯保証人が主債務の時効を援用することができます。

これは連帯保証債務の時効期間が経過していない場合も同様です。

つまり、連帯保証人は自分の時効援用はできないときでも、主債務者の時効を援用することで、連帯保証債務を消滅させることができるわけです。

また、時効期間経過「後」に主債務者に債務承認があっても、連帯保証人の時効は更新しません。

ただし、これは時効期間経過後に限られるので、時効期間経過「前」に主債務者が債務承認した場合は、連帯保証人の時効は更新するのでご注意ください。

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連帯保証人が死亡した場合は、相続人が借金を引き継ぎます。

ただし、相続開始後3か月以内に裁判所に相続放棄をした場合は、借金を含めた一切の遺産を相続せずに済みます。

よって、相続人はまず相続放棄をするのかどうかを3か月以内に決める必要があります。

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相続放棄をしないという選択をした場合は、相続人が時効の援用をおこなうことになります。

この際に注意する点は検討する順序です。

というのも、先に時効の援用をおこなってしまうと相続を承認したとみなされて、時効にならなかった場合に相続放棄をおこなうことができなくなるおそれがあるからです。

よって、まずは相続放棄をおこなうのかどうかを検討して、相続放棄をしない(もしくはできない)場合に時効の援用をおこなうということになります。

相続放棄と時効援用の順序

  1. 相続放棄
  2. 時効援用

相続開始からすでに3か月以上経過した後に、クレディアからの通知で初めて被相続人に借金があることに気づくことがあります。

そういったケースでも、被相続人の一切の遺産を相続しておらず、クレディアからの通知で初めて借金の存在を知ったのであれば、そこから3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。

よって、被相続人の死亡から3か月以上経過していても、まずは相続放棄が認められる可能性があるのかを検討することが非常に重要です。

当事務所はクレディアの時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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