引田法律事務所から「相続確認ご協力のお願い」が届いたケースの解決事例
消滅時効が成立【日本保証代理人の引田法律事務所②】
相談内容
山口県にお住まいの方から引田法律事務所から「相続確認ご協力のお願い」が届いたとご相談がありました。
3年以上前に亡くなった父の借金の件でした。
亡くなられた当時に別の借金の時効援用をしたということで、今回も同じように時効にしたいということでした。
以下のページで、引田法律事務所の対処法を紹介しているので参考にしてください。
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解決手段の検討
引田法律事務所から届いた「相続確認ご協力のお願い」には以下のような記載がありました。
当職依頼者が、〇〇様(以下、「被相続人様」といいます。)に対して有していた債権に関して、当職が債権回収に係る委任を受けておりましたが、当職依頼者より被相続人が亡くなられた旨を聴取致しました。
しかしながら、被相続人様がご逝去されたことにより生じた現在の相続関係につきましては、当職依頼者はその内容を全く存じ上げておらず、大変ご傷心のこととは存じますが、被相続人様にかかる相続関係を確認させていただだきたく、本書面を送付させていただいた次第でございます。
▶ 相続をされている場合・・・各相続人様は法定相続割合に応じて、その範囲で返済義務が生じます。(民法896条、第899条)
▶ 相続を放棄されている場合・・・当該法定相続人様については返済義務はございません。(民法第939条)
法定相続人様の中で、相続放棄をされている方がおられる場合には、大変お手数ですが、下記いずれかの書面を当職オフィスまでご送付頂きたいと考えております。
〇家庭裁判所へ申述された相続放棄申述受理票
〇証明書等の写し
引用元:引田法律事務所の「相続確認ご協力のお願い」
被相続人が借金を残したまま亡くなった場合、相続人は法定相続分の割合に応じて借金の支払い義務も引き継ぎます。
これに対して、相続開始後3か月以内に相続放棄をおこなっている場合は、借金を含めた一切の遺産を相続しなくなります。
よって、引田法律事務所が相続放棄をしているのかどうかを確認するために「相続確認ご協力のお願い」を送ってきたわけです。
今回は被相続人であるお父様が死亡してからすでに3年以上経過しており、相続放棄もしていませんでした。
引田法律事務所から届いた書面では、相続放棄をしていない場合は各相続人が法定相続分の割合に応じて返済義務があるとの記載がありますが、必ずしもそうとはいえません。
なぜなら、借金には時効の適用があるからです。
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よって、相続放棄ができない場合は時効の援用ができるかどうか検討することになります。
時効を成立させるためには以下の条件をクリアーしている必要があります。
時効の条件
- 最後の支払いから5年以上経過している
- 5年以内に支払いを認めるような話をしていない
- 10年以内に相手から裁判を起こされていない
契約者であるお父様はすでに亡くなっているため、生前の取引内容は一切わかりませんでしたが、ご本人曰く「10年以上前から支払いはしていなかったはず」ということでした。
また、お父様が亡くなられた際に他の借金の時効援用をしており、その借金についてはその後一切請求が来なかったそうです。
よって、日本保証も同じ時期から滞納していたと予想し、引田法律事務所に内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。
その後は時効の更新事由もなかったようで、引田法律事務所から請求を受けることもなくなり、無事に時効を成立させることができました。
ご依頼件数5000人以上
アドバイス
相続放棄は死亡後3か月以内におこなう必要があります。
ただし、これには例外があります。
もし、以下の条件を満たしている場合は、3か月以上経過していても相続放棄が認められることがあります。
3か月過ぎた相続放棄の条件
- 預貯金や不動産などの遺産を一切相続していない
- 債権者からの通知で初めて借金があることを知った
- 借金があることを知らなかったことに特別な事情がある
被相続人の遺産を一切相続しておらず、亡くなった当時の通常の調査では借金があることがわからず、債権者からの通知で初めて借金があることを知った場合は、そこから3か月以内であれば相続放棄が受理されることがあります。
なお、借金があることを知らなかったことについて特別な事情があるという点については、実務上はそこまで厳格に解釈されていません。
よって、生前の被相続人の生活状況などを考慮して、借金があるとは思わなかったような場合であれば、相続放棄が受理される可能性があります。
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今回のケースでは、お父様が死亡した際に他の借金の時効援用をおこなっていました。
つまり、日本保証の借金があることを知っていたわけではありませんが、お父様に借金があること自体は知っていたということになります。
よって、3か月過ぎた場合の相続放棄の要件は満たしていないことになります。
これに対して、引田法律事務所からの通知で初めてお父様に借金があることを知ったような場合は、相続放棄が受理される可能性があります。
そういった場合は相続放棄と時効援用の2つの選択肢がありますが、どちらを先にすればよいかという問題があります。
結論からいいますと、先におこなうのは相続放棄です。
なぜなら、先に時効援用をしてしまうと、その行為が法定単純承認に該当して相続を承認したものとみなされて、あとから相続放棄をおこなうことができなくなるおそれがあるからです。
よって、相続放棄と時効援用の両方を選択できる場合は、まずは相続放棄をおこなってみて、受理されなかった場合に時効援用をおこなうのが安全です。
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当事務所は引田法律事務所の時効実績が豊富にあるので、ご自分で対応できない場合はお気軽にご相談ください。
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