住宅ローンの完済と抵当権抹消
住宅ローンを借りると
銀行などの金融機関から住宅ローンを借りた場合には、必ず自宅の不動産に抵当権が付けられます。
抵当権というのは、住宅ローンの返済が滞ったときに、銀行がその自宅を差し押さえて競売できるために付けるものです。
また、抵当権が付いている場合、一般的には「自宅に担保が付いている」とか「自宅が担保に入っている」等と言いますが、それは購入した自宅の不動産に銀行が抵当権の設定登記を付けているという意味です。
なお、自宅に抵当権が付いているかどうか確認するには、法務局で自宅の登記事項証明書を取れば確認することができます。
<ここがポイント!>
☑ 住宅ローンを借りると必ず抵当権の設定登記がされる
住宅ローンを完済すると
何十年も返済してようやく住宅ローンを完済すると銀行から自宅の不動産に付いている抵当権を抹消するために必要な書類をもらうことができます。
住宅ローンを貸すときに銀行が設定する抵当権は非常に重要な権利なので、銀行は必ず登記の専門家である司法書士に抵当権設定登記を依頼します。
しかし、住宅ローンの返済が終わったからといって、銀行は抵当権の抹消手続きをしてくれないので、住宅ローンを完済した後の抵当権を抹消する手続きは自分でする必要があるのです。
<ここがポイント!>
☑ 住宅ローンを完済しても銀行が抵当権を抹消してくれるわけではない
抵当権を抹消するには
住宅ローンを返し終わっても自動的に抵当権が抹消されるわけではありません。
そのため、抵当権の抹消手続きをしないでいると、住宅ローンを完済したにもかかわらず、登記上は自宅に抵当権(担保)が付いたままという事態になります。
そのため、住宅ローンを完済したら、なるべく早めに抵当権を抹消しなければいけません。
なお、住宅ローンを完済すると銀行から抵当権の抹消に必要な書類をもらえるので、その書類を使って法務局に抵当権の抹消登記を申請することになります。
<ここがポイント!>
☑ 抵当権を抹消するには法務局に申請する必要がある
抵当権の抹消登記とは
住宅ローンを借りたときに銀行が自宅に付けた抵当権(担保)を消す手続きを抵当権の抹消登記といいます。抵当権の抹消登記は、自宅の不動産を管轄している法務局に申請します。
もし、すでに別の場所に引っ越しをしているような場合でも、抵当権抹消登記を申請する法務局は、あくまでもその不動産を管轄している法務局です。
例えば、抵当権が付いている不動産が千葉で、現在の住まいは東京であるよう場合、抵当権抹消登記は千葉の法務局に申請しなければいけません。
なお、銀行から渡された書類をもとに申請書を作成し、法務局に抵当権抹消登記を申請すれば1~2週間前後で登記が完了します。
<ここがポイント!>
☑ 抵当権の抹消登記とは銀行が自宅に付けた担保を消す手続きのこと
抵当権抹消登記と司法書士
抵当権の抹消登記は自分でできなくはありませんが、やはり登記の専門家である司法書士にお願いするのが安心確実です。
なぜなら、抵当権抹消登記はその他の登記手続きに比べれば簡単な手続きであるとはいえ、事案によってはかなり複雑で面倒な場合があり、一般の方では対応が難しいことも少なくないからです。
なお、法務局にも登記相談窓口があるので、法務局に相談しながら自分で申請する方もいます。司法書士にお願いする場合は、とりあえず銀行から渡された書類一式を持っていけばOKです。
その後は、司法書士が抵当権抹消登記の申請書を作成し、代理人として法務局へ申請してくれるので、司法書士にお願いすれば手続きが終わるまで待つだけで済みます。
ただし、登記上の住所と現在の住所が違う場合には、住所変更登記も必要になるので別途、住民票を取得しなければならない場合があります。
<ここがポイント!>
☑ 抵当権抹消登記は司法書士にお願いするのが安心で確実
司法書士に渡す書類
抵当権抹消登記を司法書士にお願いする際に渡す書類は以下のとおりです。なお、以下の書類は住宅ローンを完済したときに銀行からすべてもらえますので、その書類一式を司法書士に渡してください。
ただし、引っ越しをして登記上の住所と現在の住民票上の住所が異なる場合は住民票などが必要になります。詳しくはこちら⇒「住所変更の登記」
司法書士に渡す書類
☑ 抵当権設定時の登記済証(または登記識別情報)
☑ 登記原因証明情報
※「解除証書」「弁済証書」等というタイトルの書類です
☑ 銀行などの資格証明書
※「履歴事項全部証明書」「代表者事項証明書」等というタイトルの書類です
☑ 委任状
抵当権抹消登記の料金
1万円~(+実費) ※税抜き
※事案により異なりますので詳しくはお問い合わせください
司法書士報酬以外にかかる実費
☑ 法務局に収める登録免許税(不動産1個につき1000円)
☑ 登記事項証明書の取得費用
☑ 住民票の取得費用
☑ 郵送費、出張費
当事務所に依頼した場合の流れ
来所相談
※電話、メール、ネットからご予約ください
書類のお預かり
※銀行から渡された書類一式をお預かりします
書類の作成
※司法書士が抵当権抹消登記の申請書を作成します
法務局への登記申請
※司法書士が代理人となって抵当権抹消登記を申請します
登記完了
※抵当権が抹消された登記事項証明書をお渡しします