公開日: 2019年1月30日 | 最終更新日:2026年1月19日

NHKと契約を締結している場合、5年以上前の受信料は時効の援用ができます。

そのことを知らずにNHKの請求書を無視し続けていると裁判を起こされるリスクがあるのでご注意ください。

このページでは、NHK受信料の対処法と解決事例を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読んでわかること

  1. NHK受信料の時効が成立する条件
  2. 受信契約を締結していない場合の時効援用の可否
  3. NHKから請求された際にしてはいけないこと
  4. NHKから請求書が届いた場合の対処法

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NHKは、政府から独立して受信料によって運営され、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立された公共放送事業体です。

公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送です。

これに対して、営利を目的として行う放送を民間放送、国家の強い管理下で行う放送を国営放送といいます。

<NHKの概要>

  • 【正式名称】日本放送協会
  • 【略称】NHK(エヌ・エイチ・ケイ)
  • 【設立】昭和25年
  • 【本部】東京都渋谷区神南2-2-1
  • 【NHKふれあいセンター】0570-077-077(受信料関連)
  • 【業務内容】国内放送、インターネットサービスなど

NHKの受信料の時効は5年です。

ただし、直近5年分は時効の対象外なので、5年以上前の受信料が時効の対象ということになります。

よって、NHK受信料を20年間払っていなくても、時効の援用をおこなうことで5年以上前の受信料の支払い義務を消滅させることができます。

これは、NHK受信料の時効について、2014年の最高裁判決によって5年とされたからです。

よって、5年以上前の受信料については時効によって支払う必要がないということになります。

逆に言えば、5年以内の受信料については支払う必要があるわけです。

もし、「NHKからの大切なお知らせです」「NHKからの重要なお知らせです」「ご通知」といった書類が送られてきている場合でも、5年以上前の受信料については時効の適用があります。

ただし、時効の対象になるのは実際にNHKから5年以上前の未納分の請求書が届いていてお客様番号(10ケタ)が分かる方のみです。

時効の対象になるケース

  • 受信契約を締結していて5年以上前の受信料の請求がきている ➡ 対象になる
  • 受信契約を締結しているが直近5年以内の受信料の請求がきている ➡ 対象にならない
  • 受信契約を締結していない ➡ 対象にならない

最近は普通郵便ではなく、簡易書留で請求書が送られてくることがあります。

請求書の下に払込伝票がくっついていて、それを切り離すことで支払いができるようなタイプの請求もあります。

受信契約の途中から現在に至るまで一度も返済をされていない方は、5年以上前の受信料については時効によって支払い義務をなくせる可能性があります。

【NHKの請求書】

NHK受信料を支払っているのに、過去の未納分を請求されることがあります。

その場合、支払いを再開してから5年以上経過していれば時効の可能性があります。

これに対して、受信料の支払再開から5年以内の場合は時効の援用ができません。

これは、支払いを再開する際の申込用紙に「放送受信料支払期間指定書」という項目があり、申込用紙にサインをすることで未払期間の支払いについても承認したことになってしまうからです。

集金に来た訪問員の方に「今後の受信料を支払ってくれれば、これまでの分は支払わなくてもいい」と言われて支払いを再開したような場合も、上記のとおり未払期間の債務承認をしてしまっていることになるので、支払再開から5年未満の場合は時効の援用ができません。

支払再開から5年以上経過している場合でも、5年以内に一度でも未納期間の受信料の支払いをしていたり、支払いを認めるような発言や書類にサインをしている場合は時効にならないのでご注意ください。

【未納期間の時効が成立する条件】

  • 支払いの再開から5年以上経過している
  • 5年以内に未納期間の債務承認をしていない

今は支払いをしている場合の未納期間の時効の可否

  • 支払いの再開をしてから5年以内 ➡ 未納期間の時効援用はできない
  • 支払いの再開をしてから5年以上 ➡ 未納期間の時効援用ができる

NHK受信料の時効は5年ですが、自動的に時効が成立することはありません。

よって、受信料の請求をされた場合、NHKに対して内容証明郵便で時効の通知を送る必要があります。

NHKも時効の手続きが取られていない限り、契約者に請求する際は5年以上前の受信料を含めた受信料全額を請求してきます。

NHK受信料の時効援用は電話では電話で時効の旨を伝えて了承してもらったにもかかわらず、あとから時効で消滅したはずの未納期間を含めた請求書が送られてきたという事例もあるので、電話だけで済ますのはお勧めできません。

よって、時効の通知はあとあとのトラブルを防止するためにも、普通郵便や簡易書留ではなく配達証明付きの内容証明郵便で送るのが安全です。

ここがポイント!

請求を放置しているだけでは時効は成立しない

NHK受信料の時効援用は電話ではなく、内容証明郵便という書面でおこなうのが確実です。

なぜなら、NHKと電話で話をすると会話の内容によっては債務承認による時効の更新を主張されるおそれがあるからです。

よって、あとで言った言わないのトラブルを未然に防止するためにも、電話ではなくきちんと内容証明で証拠を残しておくのが安全です。

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NHK自身も「受信料のお支払いが滞っている分については、これまでどおり全額請求させていただき、時効の申し出があった場合には、時効を5年として取り扱います」と表明しています。

5年以上前の受信料については、契約者の正当な権利として時効の援用をおこなうことが可能です。

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時効の援用は請求書に記載されている契約者がおこないます。

請求書にはお客様番号が記載されているので、時効の通知書には契約者の住所氏名だけでなく、お客様番号を記載しておくことをおすすめします。

時効が成立した場合は、1か月くらいでNHKから時効の対象にならない直近5年分に減額された請求書が改めて送られてきます。

5年以上前から支払いを再開していて、請求書に記載されている未納期間が5年以上前(例:平成20年5月から平成28年3月)の場合は、時効が成立してもNHKから何も送られてくることはなく、未納期間の請求書が届かなくなるだけです。

すでにテレビ等の受信機器を撤去している場合は、時効の援用の際に受信契約を解約する旨を記載しておくこともできます。

その場合は後日、NHKから放送受信契約解約届が送られてくるので、それ以降は受信料の請求をされることはなくなります。

ただし、テレビ等の受信機器が一切なくなったとしても、解約届を出さない限りは請求は止まらず、その間については受信料の支払い義務が発生してしまうのでご注意ください。

ここがポイント!

時効の援用は内容証明郵便でおこなうのが安全で確実

当事務所にご依頼された場合、時効の中断(更新)事由がない限り、5年以上前の受信料については確実に時効の援用をおこないます。

ご依頼された場合のメリット

  • NHKの書面にや訪問による請求が止まる
  • 時効の更新事由がなければ、時効が成立する確率は100%
  • 時効にならない場合は分割和解交渉に移行できる

5年以内の受信料については分割払いの和解をおこないます。

裁判所に支払督促を起こされてしまっている場合でも、当事務所が裁判手続きの代理をおこなうことができます。

よって、ご自分で時効の援用をおこなう自信がなかったり、裁判所から書類が届いてどうしてよいかわからない方は当事務所にご相談ください。

代理人による時効援用手続き

NHK受信料の時効援用を自分でおこなう場合、内容証明郵便を作成する必要がありますが、経験がない方にはハードルが高いのが事実です。

もし、自分で時効援用手続きをおこなうのが不安であったり、内容証明の作成ができない場合は専門家にお願いするのが安全です。

遠方にお住まいであったり、仕事が忙しくて当事務所にお越し頂くことができない方でも、当事務所が内容証明郵便の作成を代行することで時効の援用をおこなうことが可能です。

ご依頼件数8000人以上

こちらのサービスでも当事務所が作成した内容証明郵便による時効の援用によって、5年以上前の受信料については支払い義務がなくなります。

これまでに8000人を超える方が内容証明作成サービスを利用することで、ご自宅にいながら簡単迅速に時効の援用をおこなっておりますので、まずはLINEやお電話でご相談ください。

時効が成立する条件

  • 5年以内に一度も返済をしていない
  • 5年以内に支払いを認めるような発言をしたり、書類にサインしていない
  • NHKから裁判を起こされていない

NHKからの請求を無視していると、裁判所に支払督促を起こされることがあります。

その場合でも5年以上前の受信料については、時効の主張をすることで受信料を一部減額することが可能です。

これに対して、支払督促を受け取ったにもかかわらず放置していると、5年以上前の受信料についても裁判上で支払い義務が確定してしまいます。

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裁判所から支払督促が届いた場合は、適切な対応を取る必要があります。

なお、支払督促は異議申立書を提出することで通常の裁判に切り替わります。

よって、5年以上前の受信料の支払い義務を時効によってなくしたいのであれば、支払督促を受け取ってから2週間以内に異議申立書を裁判所に提出する必要があります。

ただし、異議申立書でNHKの請求を認めたり、分割払いを希望してしまうと時効の援用ができなくなるのでご注意ください。

受信料未払い者に対する支払督促の状況 ※2025年3月末現在

  • 支払督促申立て総件数・・・1万1830件
  • 異議申立により訴訟に至った件数・・・4908件
  • 強制執行申立件数・・・1763件

放送受信契約や受信料の支払いの確認ができないとNHKの訪問員担当者が自宅に訪問してくることもあります。

その際に訪問担当者に対して「お金がないから払えない」等と言うと債務承認となって時効が更新するおそれがあるのでご注意ください。

これに対して「支払うつもりはない」「分からない」「答えられない」等と答えた場合は債務承認には該当しません。

【債務承認になる発言】

  • 一括では払えない・・・分割の相談
  • 少し待ってほしい・・・支払い猶予の相談
  • 減額してくれないか・・・減額の相談

それまでは普通郵便で来ていた請求が簡易書留で来るようになるので、書留で「ご通知」等の請求書が届くようになったら裁判をされたり、訪問される前に時効の援用をおこなってください。

ただし、NHKは経費削減のために2008年から定期的な訪問集金の制度を廃止しています。

ここがポイント!

請求を放置していると裁判を起こされたり、自宅まで訪問される可能性がある

NHKの受信料に時効制度の適用があることを知らずに、受信料の一部を支払ってしまったような場合、債務を承認したことになって時効が更新してしまいます。

更新というのは一時停止という意味ではなくリセットを意味します。

つまり、これまでの時効期間がすべてゼロになってしまいます。

よって、集金人に訪問された際に「1ヵ月分だけでもいいから支払ってください」と言われ、それに応じてしまうと、支払った分が未払期間の当初の分に充当されてしまい、受信料全体の時効が更新してしまいます。

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また、一部の支払いに応じなくても、債務承認書や放送受信料支払期間指定書にサインをしたり、受信料全体について分割返済の相談をしたような場合も時効が更新してしまいます。

よって、時効に気づかずに以下のような行為を取った場合は、時効の主張をすることができなくなり、5年以上前の受信料についても全額支払わなくてはいけなくなってしまうのでご注意ください。

時効が更新する行為

  • 受信料の一部を支払ってしまう
  • 債務承認書などにサインする
  • 受信料全体について支払う意思があることを伝える

ただし、上記のような債務承認に該当するような行為が5年以上前であれば時効の援用が可能です。

つまり、一部入金や支払いを認める言動からすでに5年以上が経過していて、直近5年の間に債務承認に該当する行為がないのであれば時効の援用ができるということになります。

ここがポイント!

時効の可能性がある場合は時効の更新に該当するような行為は絶対におこなわないように注意する

NHKと受信契約を締結していない場合の受信料の時効については、平成29年の最高裁判決があります。

NHKとの受信契約の成立時期についてですが、放送法では「テレビ等のNHKを受信できる設備を設置した者は、NHKとの間で受信契約をしなければならない」と定められています。

ただし、この規定には罰則はないので、受信契約を締結しなくても処罰されることはありませんが、最高裁は放送法の規定には法的拘束力があると認めています。

また、最高裁は放送法の受信契約締結に関する規定は義務ではあるけれども、テレビ等の受信機器を設置したからといって、自動的に契約が成立することはないと判断しました。

よって、利用者が受信契約を締結することを承諾しなければ受信契約が成立しないということになります。

ただし、最高裁は受信契約の成立を承諾しない利用者に対しては、NHKが受信契約を締結するように裁判を起こした場合は、受信契約を認める判決が確定した時に受信契約が成立すると判断しました。

次に、受信契約を締結していない場合、受信料の支払い義務がいつから発生するかです。

これについては、受信契約を締結していなければ、支払義務も発生しないと考えるのが普通の感覚ですが、最高裁は受信契約を締結していない場合でも、テレビ等の受信機器を設置した時から受信料の支払い義務が発生すると判断し、その理由については、真面目に受信料を支払ってきた人と受信契約を締結しなかった人の間で受信料の支払い範囲に違いが出るのは不公平だからとしています。

よって、NHKと受信契約を締結したかどうかにかかわらず、テレビ等の受信機器を設置した時から受信料の支払い義務が発生するということになります。

最後は、受信契約を締結していない場合の消滅時効の起算点です。

この点について最高裁は、受信契約を締結していない場合は消滅時効は進行しないと判断しました。

よって、受信契約が成立しない限り、5年の時効期間が進行しないので、いつまでたっても受信料の支払い義務が残り続けることになります。

平成29年最高裁判決の要点

  1. 受信契約を締結していない場合、NHKから裁判を起こされて判決が確定した時に受信契約が成立する
  2. 受信契約を締結していなくても、テレビ等の受信機器を設置した時からNHK受信料の支払い義務が発生する
  3. 受信契約を締結していない場合、NHKとの受信契約が成立するまで受信料の時効は進行しないので、いつまでも受信料の支払い義務が残る

平成29年の最高裁判決をまとめると、①受信契約を締結していなくてもテレビ等の受信機器を設置した時から受信料の支払い義務が発生し、②受信契約を締結していないとテレビ等を設置した時から何年経っても消滅時効の援用はできず、③テレビ等を設置した時から現在までの全額の受信料を支払わなくてはいけない、ということになります。

つまり、テレビ等の受信機器を設置したにもかかわらず、受信契約を締結せずに受信料を払わなかった場合に、NHKから裁判を起こされてしまうと、テレビを設置した時から現在に至るまでの受信料を全額支払わなければならなくなる可能性が極めて高いということになります。

放送受信契約の未契約者に対する提訴の状況 ※2025年3月末現在

  • 世帯・・・633件(解決済561件、判決57件、訴訟中15件)
  • 事務所・・・40件(解決済40件、訴訟中0件)

ここがポイント!

受信契約を締結していない場合は時効援用の対象外

NHK受信料を払わないのは違法ですか?

テレビ等の受信機器があるにもかかわらず、NHKと契約をしないのは放送法64条違反となります。

ただし、違法ではありますが罰則はないので、受信料を支払わないからといって刑事罰が科せられることはありません。

NHKの未払い受信料は相続の対象になりますか?

NHKの未払い受信料は相続の対象になります。

なぜなら、相続人はプラスの遺産(預貯金や不動産など)だけでなく、マイナスの遺産(借金など)も相続するからです。

ただし、亡くなってから3か月以内に裁判所に相続放棄の申し立てをしている場合は、プラスの遺産もマイナスの遺産もすべて相続しなくなります。

【相続人の対応】

  • 相続放棄の申し立てをした・・・相続放棄申述受理通知書のコピーを郵送する
  • 相続放棄の申し立てをしていない・・・相続人が時効の援用をおこなう

NHK受信料を解約するにはどうすればいいですか?

テレビ等の受信機を設置した住居に誰も住まなくなった場合やテレビの廃棄、故障などによって受信契約の対象となる受信機がすべてなくなった場合は、NHKとの放送受信契約を解約することができます。

解約事由が発生したにもかかわらず、NHKに対して解約の申し出をしないと、その間の受信料は支払う必要があります。

主な解約事由

  1. 受信機を設置した住居にどなたも居住しなくなる場合
  2. 廃棄、故障、譲渡などにより、受信契約の対象となる受信機がすべてなくなった場合

1の場合に該当するのは、①2つの世帯が1つになる場合、②世帯消滅、③海外転居、などがあります。

①は、一人暮らしや単身赴任の解消などによって、2つの世帯が1つになる場合です。

この場合は、いずれか一方の受信契約が解約の対象になります。

よって、受信機器がすべてなくなるなどの解約事由が発生した場合は、すみやかに解約の申出をおこなうようにしてください。

NHK受信料を払わないと訴えられる?

テレビを設置しているのにNHK受信料を支払わないでいると、支払督促という裁判を起こされる可能性があります。

ただし、実際にNHKから訴えられる確率は1万分の1(0.01%)程度です。

NHK受信料を払っていない人の割合は?

NHK受信料を支払っていない人の割合はおよそ2割程度です。

よって、テレビを設置している8割の人は受信料を支払っていますが、残りの2割は払っていません。

NHKの時効援用は信用情報に影響しますか?

NHK受信料を支払わなかった場合でも信用情報に影響はありません。

なぜなら、NHKは信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に加盟していないからです。

信用情報機関に加盟しているのは貸金業者や金融機関のみでNHKは対象外です。

よって、NHKの不払いがあっても信用情報にブラックリストが登録されることはないので、住宅ローンや各種融資の申し込みに影響はありません。

もちろん、NHKに対して時効援用をおこなっても信用情報に傷が付くことは一切ないのでご安心ください。

ご自分と同じようなケースがあれば参考にしてください。

当事務所の解決事例はこちら

NHK受信料の時効援用を自分でしようとしたケース

10年以上支払いをしていない受信料の請求。しつこく督促状が届くので思い切って相談しました

債権者NHK福井放送局
借金の減少額24万円 → 8万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間3週間

福井県にお住まいの方から、NHKから滞納している受信料の督促状が届いたとご相談がありました。

15年くらい前から滞納している受信料の請求でした。

ご本人曰く、滞納してからは一度も支払いをしておらず、NHKと連絡も取っていないということです。

できることならNHK受信料の時効援用を自分でしたいが、不安があるということで当事務所にご連絡を頂きました。

解決方法

NHKから届いた督促状を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

契約内容

  • ご契約件数 ➡ 地上契約
  • ご請求期間 ➡ 平成21年~令和6年
  • ご請求金額 ➡ 24万円

NHKと地上契約を締結したものの、平成21年から支払いをしていないことが分かりました。

カード会社等の借金であれば、時効が成立すればすべての支払い義務がなくなります。

これに対して、NHKの場合は時効が成立しても直近5年分は対象外です。

つまり、5年以上前の受信料のみが時効の対象になります。

よって、時効が成立しても令和元年以降の直近5年分の受信料については支払い義務があります。

ご本人の記憶では平成21年以降は一度も支払いをしておらず、NHKと一切接触していおらず、裁判も起こされていませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所がNHK福井放送局に対して、内容証明郵便で時効の通知を送りました。

すると、1か月くらいで直近5年分(8万円弱)に減額された請求書が改めて届きました。

これにより、5年以上前の受信料の支払い義務を時効の援用によって消滅させることができました。

アドバイス

2023年4月から不正な手段によって受信料の支払いを免れたり、正当な理由なく受信契約の申し込みをしなかった場合に割増金の運用が開始されています。

割増金が適用されると通常の受信料に加えて、その2倍の相当する額を支払うことになります。

例えば、受信料の未納額が50万円だとすると、割増金はその2倍の100万円なので合計で150万円となります。

「不正な手段」とは受信契約の解約届や受信料免除の申請において、虚偽の内容を記載した場合が該当します。

「正当な理由」の事例としては、非常災害や急な病気や事故等で受信契約書を期限までに提出できなかった場合です。

すでに地上契約契約を締結していて、新たに衛星受信機を設置した場合にも適用されます。

ただし、割増金については、上記の事由に該当するからといって一律に請求されるわけではなく、個別事情を考慮しながら運用していくとされています。

NHKから裁判を起こされる可能性は極めて低いとしても、受信契約を締結していないとテレビの設置日から遡って全額の受信料に加えて、その2倍の割増金の支払い義務を負うことになります。

これに対して、受信契約を締結している場合はNHKから裁判を起こされたとしても、5年以上前の受信料については時効の援用ができるので、直近5年分(地上契約の場合は約8万円)だけを支払えばよいことになります。

つまり、NHKから裁判を起こされた場合、同じ日にテレビを設置をしていたとしても受信契約を締結しているかどうかによって時効援用の可否や割増金の有無が異なるので、結果として支払うことになる受信料に雲泥の差が生じるということです。

よって、そういったリスクを考慮したうえで、受信契約を締結するかどうかを検討した方がよいと思われます。

50万円の受信料の裁判を起こされ場合

  • 受信契約を締結していない ➡ 割増金(100万円)を含めて150万円の支払い義務を負う
  • 受信契約を締結している ➡ 時効の援用によって8万円(直近5年分)だけで済む

NHK受信料の過去分の未払いを請求されたケース

過去の未払い分の請求。今は支払っているので時効になるか不安でしたが相談してみました

債権者NHK札幌放送局
借金の減少額34万円 → 0円
おこなった手続き時効援用
手続き期間1日

北海道にお住まいの方からNHKから過去の未払い分の受信料の請求書が届いたと相談がありました。

平成27年以降の受信料は銀行引き落としで支払いをしており、今回の請求は過去の未払い分の受信料でした。

請求期間には「平成14年〇月から平成27年〇月」と記載されており、平成27年以降の受信料はすべて支払っているとのことです。

平成27年に支払いを再開する際にNHKから「今までの分は支払いをしなくてよいので、これからの分をよろしくお願いします」と言われたそうです。

それにもかかわらず、今になって突然、過去の未納分の受信料を請求されてご本人はとても困惑されていました。

解決方法

NHK受信料にも時効があります。

時効期間は借金の時効と同じく5年ですが、NHK受信料の場合、直近5年分は時効になりません。

つまり、5年以上前の受信料でなければ時効の対象にならないということになります。

今回の請求は平成14年~平成27年の約34万円の請求です。

ただし、平成27年以降の受信料は遅れることなく支払いをしているので、これが未納期間の受信料の時効を更新(リセット)させるかどうかがポイントです。

結論から言いますと、平成27年以降の支払いは未納期間の時効を更新させません。

なぜなら、平成27年以降の支払いは、あくまでも平成27年以降の受信料に対する支払いであって、未納期間の受信料に対する支払いではないからです。

しかし、5年以内に過去の未納期間の支払いをしたり、支払いを認めるような発言や書類にサインをしていると、時効が更新してしまいます。

今回のケースでは、支払いはあくまでも平成27年以降の受信料に対するものであって、5年以内に未納期間の支払いを認めるような書類にサインをしたり、NHKと話をしたこともありませんでした。

よって、5年以内に未納期間の受信料に対する時効更新事由はなかったので、当事務所が内容証明郵便を作成して、NHKに対して時効の通知を送りました。

今回は北海島からのご依頼であったので、当事務所が代理人にならずに内容証明の発送までを代行する内容証明作成代行サービスで対応しました。

その結果、NHKの過去の未払分の請求は止まり、約34万円の受信料の支払い義務が消滅しました。

アドバイス

今回のケースのように現在は支払いをしていても、過去の未払い分の請求がくることがあります。

この場合に時効の対象になるのは、支払いの再開が5年以上前の場合です。

支払いの再開が5年以内の場合は時効になりません。

なぜなら、支払いを再開する際の申込用紙には「放送受信料支払期間指定書」という項目があり、申込用紙にサインをすることで未払期間の支払いを承認したことになり、時効が更新するからです。

よって、今は受信料を支払っている方に過去の未払い分の受信料の請求がきた場合は、支払いを再開してから5年以上経っているかどうかがポイントです。

また、支払いの再開から5年以上経過していても、5年以内に未払い期間の受信料の支払いをしたり、未払い期間の支払いを認めるような書類にサインをすると時効が更新してしまいます。

よって、支払いの再開から5年以上経過していて、かつ、5年以内に過去の未払い期間の債務承認をしていないことが条件となります。

NHKから督促状がかなりの確率で届いたケース

NHKは観ていない。できれば1円も支払いたくないが、そうもいかないので時効の相談をすることにしました

債権者NHK千葉放送局
借金の減少額23万円 → 8万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間2週間

千葉県にお住まいの方から、NHKから受信料の督促状が頻繁に届いているとご相談がありました。

ご本人曰く、10年以上前から一度も支払いをしていないそうです。

NHKは観ていないので、できるなら支払いをしたくないということでした。

ただし、自分ではどのようにしたらよいかわからず、督促状もかなりの確率で届いているので当事務所にご連絡を頂きました。

解決方法

NHKから届いた「放送受信料払込取扱票」を確認したところ、請求内容は以下のとおりでした。

契約内容

  • 請求期間 ➡ 平成20年 ~ 令和5年
  • 請求金額 ➡ 23万円
  • ご契約件数 ➡ 地上契約

NHKと地上契約を締結したものの、平成20年から支払いが滞っていることが分かりました。

NHK受信料の時効は5年です。

ただし、直近5年分は対象外です。

つまり、5年以上前の受信料が時効の対象になります。

ご本人の記憶では、平成20年以降は一度も支払いをしておらず、滞納してい間にNHKと話はしていませんでした。

よって、今回は時効の可能性があると判断しました。

そこで、当事務所が内容証明郵便を作成して、NHK千葉放送局に対して時効の通知を送りました。

すると、NHKから直近5年分に減額された督促状(約8万円)が届きました。

これにより、5年以上前の受信料については支払う必要がなくなり。、かなりの確率で届いていた督促状も届かなくなりました。

NHK受信料は時効が成立しても直近5年分は対象外なので、全額支払わなくてもよいというわけではありません。

ただし、未納期間が長ければ長いほど時効の対象期間が増えるので、時効援用をおこなうメリットは十分あります。

アドバイス

受信料を滞納しているとNHKから以下のような記載がされた督促状が届くことがあります。

令和5年○月に「重要なお知らせ」を題する文書及び放送受信料の払込用紙をお送り致しましたが、現在に至るまで、下記期間の放送受信料をお支払いいただけておりません。

このままお支払いがない場合には、貴殿に対し、やむを得ず、法的手続きを検討せざるを得ません。

再度、払込用紙をお送り致しますので、この点をご賢察のうえ、至急お支払いください。

お支払方法についてのご相談(分割払いなど)がある場合は、下記問い合わせ窓口までご連絡ください。

NHK受信料で訴えられる確率は相当低いですが、可能性はゼロではありません。

NHKから訴えられると裁判所から支払督促が特別送達という郵便で届きます。

この段階であれば、まだ時効の援用が可能です。

具体的には支払督促を受け取ってから2週間以内異議申立書を裁判所に提出します。

すると、裁判は支払督促から通常訴訟に切り替わります。

その後、裁判所からあらためて裁判期日呼出状答弁書が届きます。

答弁書は裁判期日の1週間前までに裁判所に提出する必要があります。

異議申立書や答弁書を提出する際はNHKの請求を認めたり、分割払いを希望しないようにご注意ください。

時効が成立した場合は直近5年分だけを支払うことになります。

これに対して、指定された期限内に異議申立書や答弁書を提出しなかった場合は、NHKの請求が認められて滞納期間全額の支払いをしなければいけなくなります。

よって、NHKから督促状が届いた場合は、裁判を起こされる前の段階で時効の援用をおこなっておくのが安全です。

NHK受信料を滞納したまま契約者が死亡して相続人が解約と時効援用したケース

契約者がすでに死亡していたので、どうすればよいかわからず相談しました

債権者NHK水戸放送局
借金の減少額65万円 → 13万円
おこなった手続き時効援用
手続き期間3週間

茨城県にお住まいの方からNHK受信料の契約者死亡後の時効援用についてご相談がありました。

契約者本人が死亡したので遺品整理をしていたところ、NHKから20年分以上の受信料(65万円)の督促状が見つかったということです。

被相続人は独身で子供もおらず、両親もすでに他界しているということです。

NHKの受信料にも時効があることを知り、NHK受信料を滞納したまま解約と時効援用できないかとのご相談でした。

解決方法

被相続人に配偶者、子ども、両親がいない場合、兄弟姉妹が相続人になります。

よって、NHK受信料を滞納したまま契約者本人が死亡した場合、相続人である兄弟姉妹に支払い義務があります。

兄弟姉妹が複数人いる場合は、法定相続分の割合に応じて各相続人が支払い義務を負います。

今回は3人兄妹でしたが、そのうちの1人が相続放棄をしていたため、残った兄妹が単独で相続をすることになります。

そこで、NHKから届いた請求書を確認したところ、契約内容は以下のとおりでした。

請求内容

  • 契約の種類 ➡ 衛星契約
  • ご請求期間 ➡ 平成11年から令和5年
  • ご請求金額 ➡ 65万円

NHK受信料にも消滅時効の適用があります。

よって、時効の条件を満たしている場合は、相続人が時効の援用をおこなうことが可能です。

ただし、直近5年分は時効の対象外なので、時効が成立しても5年分については支払い義務があります。

今回は受信契約者本人がすでに死亡しており、生前の生活状況などもまったく分からなかったため、時効の条件をクリアーしているかどうか不明でした。

ただし、遺品整理をした際の状況から、おそらく被相続人がNHKとは一切連絡を取っておらず、支払いもしていないだろうと思われました。

そこで、受信契約者の相続人からNHKに対して、内容証明郵便で時効の通知を送ることにしました。

その際にNHKとの受信契約を解約する旨の記載もおこないました。

すると、NHKから「放送受信料時効援用届出書」「放送受信契約解約届」が届き、無事に滞納したまま受信契約の解約と時効援用をおこなうことができました。

アドバイス

受信料を滞納している間に契約者が死亡していることがあります。

その場合は相続人が時効の援用をおこなうことができます。

よって、被相続人が5年以上前のNHK受信料を滞納したまま死亡した場合は相続放棄をおこなうか、時効の援用をおこなうかでその後の対応が異なります。

相続人の対応と受信料の支払い義務

  • 相続放棄をした ➡ 受信料の支払いをする必要は一切ない
  • 相続放棄をせずに時効の援用をした ➡ 5年以上前の受信料の支払いは免除される

相続放棄の期間は受信契約者である被相続人の死亡から3か月以内が原則ですが、被相続人が死亡した事実を知らなかった場合は、死亡の事実を知ってから3か月以内であれば相続放棄できます。

また、死亡の事実を知っていたケースでも、一切の遺産を相続しておらず、NHKからの通知で初めて負債がある事実を知ったような場合は、NHKから通知を受けてから3か月以内であれば相続放棄が認められる場合があります。

ただし、3か月以上経過していてもNHKからの通知で初めて受信料を滞納していることを知ったような場合は、例外的に通知を受け取ってから3か月以内であれば相続放棄が受理される場合があります。

【3か月過ぎた相続放棄が認められる条件】

  • 被相続人の預貯金や不動産などの遺産を一切相続していない
  • 相続時の調査で受信料や借金があることが分からなかった
  • NHKからの通知で初めて被相続人に負債があることを知った

相続放棄と時効援用の両方が選択できる状況であれば、まずは相続放棄を先におこなうのが安全です。

なぜなら、先に時効援用をしてしまうと相続を承認したことになってしまうので、時効が成立しなかった場合にあとから相続放棄に切り替えることができなくなるおそれがあるからです。

よって、預貯金や不動産等の遺産が一切ないようなケースであれば、まずは相続放棄をしてみて、受理されなかった場合に時効の援用をおこなうのが安全です。

当事務所はこれまでに1万人を超える方の借金問題を解決しており、時効実績も豊富です。

NHKから5年以上前の受信料の請求が来てどうしてよいかわからない場合はお気軽にご相談ください。

いなげ司法書士・行政書士事務所

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この記事の監修者

いなげ司法書士事務所 豊島裕也
いなげ司法書士事務所 豊島裕也司法書士・行政書士
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号

経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。

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