破産管財事件における制限

個人の自己破産には、同時廃止事件と管財事件の2種類ありますが、今回は管財事件になった場合の話をします。

裁判所の破産手続開始決定により、破産者は破産財団に属する財産の管理処分権を失います。

言い換えれば、破産者が自分で売ったり、貸したりすることができなくなり、破産財団に関する管理処分権が破産管財人に専属するということになります。

なお、破産者が破産手続開始のときに所有している財産については、日本国内にあるものだけではなく、国外にあるものも含めてすべて破産財団となります。

また、将来の請求権であっても、破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づくものである場合には破産財団に属するとされています。

これに対して、99万円までの現金や差押禁止財産、破産手続開始決定後にもらった給料等の破産財団に属しないものについては破産管財人の管理処分権の対象外となるので、自由に使って構いません。

次に、管財事件特有の制限についてみていきます。

まず、居住制限ですが、破産者は裁判所の許可がなければ居住地を離れることができません。

もちろん、裁判所の許可を得れば別で、もし、裁判所に許可の申し立てをしても却下されてしまった場合には即時抗告もすることができます。

なお、この居住制限に違反しても特に罰則はありません。

また、破産者は、破産管財人等に対して必要な説明義務を負い、破産管財人は破産財団に属する帳簿、書類その他の物件を検査することができます。

この他にも破産者には重要財産開示義務というものがあります。

これは、破産手続開始決定後に遅滞なく、その所有する不動産、現金、有価証券、預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出しなければいけないというものです。

もちろん、貸金業者に対する過払い金(不当利得返還請求権)についても、破産財団を構成する財産の一つとなりますので開示義務があります。

もし、これらの義務に反して、説明や検査を拒否したり、嘘の説明をすると3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金になる危険があります。

こういったものの他に、実生活にもっとも影響するのが郵便物の転送嘱託です。

これはどういうことかといいますと、郵便物が自分のところに直接来ずに、一度、管財人の元へ郵送され、中身をチェックされてしまうということです。

なお、新破産法では、転送嘱託は必ずしもおこなわれるものではなく、破産者の申し立てまたは職権で、破産管財人の意見を聴いて、転送嘱託を取り消したり、変更したりすることもできるようになりましたが、実務上はほぼすべてのケースで従来どおりの転送嘱託がおこなわれています。

破産者の中には、郵便物の中身を管財人に見られてしまうことに抵抗がある方もいると思いますが、管財事件になった以上は転送嘱託はまず避けられないのが現実です。

郵便物の制限も免責が下りれば解消されますので、破産手続中の数ヶ月間は我慢するしかないでしょう。

以上のような制限が管財事件にはありますが、特に借入原因にギャンブルや浪費が含まれておらず、特にめぼしい財産がなく、管財費用を捻出することができない場合は、同時廃止事件になる可能性が高いので、必ずしも管財事件になるというものではなく、割合的には圧倒的に同時廃止事件の方が多いです。

また、管財事件になるか同時廃止事件になるかの判断は裁判所がおこないますので、まずは同時廃止事件で申し立てをしてみることになります。

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