任意売却
任意売却とは
「任意売却」という言葉を初めて聞いたという方もいると思いますが、任意売却はその名のとおり、「任意」に「売却」することです。では、なにを任意に売却するのか?
それは不動産です。ここでいう不動産にはいろいろな種類がありますが、一般的には住宅ローンが付いたマンションや一戸建てのマイホームであることが多いです。
では、なぜ「任意」という言葉が付いているのでしょうか?それは、任意売却が競売と対極している手続だからです。
競売は、ご存じのとおり裁判所でおこなわれます。そのため、競売になると自分の意志とは関係なく手続が進んでしまいます。いわば、競売というのは裁判所による強制的な手続といえます。
反面、任意売却というのは、所有者の自由な意思に基づいておこなわれます。自由な意思に基づいた手続なので、任意売却をしたくないという方が、第三者に任意売却を強制されることはありません。
このように、競売は強制的な手続ですが、任意売却はあくまでも所有者の自由な意思に基づいた手続なので、「任意」という言葉がついているわけです。
そして、任意売却で重要なのが、住宅ローンなどの担保を付けている債権者(これを「担保権者」といいます)の存在です。なぜなら、任意売却では「担保権者全員の同意」が必要になるからです。
担保権者の同意というのは、不動産に設定されている担保を抹消することの同意です。なぜ、そのような同意が必要になるのかですが、任意売却で設定された売却金額では、全ての担保権者に返済しきれないからです。
それでも、任意売却の手続きにおいては、不動産に付いている担保はすべて消さなくてはいけません。なぜなら、担保がついたままの不動産など誰も買わないからです。
そこで、任意売却では仲介業者が担保権者と交渉して、担保を抹消することの同意を取り付ける必要があるわけです(もし、1人でも同意しない担保権者がいれば、任意売却は成立しません)。
<ここがポイント!>
☑ 任意売却とは、所有者に依頼された仲介業者が、担保権者全員の同意を得て不動産を売却する手続
任意売却という選択
どうせ、マイホームを手放すしかないのであれば、わざわざ任意売却などという面倒な手続をしなくても別に競売でもいいと思うかもしれません。
しかし、住宅ローンを払わないまま放置しておくと、最終的には裁判所で競売が始まります。
競売手続は、所有者が反対しても粛々と進むので、仮に、引っ越し先が決まっていなくても、買い手が見つかれば強制的に退去させられてしまいます。
この点、任意売却であれば引越時期を調整できるといった競売にはないメリットがあります。
任意売却の特色
なにより任意売却の最大のメリットは、競売よりも高値で売れるという点です。高く売れれば、それだけ住宅ローンを減らすことができるので、競売よりも売却後の返済計画が立てやすくなります。
なお、自己破産では、任意売却後に残った住宅ローンを含めて免責されますので、任意売却で高く売ろうが、競売で安く売れようが関係ないように思えます。
しかし、任意売却では引っ越し費用を確保できる場合があります。当然のことながら、競売では引っ越し費用は全く考慮されないので、自己破産であっても任意売却をするメリットはあるわけです。
これ以外にも任意売却には競売にないメリットが多数あるので、今後は自己破産をするケースであっても積極的に任意売却を選択するべきだと考えます。
<ここがポイント!>
☑ 任意売却は競売よりも高値で売れて、引っ越し費用がもらえる
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