発起設立の流れと費用

株式会社を設立するには

 

1. 発起設立

 

2. 募集設立

 

の2つの方法がありますが、発起設立であれば発起人1人で設立ができるので、実際の起業では発起設立を選択するケースが多いです。

 

なお、発起人というのは、会社の設立を企画した者であり、会社成立後は株主となります。

 

また、定款に発起人として記名押印し、会社を設立する際の責任者として一定の業務を遂行し、それに対して法的な責任を負います。

 

発起設立のスケジュールは以下のとおりです。

 

1. 定款案をつくる

 

2. 定款の認証

 

3. 出資金の払込み

 

4. 取締役の選任

 

5. 設立時取締役による調査

 

6. 法務局へ申請

 

7. 設立登記完了

 

発起設立では、1人もしくは複数の発起人が会社の設立を決意し、手続きに入ります。

 

その後、会社の商号、目的、本店所在地等の定款記載事項を決めます。

 

会社の商号が決まれば、会社の実印や銀行印を作っておきます。

 

なお、会社法では同一の本店所在地に同一の商号の会社を設立することはできませんが、旧商法時代のように同一市町村内との規制はありません。

 

しかし、不正の目的をもって他の会社と誤認される恐れのある商号を使用することは、不正競争防止法の観点から認められません。

 

同法では、以下の2つの行為を不正競争と位置付け、これに対する差し止めや損害賠償請求を認めています。

 

1. 他人の商品等表示(商号を含む)として需要者の間に広く認識されているものと同一もしくは類似の商品等表示を使用する等して、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為

 

2. 自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一もしくは類似のものを使用等する行為

 

よって、旧商法のような類似商法の規制はなくなったとはいえ、少なくとも同一市町村内に類似の商号が登記されているかどうかは調べておいた方がよいといえます。

 

また、資本金も従来のような制限がなくなったのでいくらでも良いのですが、法人住民税均等割の最低基準と消費税の免税業者の点から1000万円未満にするケースが多いです。

 

資本金は登記事項なので、第三者であっても会社の登記事項証明書を取得すれば容易に資本金額を確認することができます。

 

そのため、少なくとも旧有限会社の最低資本金額であった300万円以上を設定しておかないと、周りからの信頼を得ることは難しいのではないかと思われます。

 

つまり、資本金の額は会社の本気度のバロメーターといえるので、あまりにも小さい金額で会社を設立すると、社会的、経済的信頼を得ることは困難になります。

 

なお、資本金の払込は金銭に限らず、不動産や車、知的財産等の金銭以外を現物出資することも可能で、500万円以下であれば検査役の選任も不要です。

 

定款の認証を必ず必要ですが、オンライン認証であれば印紙代4万円を節約でき、その場合の手数料は約5万円です。

 

この他には法務局へ申請する際に15万円の登録免許税がかかります。

 

設立費用のうち、定款認証手数料、定款の印紙(オンライ申請ならかかりません)、設立登記の登録免許税は会社の負担とすることができます。

 

よって、発起人が立て替えた分は、会社設立後に会社に請求できるわけです。

 

会社の設立は自分でもできなくはありませんが、その場合はそれなりの手間費がかかりますし、定款もオンライン認証とはいきません。

 

そうなると、定款の認証料で約9万円かかってしまいますが、司法書士等に依頼をすればオンライン認証をしている事務所がほとんどなので、

 

自分で設立手続きをおこなった場合に比べて4万円の印紙代を節約することができ、司法書士への報酬が4万円以下であれば自分でやるよりも安い結果となります。

 

最近では設立手続の報酬が4万円以下の事務所も少ないので、株式会社の設立を検討されている場合は、お近くの司法書士にご相談されることお勧めします。

無料相談 受付中!

無料相談

受付時間:平日9時~18時
電話番号:043-203-8336