取締役会を廃止した場合の登記手続き

旧商法では株式会社には必ず取締役が3人必要でしたが、会社法の施行により、現在では取締役が1人の株式会社も珍しくなくなりました。

また、現在では、設立当初に取締役会を設置するかどうかを任意で選べて、もし、取締役を設置した場合は、取締役会設置会社であることが登記されます。

しかし、旧商法時代に設立していた株式会社は、法務局が職権で取締役設置である旨を登記します。

反面、従来の取締役会設置会社が、取締役会を置かないように変更することも可能で、その場合は取締役会設置会社の定めを廃止する登記が必要になります。

この場合、取締役会の廃止により、今まで代表権のなかった平取締役も当然に代表権を有することになるので、代表取締役以外の取締役について代表権付与の登記をしなければいけません。

これに対し、すでに代表取締役であった取締役についてはなにもする必要はありません。

なお、株式の譲渡制限を設けている会社が、承認機関を取締役会にしていた場合、取締役会を廃止することで原則的に株主総会が承認機関となります。

よって、取締役会は医師の登記と同時に株式の譲渡制限を変更する登記もしなければいけません。

また、旧商法時代の株式会社では取締役会のみならず、監査役も最低1名以上必要でしたので、取締役会を廃止に伴い、監査役を置かないことにした場合には、監査役設置会社の定めの廃止の登記も必要になります。

例えば、取締役がA、B、Cの3人で代表取締役がA、監査役がDであった株式会社で、取締役B、Cが辞任するのに伴い、取締役会と監査役を廃止し、株式の譲渡に関する承認機関を取締役会にしていた場合に必要な登記は以下のとおりです。

1. 取締役会設置会社の定めの廃止

2. 監査役設置会社の定めの廃止

3. 取締役及び監査役の変更

4. 株式の譲渡制限に関する規定の変更

登録免許税は合計で7万円(資本金が1億円以下の場合)となります。

ところで、会社法の施行により、取締役の任期は最長で10年まで延長できるようになりました。

そのため、新たに株式会社を設立する場合、そのほとんどの場合で、任期を10年にしています。

しかし、旧商法時代の株式会社における取締役の任期は、従来どおり原則2年となります。

もちろん、定款変更すれば2年から最大10年に延長することは可能ですが、それは別途、定款変更の手続きをした場合に初めて適用されます。

よって、本来であれば2年ごとに役員変更の登記をしておかないといけないのですが、実際に約変更登記をしていない会社が結構あります。

当事務所に相談にくる会社の中にも従来の2年の任期にもかかわらず、10年近く役員変更をしていない会社が見受けられます。

そういった場合、きちんと2年ごとに役員変更登記をしていなかったことが原因で過料の制裁を受けることがあります。

実際に過料を支払うことになるかは法務局次第ですが、もし、過料の対象になる場合は、法務局が裁判所に通知し、裁判所が最終的な金額を決定しますので、裁判所から代表取締役宛てに通知が来ることになります。

金額については、放置期間に比例するようですが、数万円から10万円くらいが一般的です。

よって、役員変更登記はきちんと任期とおりにおこなっておくことが大切です。

当事務所でも千葉近郊の会社であれば対応可能ですのでお気軽にご相談ください。

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