不動産登記の添付書類の原本還付請求

不動産登記申請の際に使用した添付書面を原本還付できるかどうかですが、これはできるものとできないものがあります。

 

原本還付ができないものには

 

1. 申請書に記名押印した申請人またはその代表者もしくは代理人の印鑑に関する証明書、その他の印鑑に関する証明書

 

2. 登記の申請のためにのみ作成された委任状、その他の書面

 

があります。

 

1.の印鑑証明書の原本還付が認められない理由としては、これらの書面がいつでも容易に入手できるからで、作成後3ヶ月以内という期間の制限が設けられており、

 

そのため、他の目的のための再使用が限られるのが普通であるから、原本還付を認めなくても特に不便にはならないと考えられているからです。

 

2.の委任状については、そもそも他の目的への使用が予定されてない書面なので、当然、原本還付も認められていません。

 

なお、権利に関する登記を申請する際には、申請情報と併せて登記原因を証する情報も、添付情報として提供する必要があります。

 

旧不動産登記法では、申請書副本を提出することもできましたが、新法では登記原因証明情報を提供する必要があります。

 

この、登記原因証明情報の原本還付ですが、提出される書面によって取り扱いが異なります。

 

つまり、登記原因となる法律行為(売買、贈与、抵当権設定等)に関し、当事者間の合意の成立またはその内容を証するものとして作成された契約書を登記原因証明書情報として使用する場合、

 

登記申請以外の他の目的への利用が予定されているもので原本還付を請求することが可能ですが、司法書士等が登記所に登記原因の存在を報告するために作成した書面である場合には、

 

登記の申請のためにのみ作成されたものなので、原本還付も認められないということになります。

 

ところで、相続を原因とする名義変更の際に作成する必要がある相続関係説明図ですが、旧法においては相続完成説明図を作成して提出すれば、相続を証する書面として提出した戸籍等の原本還付を請求することができましたが、新法においても、この取り扱いは同様です。

 

ただし、新法においては、原本還付請求できるのは戸籍謄本等までに限られますので、遺産分割協議書、これに記名押印した者の印鑑に関する証明書、その者の住所証明書の原本還付を請求するには、これらの謄本(コピー)を提出する必要があります。

 

また、各種添付情報の有効期限については、印鑑証明書や法人の代表者の資格証明書は作成後3ヶ月以内であること要しますが、住民票や戸籍謄本には有効期限はありません。

 

ただし、登記実務では、最新の情報を登記に反映させるという趣旨から、あまり古い物を提出すると差替えを要求される場合もあります。

 

なお、第三者の同意書や遺産分割協議書に押印した実印の印鑑証明書については、作成後3ヶ月以内という制限はありません。

 

これは、第三者から最新の印鑑証明書の交付を求めることは、事実上困難な場合もあるからで、遺産分割協議書の印鑑については、戸籍謄本等の他の公的書類で真実の相続人であることを確認できるからです。

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