少額訴訟の特徴

簡易裁判所で請求できる金額は140万円以下とされていますが、さらに60万円以下の場合には少額訴訟という手続きがあります。

なお、この場合の60万円は元本で判断しますので、利息や損害金を加えた額が60万円を超えても、元本が60万円以下であれば少額訴訟を利用することができます。

また、少額訴訟では60万円以下の金銭の支払いを請求する場合に限定されますので、不動産や動産の引渡しや、登記手続き等の意思表示の擬制、債務不存在確認訴訟は対象となりません。

裁判所の管轄については、通常の訴訟と同じなので、基本的に原告の住所地の裁判所に起こすことが可能です。

この点、支払督促は債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に起こさなければいけないのと異なります。

これ以外の少額訴訟の特徴としては、以下のようなものがあります。

1. 一期日審理の原則

2. 反訴の禁止

3. 当事者本人の出頭命令

4. 被告の申述による通常訴訟への移行

5. 即時の判決言渡し

6. 判決による支払猶予

7. 仮執行宣言

8. 控訴の禁止

一期日審理の原則というのは、少額訴訟の大きな特徴の一つで、特別な事情がある場合を除き、最初の口頭弁論期日で、審理を終了しなければいけないという決まりです。

そのため、当事者はその期日の前までにすべての主張・立証をしなければいけないわけです。

また、少額訴訟では反訴が禁止されていますが、反訴というのは被告側からの原告に対する訴えの申立てです。

通常の訴訟では、原告が30万円の請求をしたところ、被告が逆に原告に対して40万円の請求をするといった反訴がおこなわれることもありますが、少額訴訟ではそういったことはできないということです。

当事者本人の出頭命令というのは、司法書士等が少額訴訟の代理人に選任されていたとしても、裁判所が当事者本人の出頭を命ずることができるというものです。

これは、少額訴訟ではすでに述べたとおり、一期日審理の原則があるので、裁判所が当事者本人に直接聞く必要があると判断した場合のために設けられている規則です。

なお、少額訴訟では被告が通常訴訟で審理して欲しいと希望すれば、原告が少額訴訟で申し立てをしても通常訴訟に移行してしまいます。

また、場合によっては、裁判所が少額訴訟で審理をするのが相当でないと判断すれば、職権で通常訴訟に移行することもあります。

判決に言渡しは、通常訴訟では口頭弁論終結後1ヶ月後くらいが目安ですが、少額訴訟判決は、相当でないと認める場合を除いて、口頭弁論終結後直ちに言い渡されます。

この少額訴訟判決では、たとえ原告の請求が認められる場合でも、被告の資力、その他の事情を考慮して、特に必要があると認める場合には、3年を超えない範囲内で支払いの猶予、分割払いの定め、訴え提起後の遅延損害金の免除を定めることができます。

しかし、原告の請求が認容された場合には、裁判所は必ず仮執行宣言がつきますが、支払猶予判決に対して不服を申し立てることはできません。

また、少額訴訟判決に対しては、控訴することができず、異議の申立てができるのみです。

もし、適法な異議があった場合には、訴訟は口頭弁論終結前の程度に復し、その後は通常の訴訟によって審理され判決が出される。

なお、異議審も同じ裁判官が担当することが実務上は殆どですので、結果が180度変わるということはまずありません。

この少額異議判決に対しても控訴することはできませんので、少額訴訟は事実上の一審制といえます。

少額訴訟には上記のような特徴があるので、訴訟を起こす際は通常訴訟、支払督促、少額訴訟のメリット・デメリットを比較検討して、その手続きを選択する必要があります。

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