遺言執行者の辞任、解任、欠格事由

遺言書では遺言執行者を指定しておくことができますが、いったん就任を承諾した執行者が辞任する場合には、

 

1. 正当な事由

 

2. 家庭裁判所の許可

 

の2つが必要です。

 

よって、一度、就任を承諾した遺言執行者は、自分の都合で勝手に辞任することは許されません。

 

なお、ここでいう正当な事由とは、長期にわたる病気や海外出張等で、遺言執行業務をおこなうことが事実上困難または不可能な場合を指します。

 

よって、単にやる気がなくなった等の理由では辞任は認められません。

 

ただし、こういった場合は解任すべき場合に該当する可能性はあります。

 

解任理由にはいろいろありますが、原則的には遺言執行者が

 

1. 任務を怠ったとき

 

2. その他正当な事由があるとき

 

となります。

 

執行者のやる気がなく、任務が長期間放置されたり、積極的に任務に違反した行為は上記1.の任務を怠ったときに該当します。

 

解任理由がある場合、相続人、受遺者その他利害関係人からの請求によって、家庭裁判所が解任を判断します。

 

解任以外にも、遺言執行者が破産手続開始決定を受けた場合は、欠格事由に該当しますので、その地位を失います。

 

なお、平成11年に民法が改正されるまでは、無能力者になった場合も欠格事由に該当していましたが、

 

成年後見制度に関する民法の改正により、欠格事由は破産と未成年者の2つだけになりました。

 

ところで、執行者が破産手続開始決定を受けても、破産管財人が執行者の地位を承継することはありません。

 

以上のように、遺言執行者が辞任、解任、欠格事由でその地位を失った場合、それまでにおこなった執行業務の顛末を相続人に報告する必要があります。

 

相続人から解任請求された執行者が、報告をきちんとおこなうかどうかは疑問がありますが、

 

もし、報告を怠ったことが原因で相続人に損害が発生した場合は、損害賠償請求を受ける可能性があるので注意が必要です。

 

また、正常に執行業務をおこない、無事に遺言の内容がすべて実現され、遺言執行が完了したときも任務が終了し、執行者の地位も喪失します。

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