会社の解散から清算結了まで

会社が解散すると、その後、清算手続きが開始するわけですが、解散は種々の事由によって発生します。

一般的に多い解散事由は、株主総会の決議による解散です。

株主総会の決議によって解散したときは、当事者から解散の登記を申請しなければいけません。

これに対して、会社が破産したときは、裁判所により破産手続開始の登記がされますが、解散の登記ではないので混同しないように注意が必要です。

解散の登記手続きですが、登記の事由は「解散」となり、登記すべき事項は「平成〇年〇月〇日株主総会の決議により解散」となり、株主総会議事録を添付します。

なお、実務上は解散の登記と同時に、清算人の選任登記をおこないます。

というのも、会社が解散しても、その法人格がすぐに消滅するわけではなく、清算をする株式会社が清算結了するまでは存続するとされているからです。

そして、実務上は従来の取締役がそのまま清算人に選任されますが、これを法定清算人といいます。

もし、解散前に取締役の変更があったにもかかわらず、その変更登記をしていなかった場合には、会社が解散したときにおける取締役が誰であるのかを明らかにするために、取締役の変更登記をしてから法定清算人の選任登記をする必要があります。

もちろん、定款や株主総会で別の者を清算人に選任することも可能ですが、清算人と会社との関係は委任に関する規定に従いますので、法定清算人でない場合は別途、就任承諾書が必要になります。

また、法定清算人の場合、代表取締役がいたのであれば、その者を代表清算人にする必要がありますが、改めての就任承諾は不要です。

なお、会社が解散しても、監査役は当然に退任しないので、監査役の登記が自動的に抹消されることはありません。

清算会社において、監査役を置くかどうかは原則的に任意なので、従前、監査役を置く旨が定款に定められていた場合は、解散後も監査役を置くことになります。

しかし、清算中でも、株主総会の決議により、監査役を置く旨を廃止することが可能なので、その旨の定款変更の効力が発生したときに退任します。

登記上の添付書類としては、必ず定款が必要になります。

これは、清算人会の設置の有無を定款によって確認する必要があるためです。

登録免許税は9000円です。

通常、解散の登記と清算人の登記は同時に申請しますので、登録免許税は合計で3万9000円となります。

その後、清算人は、会社の債権者に対して、その債権を申し出る旨の官報公告をしなければいけません。

この官報公告費用は3万少々ですが、文章量によっては金額が増加します。

なお、官報公告における申出の期間は最短でも2ヶ月を取らないといけないとされています。

そして、清算人による清算事務が終了し、決算報告について株主総会の承認を得たときは、清算は結了し、会社の法人格が消滅します。

清算が結了したときは、その旨の登記を申請する必要がありますが、上記のとおり、官報公告に最低でも2ヶ月かかるので、清算人が就任してから2ヶ月以上経過しない限り、清算結了の登記をすることはできないことになります。

もし、解散の登記と清算人の登記をしないうちに清算が結了した場合には、解散と清算人の登記と清算結了の登記を一括して同一の申請書ですることができますが、解散と清算人の登記をしないで、いきなり清算結了の登記を申請することはできません。

清算結了の登記の添付書面は、決算報告の承認決議に係る株主総会議事録(決算報告が付属書類として添付されたもの)が必要になりますが、官報公告をしたことの書面については添付は不要です。

なお、登録免許税は2000円となります。

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