同一の基本契約の中で空白期間がある場合

信販系のキャッシングでは、通常は最初のカード申込み契約をすると、あとは有効期限が切れても基本的には自動継続となります。

 

つまり、キャッシングの基本契約といえるようなものは、カード作成時の1回のみです。

 

これに対して、サラ金系のキャッシングだと、一度完済をしてしばらく利用してない期間が続くと、新たな借入れをする場合に再度契約をし直すことは珍しくありません。

 

過払い金請求において、契約が1つなのか複数なのかは非常に重要な問題になります。

 

なぜならば、一度、完済した場合、その後の新たな借入金が過払い金に充当されるかどうかは、新たな借入れをする際に再契約しているかどうかによるからです。

 

つまり、契約が当初の1つだけなのであれば、取引の途中に空白期間があっても、基本的に一連計算で過払い金を算出することが可能です。

 

これに対して、再借入れの際に新たな契約を締結していると、原則的には一連計算をすることができず、契約毎に別取引として過払い金を算出することになります。

 

よって、契約が当初のカード作成時の1回だけである信販系のキャッシングであれば、途中で何年空白期間があったとしても、過払い金を算出する際は一連計算することができます。

 

しかし、実際に貸金業者側が一連計算を認めるかどうかは別の話です。

 

一般的に信販系の貸金業者はサラ金系の業者よりも過払い金請求の対応は良いといえますが、それでも中には取引の途中で空白期間が数ヵ月や1年以上あるような場合には、たとえ契約が1つであっても取引の分断を主張してくる業者もいます。

 

この点についての裁判所の動向は、契約が1つであれば空白期間がどれだけ空いていても一連計算と考える裁判官も多いですが、中には同一の基本契約であっても空白期間が1年以上になるような場合には取引の分断を認めるような裁判官がいるのも事実です。

 

よって、実務上では、契約が1つであるからといって必ずしも一連計算が認められるというわけではなく、取引の内容次第では一連計算が認められないということもありえるわけです。

 

最近は、クレディセゾンが同一の基本契約であるにもかかわらず、取引の分断を争ってくるようになりました。

 

同社のこれまでの過払い金請求の対応は比較的良く、裁判になれば特に争ってくることはなかったのですが、昨年あたりから対応が変わってきており、取引の途中で1年以上の空白期間があるような場合については、たとえ同一の基本契約であっても取引の分断を争うような対応に変わったようです。

 

また、クレディセゾンの場合、支払方法がリボ払いであれば、特に問題ないのですが、マンスリークリア(翌月一括払い)だと争ってきます。

 

同社の主張では、支払方法がマンスリークリアーの場合、各貸付けごとに別個との取引となるので、一連計算は認めないというものです。

 

当事務所でもクレディセゾンとはこれまでの数多くの裁判をしてきてますが、支払方法がマンスリークリアーの場合には実際に争ってくるようになりました。

 

ただし、これまでのところ判決に至ったことはなく、マンスリークリアであっても最終的には一連計算をした金額とほぼ同等の金額で和解が成立しています。

 

しかし、今後はマンスリークリアの場合には、和解が成立しないことも考えられるので、過払い金の額によっては判決になることも出てくる可能性はあります。

 

なお、取引の分断については、同一の基本契約で空白期間がおよそ1年以内であれば、一連計算を認める裁判官がほとんどだと思われます。

 

中には同一の基本契約であっても、相当長期間の空白期間が存在するような場合には、一連計算を認めない事例もあるようですが、過払い金を請求する側の立場としては、同一の基本契約であれば空白期間がどれだけあろうとも一連計算というスタンスで和解交渉をすべきだと思います。

 

あとは、個別の事情や裁判官の動向を見ながら、納得できるラインで和解をするのが現実的です。

 

もし、司法書士等の専門を付けずに本人訴訟で過払い金を回収しようとされている方は、上記の対応を参考にして訴訟を進めていくのが良いかと思われます。

 

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