借主がかなり高齢の場合、払い過ぎた利息の返還請求をするにも、ご本人だと色々大変です。
そういった場合、借主の家族が本人に代わって、返還請求できれば便利です。
しかし、不当利得返還請求はあくまでも借入れをした本人がしなければいけません。
よって、借主が高齢であるからといって、その家族の者が代わりに請求にすることはできません。
そういった場合には、司法書士などの専門家に依頼をすれば、高齢の本人に代わって返還請求をしてくれます。
ただ、注意する点があります。
それは、本人に痴呆の症状があらわれている場合です。
もし、痴呆などが原因で精神障害を患っていると、本人には財産管理能力がありませんので、そのままでは相手業者に対して返還請求をすることができません。
精神障害がある場合には
「成年後見人」
をつける必要があります。
なお、成年後見人は、精神障害を患っている本人の代理人として行動することができます。
また、精神障害の程度によって、「後見・保佐・補助」の3段階に分かれ、代理行為や同意権の範囲が変わってきます。
そして、精神障害を患っている本人に成年後見人をつけるには、家庭裁判所に申し立てをする必要があります。
期間的には、家庭裁判所に申し立てをしてから3ヶ月前後で後見人が選任されることが多いようです。
もし、司法書士などに依頼をするにしても、本人には契約を締結する能力がありませんので、成年後見人が本人に代わって司法書士と契約を結ぶ必要があります。
また、家庭裁判所から選任された成年後見人は、司法書士などの専門家に依頼をすることなく、本人に代わって貸金業者に対して、超過利息の返還請求をすることが可能です。
もちろん、高齢であっても精神状態が正常であれば、成年後見人をつける必要はありません。
ただし、その場合でも、司法書士などに依頼をする場合には、必ずご本人と面談をする必要があります。
よって、ご本人の家族の方との面談だけでは依頼を受けることはできません。
また、司法書士などに依頼をしないケースでも、本人の家族からの請求では、交渉に応じないというスタンスの貸金業者がほとんどだと思います。
そのため、取引履歴の開示請求であっても、直接、本人から請求をしなければ開示に応じないといわれる可能性が高いと思われます。
もし、本人自身でそういった手続きを取ることが難しいのであれば、お近くの司法書士などの専門家に依頼された方がよいでしょう。