会計参与と取締役

会社法では、新たに会計参与の設置を認めたほか、それぞれの会社がその実態に応じて自由に機関設計をすることができるようになりました。

 

では、まず、新たに設置された会計参与についてみていきます。

 

会計参与の職務は、以下のとおりです。

 

1. 取締役と共同での計算書類の作成

 

2. 計算書類の保管と開示 ※会社とは別に5年間保存する

 

次に、会計監査人との違いです。

 

いずれも、計算に関する職務で、会計士や税理士などの会計の専門家が就任する点は共通です。

 

では、どこが違うかといえば、以下のとおりです。

 

会計参与 ⇒ 計算書類を作成する

 

会計監査人 ⇒ 作成された計算書類をチェックする

 

このように、会計参与は会社の計算書類の質を高めることを期待されて導入されたわけで、財務諸表作成担当社外取締役といった性格を有します。

 

また、取締役のように経営そのものについて責任を負うわけではないが、会計参与に社外取締役と同等の職責が与えられたので、

 

会計参与に就職する税理士や会計士の社会的地位の向上につながると言われています。

 

従来、監査役には職業的資格がなかったため、実際には取締役の親族や友人が形式的に監査役になっていることが珍しくありませんでした。

 

しかし、それでは意味がないので、会計の専門家を会計参与に就かせられるように、新たに設置が認められた次第です。

 

なお、会計参与を設置したときは、計算書類等の適正性に関して重要な情報となるため、計算書類等を備え置く場所及び会計参与を設置した旨とその者の氏名を登記する必要があります。

 

会計参与の導入のメリットは主に2つ。

 

1. 会計がしっかりしている会社であると対外的にアピールできる

 

2. 監査役設置コストの削減

 

1は、金融機関などから信頼を持たれる可能性が高くなるので、その結果、融資が受けやすくなるものと思われます。

 

2は、どういうことかといいますと、取締役会設置会社では、最低1人以上の監査役を置く必要があるのですが、

 

株式譲渡制限会社では監査役の代わりに会計参与を置けばよいので、監査役設置コストが削減できるというわけです。

 

とはいえ、会計参与を置くにも、それなりの報酬が発生するのは当然です。

 

中小企業では、顧問税理士に会計参与になってもらうケースが多いと思われますが、通常の顧問料に会計参与の報酬も加わりますので、その辺を十分に検討したうえで導入するかどうかを決めるのがよいかと思われます。

 

なお、会計参与の任期は、原則的に選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでです。

 

ただし、非公開会社では、定款で10年まで延長できます。

 

次に、取締役をみていきます。

 

株式会社において、取締役は株主総会と共に絶対に置かなければならない機関の一つです。

 

取締役の職務は、会社の業務執行の決定です。

 

取締役会設置会社の取締役は、取締役会の構成員となり、

 

1. 業務執行の決定

 

2. 取締役の職務執行の監督

 

3. 代表取締役の選任及び解任

 

をその職務とします。

 

なお、取締役会設置会社では、最低でも3人以上の取締役が必要になりますが、取締役会を置かなければ1人でも構いません。

 

普通は、定款で「当会社には取締役を〇名以上〇以内置く」等と定めておきます。

 

取締役の選任及び解任は、株主総会でおこないます。

 

決議要件は、選任及び解任共に普通決議となります。

 

任期は原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結のときまでです。

 

ただし、株式譲渡制限会社では、定款に定めることによって、10年まで伸長することができます。

 

退任理由には、任期満了、辞任、死亡、解任、欠格事由の発生等です。

 

ただし、たとえば取締役会設置会社において、取締役が3人未満になってしまう場合は、

 

任期満了や辞任により退任した取締役は、新たな取締役が選任されるまで、なお取締役としての権利義務を有します。

 

なお、この適用があるのは、任期満了と辞任の場合のみで、解任や欠格事由の場合には適用されませんので注意が必要です。

 

登記実務上は、権利義務取締役の退任登記は、後任者の取締役就任登記と同時におこないます。

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