株券は不発行が原則

 

旧商法では、定款で株券を発行しないと定めない限り、株券を発行しなければいけませんでした。

 

しかし、日本の会社の95%は中小企業であり、その多くは株式譲渡制限会社です。

 

そのため、現実的には株券が発行されないことがほとんどで、仮に発行する場合でも、多くの投資家は株券を証券保管振替機構(通称「ほふり」)に委託したり、証券会社に預けていたりしました。

 

そういった事情もあり、平成16年に旧商法が改正され、定款で株券を発行しないと定めることができるようになりました。

 

そこで、新たに制定された会社法では、株券不発行を原則として、定款で定めた場合に限り、株券を発行できるようにしました。

 

つまり、旧商法時代の原則と例外を逆転させたわけです。

 

その結果、旧商法では株券不発行が登記事項でしたが、会社法では株券発行が登記事項となりました。

 

株券不発行が原則となれば、会社は発行コストを省け、また、偽造のリスクもなくなります。

 

また、上場会社では平成21年の株券の電子化により、すべて株券不発行会社となりました。

 

なお、非公開会社であれば、仮に、株券を発行すると定めても、株主からの請求があるまでは株券を発行しないことも可能です。

 

このことから、非公開会社を設立する場合は、株券不発行会社にしておいて問題ないと思われます。

 

では、旧商法下で、株券を発行しないと定めていない株式会社は、会社法の施行によりどうなるのでしょうか。

 

この点については、整備法に規定があり、旧株式会社の定款に株券を発行しない旨の規定がない限り、新株式会社の定款には株券を発行する旨の定めがあるものとみなすとされ、株券不発行の登記がされていない会社は、施行日に株券発行会社である旨の登記がされたものとみなすとされています。

 

そこで、株券を発行しない旨の登記があれば、登記官が職権でこれを抹消し、旧株式会社は株券発行会社である旨の申請をしなくても、登記官が職権でその旨を登記記録に記録することになりました。

 

なお、定款で株券を発行する旨を定める場合、全部の株式について発行すると規定できるだけで、一部の種類の株式のみ株券を発行すると定めることはできません。

 

以上のように、会社法では株券不発行が原則となったため、株券不発行会社では、株主は自分が株主名簿に記載されていることを証明する株主名簿記載事項証明書の交付を請求することができます。

 

よって、株券不発行会社にするのであれば、そういった請求にこたえるためにも株主名簿をきちんと備えておく必要がありますが、これについて会社法は、全ての株式会社に対して、本店に株主名簿を備え置くように定めています。

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