認知症の高齢者の増加
介護や支援を必要とする認知症の高齢者数が日本全国で300万人を超えています。
300万人は65歳以上の10%にあたりますので、実に、65歳以上の10人に1人が要介護の認知症という計算になります。
国の予測をはるかに上回る増加ペースであり、このままだと2020年には400万人を超え、2025年には470万人を超えるそうです。
ここまでになると、自分には関係ない話題では済まなくなってきます。
例えば、誰かが亡くなり、相続人間で遺産分割協議をおこなうとします。
相続人のなかに認知症の人がいる場合、その人が署名押印した遺産分割協議書は無効です。
判断能力が乏しいため、自らの力だけでは有効な法律行為ができないからです。
このような場合、成年後見制度を利用し、家庭裁判所に成年後見人等を選任してもらい、その者が遺産分割協議に参加する必要があります。
当事務所でも相続登記の依頼をよく受けますが、大半の場合は法定相続分どおりの申請ではなく、遺産分割協議書を付けて特定の相続人名義に変更します。
こうした場合に、相続人の中の1人でも判断能力が減退もしくは喪失した方がいるのであれば、専門家としてはその者に成年後見人を選任してもらう以外に方法はありません。
もし、他の相続人が判断能力の乏しい相続人に無理やり署名押印させても、そのような遺産分割は無効となります。
司法書士も特定の依頼者が作成した遺産分割協議書を持参しても、それを鵜呑みにして登記申請を代理することはなく、必ず各相続人と面談して判断能力のチェックをおこないます。
今後は、高齢者の増加に伴い、成年後見人を付けるケースも増えてくると思われますので、遺産分割協議の際は各相続人の判断能力の有無を慎重に検討することが求められると思われます。
この記事を執筆している司法書士

- 司法書士・行政書士
-
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
最新の投稿
債務整理2026年10月15日SMBCモビットの任意整理は厳しい?合併後の注意点と和解条件
債務整理2026年10月14日アイフルの督促状はいつ届く?滞納後のハガキを無視するリスクと対処法
債務整理2026年10月13日消費者金融を滞納するとどうなる?裁判・差し押さえまでの流れと対処法
個人再生2026年10月12日個人再生の弁護士費用が払えない?分割払いや相場、解決策を解説





