任意後見制度の概要

成年後見制度は、後見・保佐・補助の3類型から構成される法定後見制度と、本人があらかじめ代理人となる人を選んでおく任意後見制度の2種類があります。

 

法定後見制度は、本人が認知症等の精神障害を患った後に家庭裁判所に申し立てをしますが、任意後見では本人が元気なうちに、本人の意中の人を代理人に選んでおけるのが大きな違いです。

 

そして、任意後見では、いよいよ本人の判断能力が衰えたときは、本人があらかじめ締結しておいた任意後見契約に従って、任意後見人に選任されていた方が本人を援助します。

 

なお、任意後見が開始すると、家庭裁判所にその旨の申し立てをする必要があり、その後、裁判所が任意後見人の業務を監督するために後見監督人を選任します。

 

ところで、任意後見を利用するには、どのくらいの費用が掛かるのでしょうか。

 

任意後見で発生する費用には、以下の3つがあります。

 

1. 任意後見契約締結時の公正証書作成費用

 

2. 任意後見人による事務遂行にかかる経費および報酬

 

3. 後見監督人の事務遂行にかかる経費および報酬

 

まず、任意後見契約を締結する際の報酬は、かならず公正証書でなければいけないとされていますので、その費用で数万円かかります。

 

それに加えて、実際に本人の判断能力が減退して、任意後見契約の効力が発生した後は、任意後見人が仕事をするうえで必要な経費と後見人の報酬が発生します。

 

なお、報酬については、あらかじめ任意後見契約を締結する際に決めておく必要があります。

 

これに対して、裁判所が選任する後見監督人の報酬は、裁判所が決定することになります。

 

任意後見人は、あらかじめ契約で定められた範囲内で代理権を行使することができますが、範囲外の行為を代理することはできません。

 

その点で、広範な代理権が認められている法定後見人と大きく異なり、法定後見で認められているような取消権は任意後見にはありませんので注意が必要です。

 

また、任意後見人は、あくまでも与えられた範囲内で職務をおこなうので、身上配慮義務もその範囲に限定されていますが、特約により身上配慮義務を加重することは可能ですが、逆に、減免することは本人の利益を配慮し認められていません。

 

よって、もし、当初定めた範囲だけでは、本人の利益を守ることができない事態になった場合は、任意後見から法定後見に切り替える必要があり、その場合には任意後見契約は終了します。

 

現状では、まだまだ任意後見の利用実勢は多くありませんが、本人の意思を最大限尊重できるのが最大のメリットなので、デメリットと比べながら利用するかどうかを決めていければよいのではないかと思われます。

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