裁判離婚の条件②

夫婦には同居する義務があります。

 

この同居義務は民法上規定され、判例や学説では強行法規と解されています。

 

よって、双方が合意して無期限に別居することを定めても、そのような別居契約には効力が発生しないと考えられています。

 

しかし、別居がやむを得ない場合は話は別です。

 

たとえば、出張や転勤、病気療養の場合などです。

 

また、子供の教育のためや学校の都合なども例外になるでしょう。

 

これに対して、単に田舎に行くのが嫌だというわがままな理由で、転勤する夫との同行を拒否するような場合は同居義務違反に該当する可能性があります。

 

つまり、同居義務違反かどうかを判断する際は、なぜ同居に応じないのかが重要であり、単に外形だけで判断することはできません。

 

なお、外国によっては2年とか3年の別居を離婚原因として認めている国もあり、日本でも民法改正試案で5年別居をしていれば離婚を認めるかを検討しています。

 

しかし、現段階では民法が正式に改正されたわけではないので、5年別居しているからといって直ちに離婚原因になることはなく、

 

事実上長い間別居状態が継続していれば、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する可能性があるにとどまります。

 

次は、回復困難な精神病の場合です。

 

民法上で規定されている要件は、

 

1. 強度の精神病で

 

2. 回復の見込みがない

 

の2つになります。

 

なお、ここでいう強度というのは、夫婦の同居、協力、扶助という結婚生活の本質的な義務が果たせない程度を指します。

 

病名だけ決められるものではありませんが、統合失調症で常時の入院を要する程度であれば該当するケースはあります。

 

これに対し、ノイローゼ、アルコール中毒、神経衰弱、ヒステリー程度では該当しません。

 

回復の見込みがないかどうかは、専門の精神科医の鑑定を参考に、裁判所が判断します。

 

外国では、強度の精神病状態が一定期間継続していることを条件にしている国もありますが、日本では時の経過は条件になっていません。

 

しかし、実際に裁判で不治と判断されたケースでは、5年とか10年とかなり長期間継続しているものが多いので、発病して間もない時期の離婚請求が認められる可能性は低いといえます。

 

最高裁の判決では、精神病による離婚には消極的で、不治の精神病にかかったからといって直ちに離婚を認めるわけではなく、

 

精神病者の今後の療養生活等について、可能な限りの具体的方途を講じ、ある程度、前途にその方途の見込みのついた上でなければ離婚は認めないというスタンスです。

 

ただ、この最高裁判決に対しては、多くの学説が批判的ですが、現実の裁判では最高裁の判断が踏襲されているのが現実です。

 

次は、性格の不一致です。

 

よく、協議離婚した人の口から性格の不一致が原因であると聞きますが、裁判離婚の場合はどうでしょうか。

 

性格の不一致というのは、もっともらしい理由ですが、そもそも生まれも育ちも違う男女が一緒になるのですから、性格の不一致があるのはむしろ当然です。

 

よって、裁判離婚でも単に性格の不一致だけを理由とした請求であれば、離婚が認められない可能性が高いでしょう。

 

しかし、性格の不一致の程度が大きく、結婚生活にヒビが入り、もはや元に戻る可能性がないということであれば、婚姻を継続しがたい重大な事由に該当する可能性はあります。

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