廃除、認知、遺贈の遺言執行

遺言では、法律で認められた遺言事項のみが効力を有します。

 

つまり、法律で決められた遺言事項以外の事を書いても法律上の効力はありません。

 

ただし、無効な事項が書かれた遺言でも全部が無効になるわけではなく、無効な事項の部分のみが無効となります。

 

また、遺言事項には、執行行為を必要とする行為とそうでない行為がありますが、主なものを以下に挙げてみます。

 

1. 相続人の廃除または取消し ※遺言執行者のみ

 

2. 認知 ※遺言執行者のみ

 

3. 遺贈

 

1.の廃除ですが、これは遺言執行者のみが執行でき、相続人が執行することはできません。

 

廃除には、生前廃除と遺言廃除の2つがあります。

 

生前廃除は、被相続人が生前に自ら家庭裁判所に廃除の請求をするものですが、遺言に廃除の記載がある場合は、

 

遺言執行者は廃除の指定を受けた相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければいけません。

 

もし、遺言書に廃除の意思とその原因が明示されていなくても、遺言書が作成された経緯、内容、被廃除の非行内容等により、

 

遺言者の廃除の意思が推認される場合は、遺言執行者は家庭裁判所に廃除の請求をすべきといえます。

 

なぜなら、廃除の請求があるからといって、当然にそれが認められるわけではなく、最終的には家庭裁判所に判断することなので、

 

遺言執行者の立場としては、その遺言に廃除の意思があると認められるのであれば、家庭裁判所の判断を仰ぐのが適切といえます。

 

反対に、被相続人は、いつでも廃除の取り消しを家庭裁判所に請求することができ、遺言によっても廃除の取り消しは可能です。

 

遺言執行者としては、遺言で廃除の取り消しがあった場合は、廃除の場合と同様に、家庭裁判所に請求をし、取消しが認められれば被廃除者は相続人の地位を回復します。

 

次に、2.の認知ですが、これも遺言執行者のみが執行できる遺言事項です。

その根拠として、戸籍法で「遺言執行者は(中略)その届出をしなければならない」とされているからです。

 

最後は、3.の遺贈ですが、これは、遺言者が遺言によって、その財産の全部または一部を処分することです。

 

遺贈は、遺留分に反しない限り、自由におこなうことができますが、もし、遺留分に反していると、相続人からの遺留分減殺請求により、遺留分を侵害した範囲で効力を失います。

 

遺贈の執行は、遺言執行者だけでなく相続人でも可能です。

 

遺贈義務者は原則として相続人がなりますが、遺言執行者がいれば、相続人に代わって遺贈義務者となります。

 

不動産が遺贈された場合、遺言執行者としては、受遺者名義に登記を変更し、不動産を引き渡すことが職務となります。

 

不動産を受遺者名義にするには、登記義務者である遺言執行者と登記権利者である受遺者が共同で申請をする必要があります。

 

この点、相続登記が相続人による単独申請で済むので、大きな違いといえます。

 

遺贈の登記では、遺言者から受遺者へ直接、所有権が移転するので、遺贈の登記も相続人を経由せず、遺言者から受遺者名義に移転登記がされることになります。

 

もし、不動産を売却し、その売却代金である現金を遺贈するという内容であれば、遺言執行者が単独で被相続人名義から相続人名義に相続登記を申請し、

 

その後、遺言執行者と買受人の共同申請で買受人へ移転登記をすることになります。

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