養子の相続
養親が亡くなった場合、離縁していない限り、養子も法定相続人です。
養子の法定相続分は実子と同じであり、相続に関しては、実子と全く同じに扱います。
養子が相続人である以上、法定相続の場合はもちろん、遺産分割協議を行う場合も養子は参加しなければなりません。
ところで、養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組がありますが、いずれの場合でも、養子は養親の法定相続人です。
そして、普通養子は実親と養親の両方を相続できますが、特別養子は「養親」だけを相続できます。
つまり、普通養子では実親との親子関係は縁組後もそのまま継続しますが、特別養子では実親との親子関係が消滅します。
なぜなら、特別養子制度の目的が、子どもの福祉を図ることにあるからで、家庭に恵まれない子どものため、実親とは縁を切り、養親を本当の親のような立場にする必要があるからです。
そのため、特別養子の要件は厳しく、養親になろうとする夫婦はその一方が25歳以上でなければならず、原則的に養子にしようとする者が6歳未満である必要があります。
さらに、6ヶ月以上試験的に観護してみて、その状況を家庭裁判所がチェックした上で特別養子を認めるかどうかを判断します。
そういった厳格な手続きを経た上で特別養子縁組が成立し、いったん成立すると基本的に離縁することはできず、養子と実親との関係も断絶され、養子は養親だけを相続することになるわけです。
また、普通養子では、当事者間の合意と役所への届出によって成立しますが、特別養子は家庭裁判所の審判によって成立します。
ただし、普通養子でも後見人が被後見人を養子にする場合や、自分や配偶者以外の直系卑属以外の未成年者を養子にする場合には家庭裁判所の許可が必要とされています。
以上が普通養子と特別養子の主な違いです。
なお、養子は一般的にもよく利用されていますが、特別養子はまだまだ利用件数も少ないのが現状です。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
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千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
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