共同根抵当権の設定登記

代表的な担保権の一つに根抵当権というものがあります。

そこで、今回は根抵当権に焦点を当てて話をしたいと思います。

まず、根抵当権というものがどういったものであるかを知る必要がありますが、根抵当権は、根抵当権者と債務者の間の一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額を限度として担保する抵当権のことをいいます。

つまり、根抵当権は抵当権の一種といえるわけですが、抵当権との最大の違いは、「不特定」の債権を担保する点です。

不特定の債権というのは、根抵当権設定時においては、いまだ特定していない債権を担保するという意味です。

よって、特定の債権を担保する抵当権と異なり、根抵当権は確定していない債権を担保するために設定され、しかも、設定時においては発生する可能性がない場合であっても根抵当権を設定することができます。

次の条件は、一定の範囲に属する債権であることです。

代表的なものには、根抵当権者と債務者間の金銭消費貸借取引や手形債権、小切手債権等があります。

よって、根抵当権者と債務者間の一切の債権を担保する内容での根抵当権の設定は認められていません。

3つ目の条件は、極度額を定めることです。

なぜ、極度額を定めておかないといけないかというと、根抵当権では不特定の債権を担保するので、あらかじめ債権額が決まっていません。

債権額が決まっていないと、優先弁済権がどこまでなのかが第三者にわからないので、根抵当権設定契約をする際に、あらかじめ極度額を決めておいて優先弁済権の範囲を明示しておく必要があるからです。

以上のとおり、根抵当権では、1.極度額、2.債権の範囲、3.債務者が重要な要素であり、必ず登記されることになります。

なお、複数の不動産を共同で担保する共同根抵当権ももちろん可能です。

ただし、その場合、上記3要素が同一でなければなりません。

なぜなら、上記3要素の内、一つでも異なると同一の債権を担保するものとはいえないからです。

また、共同根抵当権は、共同担保の定めの登記が効力要件とされているので、数個の不動産についての根抵当権設定登記と同時に共同担保の定めの登記をしなければいけません。

具体的には、甲、乙不動産に根抵当権を設定しますが、この際に登記の目的を「共同根抵当権設定」と記載しておきます。

その後、丙不動産を共同根抵当権に追加したいときは、登記の目的に「共同根抵当権設定(追加)」と記載すればOKです。

つまり、登記の目的上に「共同」の文字を付けておくことで、それが共同根抵当権の設定登記であることを明示、さらに末尾に「(追加)」を記載することで、登記官にも共同根抵当権の追加登記であることが一目瞭然となるわけです。

なお、共同根抵当権は登記が効力要件とされているので、共同根抵当権の仮登記というのは認められていません。

よって、根抵当権の仮登記をしたいのであれば、共同根抵当権ではなく、それぞれの不動産に個別に根抵当権の仮登記をすることになります。

仮登記で済ませる場合の最大のメリットは、登録免許税の節約です。

というもの、根抵当権の本登記をするには、極度額の1000分の4の登録免許税を納めなければなりませんが、これが結構負担になるわけです。

そこで、不動産1個につき1000円の登録免許税で済む仮登記をしておくという選択肢もあります。

なお、はじめに共同根抵当権設定契約を締結した後に、共同根抵当権ではない根抵当権(これを累積根抵当といいます)の仮登記をしておいて、後日、この仮登記を共同根抵当権設定の本登記することも可能です。

当事務所では、共同根抵当権設定登記であれば、5万円前後(実費は別)からお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。

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