自己破産をした後の過払い金請求
自己破産をした後でも、過去に払い過ぎた利息の返還請求は可能です。
平成18年の最高裁判決でみなし弁済は事実上否定されました。
しかし、それ以前の下級審では、みなし弁済が認められることも少なからずありましたので、必ずしも無条件で利息制限法による引き直し計算が認められる時代ではありませんでした。
そのため、引き直しをすれば、大幅に借金が減ったり、逆に過払いになっているようなケースでも、約定金利で多額の負債が残っていれば、やむなく自己破産を選択せざるを得ないケースも多々ありました。
そういった場合、裁判所での免責がすでに確定した後に、不当利得返還請求できるかどうかがポイントになります。
当事務所でも、自己破産後に請求をした例はいくつもあります。
裁判をすれば、大抵の業者はすんなりと返金に応じます。
しかし、中には、自己破産後の不当利得返還請求は
「信義則に反する」
とか
「権利の濫用」
に該当するから許されないと主張してくることが多いです。
しかし、本来であれば、引き直し計算することで、すでに借金がなくなっていたにもかかわらず、その事実を隠して債権者のように振る舞い、裁判所に過払い金の存在を隠していたのは貸金業者の方です。
ですから、信義に反する行為を行っていたのはむしろ貸金業者の方にあるといえます。
なお、裁判所が超過利息の存在を認識し、それを財産として扱うようになったのは、平成18年の最高裁判決以降です。
よって、それ以前の申し立てであれば、不当利得金があり、それを資産目録に計上していなくても、意図的な財産隠しと評価されることはないと思われます。
実際に、裁判上で本格的に争ってくる業者はそれほど多くないと思いますが、稀に相手業者の主張を認める裁判例もあるようです。
そういったことにならないためにも、自己破産後の不当利得返還請求をご検討の方は、一度、お近くの司法書士などの専門家に相談されることをおススメします。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
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千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
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