登記識別情報を提供できない正当な理由

登記識別情報を提供することができないでも正当な理由が必要になります。

 

そこで、どういった場合が正当な理由として認められるかですが、1.不通知、2.失効、3.失念、4.管理上の支障、5.円滑な取引阻害のおそれ、とされています。

 

1.は、登記識別情報が通知されなかった場合です。

 

2.は、登記識別情報の失効の申出に基づき、登記識別情報が失効した場合です。

 

3.は、登記識別情報を失念(忘却)した場合です。

 

4.は、登記識別情報を提供することにより、登記識別情報を適切に管理するうえで支障が生じることになる場合です。

 

登記識別情報が一度でも外部に漏れると、その情報を回収することは事実上不可能といえます。

 

例えば、土地を分筆した場合が典型的です。

 

というのも、分筆後の各土地の登記識別情報は、すべて分筆前の同一の登記識別情報になるのですが、分筆後の各土地をそれぞれ異なる第三者に売却する場合、

 

法務局に提供する登記識別情報がすべて同じなので、売却先の第三者の数が多ければ、それだけ法務局に同一の登記識別情報を提供する必要があり、

 

そうなると適切に管理するうえで支障が生じることもあり、そういった場合には登記識別情報を提供せずに本人確認情報を提供するという選択肢もあるわけです。

 

5.は、登記識別情報を提供したとすれば、当該申請に係る不動産の取引を円滑に行うことができないおそれがある場合です。

 

例えば、提供する登記識別情報が大量にある場合にオンラインで申請するとなると、登記識別情報提供様式の作成だけでかなりの時間を費やしてしまう場合や、

 

登記識別情報のシールが綺麗にはがれずに、識別情報が判読不明になってしまった場合等が考えられます。

 

当事務所で実際にあったケースでは、依頼人が目隠しシールを剥がそうとしたところ、綺麗にはがれなかったので、水に浸して剥がそうとしたため、

 

通知書がボロボロになってしまい、識別情報が判読不能になってしまい、やむなく本人確認情報に切り替えたということがありました。

 

水に浸すのはさすがに稀ですが、シールがうまく剥がれないというケースが結構あり、決済当日にそういったことがあると冷や汗をかくことになります。

 

また、申請人が登記識別情報の有効証明請求に応じない場合も該当し、そのようなことがあると円滑に不動産取引を行えないおそれがあるので、正当な理由に追加されました。

 

ところで、通常どおり、登記識別情報を特例方式、オンライン申請で提供する場合、登記識別通知書をPDFファイルにして提供することは認められておらず、

 

原則どおり、登記識別情報提供様式を提供する必要があるので注意が必要です。

 

登記識別情報の受け取りについては、書面申請であっても、特例方式、オンライン申請のいずれの場合も、郵送にしてもらうことが可能です。

 

なお、特例方式やオンライン申請の場合には、原則はオンラインでの受け取りなのですが、当面の間は書面での交付が認められています。

 

交付場所は登記所でも構いませんし、上記のとおり、郵送での交付のいずれでもOKです。

 

今のところ、一般の方がオンラインや特例方式で申請しているケースは皆無だと思われますので、実際には代理人である司法書士事務所宛てに郵送で交付されている例が多いのではないかと思われます。

 

当事務所でも、基本的にすべて特例方式で申請しており、登記識別情報の通知も法務局から郵送で送ってもらうようにしています。

 

これにより、今では法務局に出向くことなく登記申請ができるようになったので、従来の窓口交付のみの時代に比べれば非常に事務負担が軽くなったといえます。

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