相続税か贈与税か
形式的には遺言は、遺言者の単独行為ですが、死因贈与と生前贈与は相手との契約なので、もらう側の承諾が必要です。
死因贈与と生前贈与の違いですが、死因贈与は
「私が死んだら、これをあげる」
旨の契約であり、現実に贈与者が亡くなった時に初めて効力が生じます。
つまり、所有権の移転が贈与者の死亡を条件としている点がポイントです。
生前贈与は、生存中に効力を生じさせる通常の契約であり、所有権の移転時期について特に例外を設けない限り、契約が成立した時点で直ちに所有権が受贈者に移転します。
また、目的物が不動産の場合と仮定した場合、税金面は以下のとおりとなります。
遺言(遺贈) ⇒ 相続税
死因贈与 ⇒ 相続税と不動産取得税
生前贈与 ⇒ 贈与税と不動産取得税
遺贈の場合は一見すると贈与税が課せられそうですが、贈与税はあくまでも生存中の者からの贈与が対象なので、遺贈の場合は相続税の対象となります。
また、被相続人の全ての財産を第三者がもらう包括遺贈であれば不動産取得税はかかりませんが、
被相続人の財産のうち特定の不動産のみを相続人以外の第三者が遺贈で譲り受けた場合は不動産取得税が課せられます。
つまり、包括遺贈であれば受遺者が相続人であっても、相続人以外の第三者であっても不動産取得税はかかりませんが、
特定遺贈の場合は受遺者が相続人であれば課税されず、相続人以外であれば課税されるということです。
なお、遺贈であっても贈与税ではなく相続税になりますが、受贈者が一親等の血族(子、、代襲相続の孫、親)および配偶者以外の場合は、相続税が2割増になるので注意が必要です。
いずれにせよ、贈与税は一般的に相続税よりかなり高い税金なので、税金面からは生前贈与が最も高くなりがちです。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
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千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
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