不動産を所有しているときと、貸しているときの税金
不動産を所有しているとそれだけで税金がかかります。
その代表格が固定資産税です。
固定資産税は、その年の1月1日時点の所有者に対して市区町村が課税するもので、不動産を所有している間は毎年課税されるのが特徴です。
なお、課税対象になる人は、毎年1月1日現在、各市町村(東京23区内であれば都)に備え付けられた固定資産課税台帳に所有者として登録されている人です。
実際に収める金額は、不動産の価格に100分の1.4を乗じた金額で、不動産の価格は固定資産税評価額が基準になります。
ただし、課税標準が土地は30万円、家屋は20万円未満であれば非課税となります。
また、住宅用地や農地、新築住宅等に該当すれば各種軽減措置があります。
納期は市町村によって異なることもありますが、一般的に4月、7月、12月、翌年2月の4回払い(もちろん1回払いでもOK)となっています。
特に、自分で申告する必要はなく、納期前になると市町村から納税通知書が送られてきます。
この他に、都市計画税というものがあります。
この税金は、原則として都市計画で指定されている市街化区域内の土地や家屋の所有者に課税されるもので、税率は1000分の3です。
次に、不動産を貸しているときにかかる税金をみていきます。
個人が不動産を貸していると不動産所得として所得税(国税)と住民税(地方税)が課税され、一定規模以上の不動産を賃貸し、なおかつ、所得が一定額以上となると事業税が課税されます。
ここでいう不動産所得とは、家賃、地代、返還不要の敷金、礼金、権利金、保証金、更新料、名義書換料等です。
敷金や保証金で退去時に一部もしくは全部を返還しなければいけない物であれば課税対象になりませんが、
契約時に返還しないように定めているのであれば、その返還不要の部分については、その年の収入となるわけです。
不動産所得の計算方法は、「総収入金額-必要経費=不動産所得の金額」となります。
必要経費として控除が認められるものは、固定資産税、保険料、建物等の減価償却費、借入金の利子、修繕費等です。
ただし、青色申告をしている場合は、上記の計算式からさらに青色申告特別控除が認められています。
青色申告特別控除は正規の簿記の原則に基づいて記帳していれば65万円、それ以外の場合は10万円とされています。
所得税は毎年3月15日までに確定申告書を提出する必要がありますが、所得税の申告書には住民税の記載もあるので、別途、住民税の申告をする必要はありません。
なお、住民税の納期は6月、8月、10月および翌年の1月の4回で、市町村から納税通知書が送られてきます。
事業税は、都道府県に事務所等を設けて事業をおこなう法人もしくは個人に課税されるものですが、ここでは個人の賃貸業に係る事業税をみていきます。
個人事業税は第一種から第三種までに分類されていますが、不動産関係は第一種事業の不動産賃貸業、駐車場業、不動産売買業等が列挙されています。
計算方法は、「総収入金額-必要経費-事業主控除額(290万円)×100分の5」となりますが、所得税の青色申告控除は事業税にはありません。
なお、所得税の申告書には事業税の記載箇所がありますので、所得税の申告をした場合は、別途、事業税を申告する必要はありません。
また、納期は通常、8月と11月の年2回で、都道府県税事務所から納税通知書が送られてきます。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
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千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
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