成年後見の申し立てをする際の診断書と登記されていないことの証明書

所属している司法書士会からは毎月「月報 司法書士」という書籍が送られてきます。

 

この中に平成22年の成年後見関係事件の概況が載っていました。

 

これによると、申立期間 は2ヵ月以内が全体の約75%、4ヵ月以内が全体の約93%ということでした。

 

よって、家庭裁判所に申立てをしてから、全て終了するまではおよそ2~4ヵ月となります。

 

また、、専門職後見人の割合は

 

1. 司法書士が約4400件

 

2. 弁護士が約2900件

 

3. 社会福祉士が約2500件

 

ということで、親族以外の第三者後見人の選任率が4割を超えたそうです。

 

第三者後見人の割合は、平成13年度は約14%に過ぎなかったので、約10年で3倍に増えたということです。

 

中でも、我々司法書士が専門職の中で最も多く受任しているようで、その責任も重大です。

 

なお、成年後見の申立ての際には、医師の診断書を添付します。

 

これは、成年後見には、その程度の違いによって、

 

1. 後見

2. 保佐

3. 補助

 

の3種類に分けられるからです。

 

この診断書には、本人が3種類のうちどれに該当するかが書いてありますが、裁判所が診断書だけでは判断できない場合は、別の医師に鑑定してもらうことになります。

 

実際に鑑定をしているケースは全体の18%弱で、費用は約3分の2のケースで5万円以下だそうです。

 

なお、診断書を作成する医師は、特に精神科医である必要はなく、かかりつけのお医者さんに書いてもらっても構いません。

 

また、成年後見制度を利用すると、最終的に登記事項証明書なるものにその内容が登記されます。

 

成年後見制度を利用しても、第三者が本人にそのことを聞いてもわかりません。

 

そのために、法務局に登記しておく必要があるのです。

 

とはいえ、誰でも法務局に申請すれば取れるといったものではなく、本人のプライバシーを守る観点から、配偶者や四親等内の親族などに限定されています。

 

なお、この登記制度にはもう一つ別の意味があります。

 

成年後見制度を利用すると、その内容が登記されますが、成年後見制度を利用していない人は登記されていないことの証明書を取得することができます。

 

なぜ、わざわざ、登記されていないことを証明する必要があるのかというと、資格制限がある仕事に就く場合などです。

 

たとえば、医師・弁護士・司法書士などに登録する場合、登記されていないことが条件となります。

 

そのため、登録の申請をする際に、この「登記されていないことの証明書」を取る必要があります。

 

また、これから成年後見の申立てをする際にも、この登記されていないことの証明書が必要になります。

 

この証明書は東京法務局を始め、各地の法務局で取得することが可能です。

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