過払い請求における移送の申し立て
過払い請求をするには、まず相手業者から
「取引履歴」
を取り寄せて、それを利息制限法で
「引き直し計算」
する必要があります。
その後、相手業者と交渉を始めることになります。
ただ、現実的には電話等での交渉では全額の回収はできないことがほとんどです。
そういった場合は
「裁判所」
に提訴する必要があります。
当事務所で過払い請求を行う際も、ほとんど裁判により回収しています。
裁判をするには
「訴状」
を裁判所に提出する必要があります。
このときに、どこの裁判所に訴状を提出するかが問題となります。
一般的に、過払い金返還請求訴訟では
「原告の住所地を管轄する裁判所」
に提訴します。
もしくは
「相手業者の本店所在地を管轄する裁判所」
にも提訴できます。
司法書士などの専門家に依頼をしないで、本人訴訟をする場合は自分の住所地を管轄する裁判所が便利だと思います。
なお、原告の住所地の裁判所に提訴しても、中には
「移送の申し立て」
というのをしてくる業者もいます。
これは、裁判自体を相手業者の本社がある裁判所に移送するべきだとの主張です。
しかし、上記のとおり、過払い訴訟では原告もしくは被告の住所地のどちらでも提訴可能なので、こういった移送の申し立てが認められることはまずありません。
移送の申し立てをしてくる業者の本当の目的は
「時間稼ぎ」
にあります。
なぜなら、移送の申し立てをすると、当初予定されていた裁判期日が変更になり、1期日分は時間を稼ぐことができるからです。
いずれにせよ、本人訴訟の場合は、自分の住所地の裁判所に提訴しておけば問題はないといえます。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
-
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
最新の投稿
- 2025年9月22日その他消費者志向自主宣言
- 2025年8月22日時効ジャックスのブラックリストをCICから削除したケースの解決事例
- 2025年6月10日時効りそなカードからSP ASSET POWERに譲渡されて弁護士から通知がきたケースの解決事例
- 2025年6月9日時効05018084005の楽天カードの滞納で債権回収会社からハガキが届いたケースの解決事例