不動産担保融資と過払い金の一連計算

サラ金業者の中には、不動産担保貸付をしているところもあります。

 

大手サラ金では、アコム、アイフル、CFJ(アイク)等が不動産担保貸付をしていました。

 

ただ、そういった場合でも、最初の貸付けは無担保のリボ払いで、ある程度リボ払いで返済の実績ができた後に、業者側から不動産担保の勧誘があることが多いです。

 

なお、債務者の多くは、他社からも借入れがあることがほとんどですが、貸金業者は信用情報でそのことを確認することができるので、頃合いを見計らって不動産担保融資を勧誘してくるわけです。

 

その場合、形上はリボ払いから不動産担保融資への切替えになるので、リボ払いの借金を一括返済する日と、不動産担保の貸付け日が同日になtっていることがほとんどです。

 

もし、切替時点でいまだ過払いではなければ、一連計算できることは当然ですが、切替時点で過払い金が発生するような場合に、リボ払いと不動産担保貸付を一連計算できるかどうかが問題となります。

 

この点に関しては、平成24年に最高裁判決が出ており、不動産貸付が証書貸付である場合で、実際にも返済のみを続けていた場合には一連計算できないとされました。

 

なお、証書貸付というのは、最初にまとまったお金を借りて、あとは完済するまで返済のみというものです。

 

これに対して、リボ払いというのは、一定の枠内で借入れと返済を繰り返す取引を指します。

 

つまり、この最高裁判決では、「リボ(無担保)⇒証書貸付(不動産担保)」の場合には一連計算できないと判断しているわけです。

 

ただし、不動産貸付であっても、証書貸付ではなくリボ払い形式の不動産担保融資もあります。

 

こういった「リボ(無担保)⇒リボ(不動産担保)」の場合については、最高裁判決の射程外といえますので、事実上1個の連続した取引と評価できる余地があります。

 

実際に、当事務所でも上記最高裁判決以降に千葉地裁の控訴審判決において、「リボ(無担保)⇒リボ(不動産担保)」のケースで一連計算が認められました。

 

あと、問題になるケースとして考えられるのが、契約形態が「リボ(無担保)⇒証書貸付(不動産担保)」であっても、実際には不動産担保貸付後にも、数回にわたって追加貸付けを受けていたような場合です。

 

このような場合は、形式上は証書貸付による不動産担保融資であっても、借り増しをしているという実態がある以上は、上記最高裁判決のいう「その後の取引の実情等」に照らして一連計算が認められる可能性はあると思われます。

 

とはいえ、実際の裁判では、担当する裁判官によって結果は大きく左右されることが予想されます。

 

つまり、たとえ契約形態が「リボ(無担保)⇒リボ(不動産担保)」であったとしても、上記最高裁判決を引用して一連計算を認めないという可能性は十分にあり得ます。

 

ところで、無担保のリボ払いの期間がそれほど長くないような場合には、一連計算と分断して計算した場合の過払い金の額が、それほど変わらない場合も少なくありません。

 

そういった場合に、一連計算で提訴すると、そこだけで裁判が長期化することが予想されるので、最初から分断して計算した上で提訴して、なるべく早期に過払い金を回収するというのも一つの選択肢と思われます。

 

特に、アイフルやCFJは経営状態が良くないので、いつ倒産するかわからないといわれていますから、あまり一連計算に執着していると、最悪の場合、裁判の途中で倒産してしまうということも可能性としてはゼロではありません。

 

よって、その辺の事情を考慮した上で、不動産担保融資に切り替わっている場合には、一連計算で請求するか、最初から分断計算で請求するかを決めても良いかと思われます。

 

なお、不動産担保貸付を完済した場合には、当然ですが不動産に設定された(根)抵当権を抹消しなければいけません。

 

仮に、借金を完済しても、自動的に登記上の抵当権までが消えるわけではないので、別途、抵当権抹消登記をしなければいけません。

 

具体的には、完済後に貸金業者から抹消書類に必要な書類一式をもらうことができ、それをもとに自分で手続きをすることになります。

 

つまり、貸金業者側で抹消の手続きをしてくれるわけではなく、その抹消費用も借主が負担しなければいけません。

 

不動産担保の抹消手続きについては、司法書士が専門となり、その費用は一般的に1万円~1万5000円くらいで済みます。

 

もし、抹消登記の手続きをし忘れているような場合は、早めに手続きをしないと面倒なことになりますので、お気軽にご相談ください。

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