過払い金、満額回収か早期回収か
過払い金を回収する際にはいろいろな考えがあります。
大きく2つに分けるとすれば
「時間はかかっても全額回収」
という考えと
「多少減額してでも早期回収」
という考えです。
まず、時間がかかっても全額回収という考えについてみていきます。
ここでいう
「時間がかかっても」
というのはいったいどのくらいの時間のことでしょう。
個人的な考えですが
「半年~1年」
程度はみておく必要があります。
現在では、全額回収するには
「裁判」
をすることが避けられません。
そして、裁判をした場合、おおむね1~2回程度の裁判を重ねることになります。
そうなると和解が成立するまでに
「約3ヵ月」
は必要で、そこから実際に返金されるまでにさらに
「3~4ヵ月」
かかることが多いので、トータルで半年前後はみておく必要があります。
中には裁判をすると1回目の期日前に和解になり、返金も1~2ヵ月と早いところもあります。
そういった早い業者だと手続開始から
「3~4ヵ月」
で回収できるところもありますが少数派です。
さらに、裁判をしても和解できない業者(代表格はアイフル)だと、およそ
「10ヵ月~1年」
くらいかかります。
このように、全額回収するには相手業者や事案によって変わってきますが、少なくても半年、長いと1年くらいはかかると思っておいた方がいいでしょう。
次に、ある程度減額してでも早期に回収するという考えですが、ここではどの程度減額するのかが問題です。
この辺はまさにその人その人で考え方が違うでしょうが
「半額」
程度でも構わないというスタンスであれば、かなり早期に返金してくれる業者もいます。
かなり早期というのも業者によって幅がありますが、およそ
「1~3ヵ月程度」
で返金されることもあるようです。
実際に存在するある貸金業者の事例を紹介します。
この業者は、第一審で判決を取っても
「控訴」
してくることもあり、判決が確定するまでに半年~1年程度かかります。
しかも、会社の経営状態が悪いために判決を取っても返金に応じないため
「強制執行」
する必要があります。
反面、この業者は、半額であれば1ヵ月で返金に応じます。
こういった経営状態の悪い業者だと
「倒産」
のリスクもあるため、一概にどちらが良いとは言えません。
最終的には、依頼者の方に選択肢を提示して決めて頂くことになります。
ただし、当面倒産する恐れがなさそうな業者であれば、基本的にある程度の時間をかけてでも全額回収することをおススメします。
なお、当事務所のスタンスは倒産のリスクがない業者は時間をかけても全額回収、倒産のリスクがある業者はケースバイケースで対応でやっています。
この記事の監修者

- 司法書士・行政書士
-
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
最新の投稿
- 2025年9月22日その他消費者志向自主宣言
- 2025年8月22日時効ジャックスのブラックリストをCICから削除したケースの解決事例
- 2025年6月10日時効りそなカードからSP ASSET POWERに譲渡されて弁護士から通知がきたケースの解決事例
- 2025年6月9日時効05018084005の楽天カードの滞納で債権回収会社からハガキが届いたケースの解決事例