個人再生の弁護士費用が払えない?分割払いや相場、解決策を解説

借金返済に追われ、個人再生を考えても数十万円の弁護士費用を用意できず、手続きを諦めかけていませんか。
この記事を読めば、費用がなくても今すぐ弁護士に依頼し、分割払いの仕組みなどを活用して督促を止めたうえで、無理のない支払い計画で個人再生を完了できる道筋が見つかります。
個人再生にかかる費用の相場や具体的な支払い方法も解説します。
この記事でわかること
- 手元に費用がなくても個人再生を依頼できる具体的な仕組み
- 個人再生の手続きにかかる費用の総額相場と内訳
- 弁護士費用の分割払いや国の立替制度(法テラス)を利用する方法
- 費用面の相談に柔軟に応じてくれる弁護士事務所の探し方
個人再生は弁護士費用が手元になくても依頼できる?
結論として、手元にまとまった資金がなくても個人再生を弁護士に依頼することは可能です。
多くの弁護士事務所では、依頼者の経済状況を理解したうえで、費用の分割払いや後払いに対応しています。
なぜ手持ちのお金がなくても依頼できるのか、その具体的な仕組みは主に3つの理由に基づいています。
多くの事務所が費用の分割払いや後払いに対応
債務整理を専門とする弁護士事務所の多くは、依頼者が経済的に困窮している状況を前提としています。
そのため、弁護士費用を一括で支払えない場合でも、柔軟に分割払いや後払いの相談に応じてくれます。
法律相談の際に支払い能力について正直に伝えることで、無理のない支払い計画を一緒に立ててもらえるのが一般的です。

受任通知の送付で債権者への返済が一時停止するから
弁護士に個人再生を正式に依頼すると、弁護士は各債権者に対して「受任通知」という書面を送付します。
この通知が債権者に届いた時点で、貸金業法に基づき、債務者への直接の取り立てや督促、そして返済が一時的にストップします。
これにより、これまで借金の返済に充てていたお金を、弁護士費用や裁判所費用の準備に回せるようになります。

返済停止中に費用を積み立てる仕組みがあるから
多くの事務所では、受任通知によって返済が停止している期間を利用して、弁護士費用を積み立てる仕組みを設けています。
具体的には、弁護士事務所が指定する口座へ、毎月一定額を振り込んでいく形です。
この毎月の積立額は、これまでの返済額を目安に、家計の状況を考慮して無理のない範囲で設定されるため、計画的に費用を準備することが可能です。

個人再生手続きにかかる費用の総額と内訳は?
手元に費用がなくても依頼できる仕組みを理解したところで、次に個人再生手続き全体で実際にどれくらいの費用が必要になるか、その内訳と相場を確認しましょう。
個人再生にかかる費用は、大きく分けて「弁護士に支払う費用」と「裁判所に納める費用」の2種類があり、総額の相場は50万円から80万円程度が目安となります。
弁護士事務所に支払う費用の相場
弁護士費用には、相談料、着手金、成功報酬などが含まれます。
個人再生の場合、着手金と報酬金が一体となったパッケージ料金を採用している事務所が多く、費用の相場は50万円から80万円程度です。
住宅ローンが残っている自宅を手元に残す「住宅ローン特則」を利用する場合は、手続きが複雑になるため、5万円から10万円程度費用が加算される傾向にあります。

裁判所に納める費用の種類と金額
裁判所に支払う費用は実費にあたり、主に以下のものが含まれます。
- 申立手数料(収入印紙):10,000円
- 官報公告費:約15,000円
- 郵便切手代(予納郵券):数千円程度(裁判所により異なる)
これらの実費は、弁護士費用とは別に準備する必要があり、合計で3万円程度が目安です。
弁護士への依頼時に預り金としてまとめて支払うのが一般的です。

個人再生委員への報酬が必要になるケース
申立てを行う裁判所によっては、手続きを監督する「個人再生委員」が選任される場合があります。
特に東京地方裁判所では原則として選任されます。
個人再生委員が選任された場合、その報酬として15万円から25万円程度の予納金を裁判所に納める必要があります。
この費用は高額ですが、多くの裁判所では分割での納付を認めており、弁護士を通じて支払い計画を立てることが可能です。
過払い金と個人再生については「過払い金と個人再生」で詳しく紹介しています。

弁護士費用を分割払いで支払うにはどうすればいい?
必要な費用総額を把握したうえで、具体的に弁護士費用を分割払いで支払うための手順を見ていきましょう。
分割払いを利用するためには、まず弁護士との無料相談の場で支払い計画について率直に話し合うことが重要です。
その後、事務所が設けている積立金制度などを活用して、計画的に支払いを進めていきます。
無料相談で支払い計画について率直に伝える
弁護士費用の分割払いを希望する場合、最初の法律相談の際に、現在の収入や家計の状況を正直に話しましょう。
「一括では支払えない」「月々いくらまでなら支払える」といった具体的な希望を伝えることで、弁護士も実現可能な支払いプランを提案しやすくなります。
費用について隠さずに相談することが、信頼関係を築く第一歩です。

受任後に始まる「積立金制度」を利用する
弁護士との契約後、多くの場合は事務所独自の「積立金制度」を利用して費用を支払います。
これは、受任通知によって債権者への返済が停止した後に、これまで返済に充てていた金額を目安として、事務所指定の口座に毎月一定額を積み立てていく方法です。
この積立金が弁護士費用や裁判所費用に充当されます。

国の制度「法テラス」を利用して費用を立て替えてもらう方法は?
事務所独自の分割払いが難しい場合でも、国の制度を利用する方法があります。
それが日本司法支援センター(法テラス)が運営する「民事法律扶助制度」です。
この制度を利用すれば、弁護士費用や裁判所に納める実費などを一時的に立て替えてもらうことができ、後から無理のない範囲で分割返済していくことが可能になります。
民事法律扶助制度を利用できる収入・資産の基準
法テラスの民事法律扶助制度を利用するには、収入と資産が一定の基準以下である必要があります。
例えば、東京などの大都市に住む単身者の場合、手取りの月収が20万200円以下、保有資産が180万円以下であることが目安です。
この基準は、同居している家族の人数や家賃・住宅ローンの負担額によって変動するため、利用を検討する際は法テラスの公式サイトで自身の状況に合わせた基準を確認してください。

法テラスを利用する際の手続きの流れ
法テラスを利用する手続きは、以下の流れで進みます。
- 全国の法テラス地方事務所へ電話または窓口で相談を予約する。
- 予約日時に法テラスへ行き、収入や資産状況に関する書類を提出し、担当の弁護士と面談する。
- 弁護士が援助の要件を満たしていると判断した場合、援助申込書を作成・提出する。
- 法テラス内部での審査が行われ、援助開始が決定される。
- 決定後、弁護士が個人再生の手続きを開始する。
- 立替金の返済は、原則として援助決定の翌々月から開始。

法テラスを利用するメリット
法テラスを利用する主なメリットは、費用面の負担を大幅に軽減できる点です。
一般的な弁護士事務所に直接依頼するよりも、着手金などの弁護士費用が低めに設定されています。
また、立て替えてもらった費用は、原則として月々5,000円から10,000円程度の無理のない金額での分割返済が可能です。
生活保護を受給している場合は、返済の猶予や免除を受けられることもあります。

法テラスを利用する際の注意点
法テラスの利用には注意点も存在します。
まず、収入・資産の要件を満たさなければ利用できません。
また、申し込みから審査、援助開始決定までに数週間から1ヶ月程度の時間がかかる場合があり、急を要するケースには不向きなことがあります。
さらに、担当する弁護士を原則として自分で選ぶことはできず、必ずしも債務整理に精通した弁護士が担当になるとは限らない点も留意が必要です。

費用面で柔軟に対応してくれる弁護士はどうやって探す?
法テラスの利用が難しい場合や、自分で弁護士を選びたい場合は、費用面に柔軟な事務所を自力で探す必要があります。
分割払いに対応してくれる弁護士を探すには、事務所のウェブサイトを確認したり、無料相談を効果的に活用したりすることがポイントになります。
分割払いの実績が豊富な事務所を選ぶ
弁護士事務所の公式ウェブサイトを確認し、「弁護士費用の分割払い対応」「初期費用0円」といった記載がある事務所を選びましょう。
特に、債務整理の解決実績を豊富に掲載している事務所は、依頼者の経済状況に合わせた支払い方法の相談に慣れている可能性が高いです。
実績の多さは、それだけ多くの案件で柔軟な対応をしてきた証ともいえます。

無料相談を活用して支払い方法を直接確認する
ほとんどの事務所が債務整理に関する初回相談を無料で行っています。
この機会を積極的に活用し、費用について直接質問することが重要です。
「分割払いは可能か」「何回までの分割に応じてもらえるか」「支払い開始はいつからか」など、具体的な支払い条件を確認しましょう。
その際の弁護士の対応が親身であるかも、信頼できる事務所かを見極めるポイントになります。

複数の事務所の費用体系を比較検討する
弁護士費用は自由化されており、事務所によって料金体系が異なります。
そのため、必ず複数の事務所から見積もりを取り、総額を比較検討することが賢明です。
着手金や報酬金の金額だけでなく、実費や日当など、追加で発生する可能性のある費用についても詳細に確認し、総額でいくらかかるのかを把握した上で、自身の経済状況に合った相場の事務所に依頼しましょう。
任意整理の費用相場と分割払いについては「任意整理の費用と分割払い」で詳しく紹介しています。

個人再生の依頼後に費用が払えなくなるとどうなる?
無事に依頼できたとしても、万が一途中で費用が払えなくなった場合のリスクも理解しておくことが重要です。
弁護士費用や裁判所への予納金の支払いが滞ると、弁護士が辞任してしまったり、最悪の場合、個人再生手続き自体が失敗に終わったりする可能性があります。
弁護士が辞任して手続きがストップするリスク
弁護士との間で取り決めた費用の分割払いを正当な理由なく滞納すると、両者の信頼関係が崩れてしまいます。
支払いの督促に応じない状態が続くと、弁護士は委任契約を解除し、辞任することがあります。
弁護士が辞任すると、個人再生手続きはその時点でストップし、債権者からの督促や返済が再開されてしまうため、状況は振り出しに戻るだけでなく、さらに悪化する恐れがあります。

裁判所への予納金が払えないと申立てが棄却される可能性
個人再生委員が選任された場合に支払う予納金など、裁判所に納める費用を期限までに支払えないと、個人再生の申立てそのものが裁判所によって棄却される可能性があります。
棄却とは、申立てが退けられることで、手続きを進めることができなくなります。
これにより、借金問題の解決が遠のいてしまうという深刻な事態を招き、手続きの失敗につながります。

弁護士費用が払えないからと放置するとどうなる?
費用が払えなくなった場合のリスクを知ると、そもそも相談自体をためらってしまうかもしれません。
しかし、何もしないで放置することこそが最大のリスクです。
借金問題を放置すれば、遅延損害金によって借金は増え続け、最終的には財産を差し押さえられるなど、より深刻な事態に陥る可能性があります。
遅延損害金で借金がさらに膨れ上がる
借金の返済を滞納し続けると、通常の利息に加えて、年率20%前後の高い利率で遅延損害金が発生します。
返済が遅れれば遅れるほど、この遅延損害金は雪だるま式に増え続け、自力での返済がますます困難な状況に陥ります。
早期に専門家へ相談していれば避けられたはずの金額が、放置することで上乗せされてしまうのです。

給与や預金口座を差し押さえられる
返済の滞納が長期間続くと、債権者は裁判所に訴訟を起こし、判決等の債務名義を得て強制執行の手続きに入ります。
強制執行の代表的な例が、給与や預金口座の差押えです。
給与が差し押さえられると、手取り額の一部が直接債権者に支払われることになり、勤務先にも借金の事実が知られてしまいます。
預金口座も差し押さえの対象となり、生活に深刻な影響を及ぼします。

最終的に自己破産しか選択できなくなる
問題を放置し、遅延損害金によって借金総額が大幅に膨れ上がってしまうと、個人再生の利用条件である「再生計画案に基づく返済を継続できる見込み」を満たせなくなる可能性があります。
その結果、自宅などの財産を維持できる個人再生という選択肢を失い、原則として全ての財産を処分しなければならない自己破産しか道が残されていない、という状況に追い込まれることもあります。
任意整理と個人再生の違いについては「任意整理と個人再生の違い」で詳しく紹介しています。

個人再生の費用が払えない時のよくある質問
最後に、個人再生の費用に関して抱かれがちな疑問について、Q&A形式で回答します。
手元にお金が全くない状態でも、弁護士に個人再生の相談をしていいですか?
はい、全く問題ありません。
多くの弁護士事務所は分割払いや後払いに対応しており、依頼者の経済状況を理解しています。
弁護士に依頼すれば債権者への返済が止まるため、その期間に費用を準備できます。
まずは勇気を出して無料相談を利用することが、解決への第一歩です。

個人再生の弁護士費用を分割払いにする場合、いつから支払いが始まりますか?
弁護士と契約し、受任通知が債権者に送付されて返済が停止した直後から始まるのが一般的です。
これまで毎月返済していた金額を、そのまま弁護士費用の積立金として支払っていくケースが多く見られます。
具体的な支払い開始時期や金額は、契約時に弁護士としっかり確認しましょう。

法テラスを利用するのと、弁護士に直接分割払いを頼むのはどちらが良いですか?
収入や資産が国の定める基準以下であれば、費用を安く抑えられる法テラスの利用が適しています。
一方で、基準を超える場合や、審査時間を待てない、自分で信頼できる弁護士を選びたいといった希望がある場合は、事務所の分割払い制度を利用するのが良いでしょう。
自身の状況に合わせて選択することが重要です。

まとめ
個人再生の弁護士費用は、手元にまとまったお金がなくても、分割払いや後払いに対応している法律事務所に依頼することで解決できます。
弁護士に依頼すると債権者への返済が一時的に停止するため、その期間を利用して費用を計画的に積み立てることが可能です。
国の制度である法テラスを利用すれば、費用を立て替えてもらい、低額の分割返済にすることもできます。
費用面で柔軟に対応してくれる弁護士を探すには、無料相談を積極的に活用し、複数の事務所の費用体系を比較検討することが不可欠です。
費用を理由に手続きを諦めて問題を放置すると、差押えなどのリスクが高まるため、まずは専門家へ相談することから始めてください。
この記事を執筆している司法書士

- 司法書士・行政書士
-
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
最新の投稿
個人再生2026年10月12日個人再生の弁護士費用が払えない?分割払いや相場、解決策を解説
個人再生2026年10月11日個人再生は司法書士と弁護士どっち?費用・できることの違いを比較
自己破産2026年10月10日消費者金融の自己破産はできる?借金の調査からバレるリスクまで解説
自己破産2026年10月9日自己破産費用は司法書士が安い?弁護士との違いと注意点を解説






