過払い金請求のデメリットとリスク|返還すると債務整理扱いになる?注意点を解説

「払い過ぎた利息が戻ってくるなら嬉しいけれど、ブラックリストに載るなどのデメリットがあるのでは」と、過払い金請求をためらっているかもしれません。

この記事を読めば、ご自身の借入状況(完済か返済中か)に照らし合わせ、過払い金請求のデメリットやリスクを最小限に抑えつつお金を返還できるかを判断できます。

債務整理扱いになるケースや、事前に知っておくべき注意点も理解できるでしょう。

この記事でわかること

  • 借金の返済状況(完済か返済中か)によって信用情報に影響が出る仕組み
  • カード解約や家族バレといった日常生活への具体的な影響を抑える対策
  • 自力での手続きで不利な条件での和解や時効に陥るリスク
  • 費用倒れを防ぎ安全に回収するための信頼できる専門家の見極め方

過払い金請求のデメリットには何がある?

過払い金請求のデメリットは、主に「信用情報への影響」「クレジットカードやローン契約への影響」「費用の発生」の3つに大別されます。

過払い金の請求は正当な権利ですが、状況によっては生活に影響が及ぶ可能性もゼロではありません。

特に、借金の返済中に手続きを行う場合は注意が必要です。

請求対象のクレジットカードが強制解約になる

過払い金請求を行った場合、その貸金業者が発行するクレジットカードは、会社によっては利用できなくなることがあります。

これは、カード会社が過払い金請求を「信頼関係を損なう行為」とみなし、契約の継続を困難と判断する可能性があるためです。

例えば、エポスカードでキャッシングを利用し、その過払い金をエポスに請求した場合、エポスカードが利用できなくなることがあります。

請求先の貸金業者から新規借入ができなくなる

過払い金請求をした消費者金融やクレジットカード会社、およびそのグループ会社からは、将来的に新たな借り入れができなくなる可能性が極めて高いです。

これは「社内ブラック」と呼ばれる状態で、信用情報機関の事故情報とは別に、会社独自の顧客情報として記録が残るためです。

アコムに請求した場合、アコムだけでなく、グループ会社の三菱UFJ銀行のカードローン審査にも影響が出る可能性があります。

プロミスやレイクといった他の大手消費者金融でも同様です。

専門家に支払う手続き費用が発生する

過払い金請求を弁護士や司法書士などの専門家に依頼する場合、手続き費用が発生します。

過払い金請求にかかる費用には、相談料、着手金、基本報酬、成功報酬などがあります。

近年は着手金を無料とし、回収した過払い金の中から報酬を支払う完全成功報酬制の事務所も増えていますが、回収額が少ないと費用が上回る「費用倒れ」のリスクも考慮する必要があります。

借金の返済状況によって過払い金請求のデメリットはどう変わる?

過払い金請求のデメリットは、借金を完済した後に請求するのか、まだ返済中に請求するのかによって大きく異なります。

特に信用情報への影響、いわゆるブラックリストに登録されるかどうかは、この状況の違いが決定的な要因です。

完済後であれば債務整理にはならず、デメリットは限定的ですが、返済中の場合は複数の注意点があります。

ここからは、借金の返済状況別にデメリットがどう変わるのかを具体的に解説します。

借金を完済している場合は信用情報に影響が出ない

借金を完済した後の過払い金請求は、信用情報に一切影響が出ません。

これは、既に債務が存在しない状態での請求であり、貸金業者との契約を見直す「債務整理」には該当しないためです。

例えば、過払い金が50万発生していたとしても、それは不当に得た利益の返還を求める正当な権利行使とみなされます。

したがって、完済後の手続きであれば、将来のローン審査などへの懸念は不要です。

過払い金請求の仕組みや注意点については「過払い金請求の仕組みとデメリット」で詳しく紹介しています。

返済中の請求で残債が残るとブラックリストに登録される

借金を返済中に過払い金請求を行い、戻ってきた過払い金を充てても借金が残ってしまう場合、「任意整理」という債務整理手続きの一環と見なされます。

その結果、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに載る状態になります。

この状態になると約5年間は新たなローンが組めなくなるほか、クレジットカードの作成やカードローンの利用もできなくなります。

クレジットカードのショッピング利用分が残っていると債務整理扱いになる

キャッシングの借金は完済していても、同じクレジットカードのショッピング利用分が未払いの場合、注意が必要です。

過払い金はまずショッピングの残債と相殺され、それでも残債が残る場合は債務整理扱いとなり、ブラックリストに載る可能性があります。

この点は見落としがちで、キャッシング分だけを見て完済後だと思い込んで請求すると、意図せず債務整理になってしまうケースがあります。

過払い金請求を行うと日常生活にどのような影響が出る?

過払い金請求のデメリットは、信用情報やローン契約だけでなく、日常生活の様々な側面にも影響を及ぼす可能性があります。

例えば、手続きを進める中で家族に知られてしまわないかという不安や、現在利用しているETCカードが使えなくなるといった具体的な問題です。

こうした日常生活への影響を事前に把握し、対策を講じることが重要です。

次に、具体的な影響と対策について解説していきます。

同居する家族に内緒で過払い金請求を進める対策

専門家に依頼することで、家族に内緒で手続きを進めることは可能です。

弁護士や司法書士には守秘義務があり、連絡方法を個人の携帯電話やメールアドレスに限定したり、事務所からの郵送物を局留めにしたりといった配慮をしてくれます。

無料相談の際に、プライバシーへの配慮について評判の良い事務所かを確認し、家族に知られたくない旨を明確に伝えることが重要です。

自分で請求すると、裁判所や貸金業者から自宅に書類が届くため、発覚のリスクが高まります。

各種ローン審査への悪影響を事前に見極める基準

ローン審査への悪影響は、ブラックリストに登録されるか否かで決まります。

完済後の請求であれば影響はありませんが、返済中の請求で残債が残る場合は登録され、審査通過は困難になります。

特に三菱UFJ銀行などの金融機関は信用情報を厳しく審査します。

悪影響を避けるためには、請求前に専門家に正確な引き直し計算を依頼し、過払い金で残債をゼロにできるかという根拠に基づいた見極めが不可欠です。

請求対象カードに付帯するETCカードが停止する問題への対策

過払い金請求をしたクレジットカードが強制解約されると、そのカードに付帯しているETCカードも利用できなくなります。

日常的に車を利用する方にとっては大きな問題です。

対策としては、過払い金請求の手続きを始める前に、別のクレジットカードで新たにETCカードを発行しておく方法があります。

または、クレジットカードが不要な「ETCパーソナルカード」を申し込んでおくことで、生活への影響を最小限に抑えられます。

自力で過払い金請求を行う際によくある失敗とは?

専門家に依頼せず、自力で過払い金の請求を行うことも可能ですが、知識や交渉経験が不足しているために生じる特有のリスクや失敗が伴います。

時間や手間がかかるだけでなく、本来得られるはずだった金額を大幅に下回る結果になったり、最悪の場合は請求権そのものを失ったりする可能性もあります。

費用を節約しようとして、かえって損をしてしまうケースは少なくありません。

ここでは、個人で手続きを進める際の典型的な失敗例を見ていきましょう。

貸金業者からの減額提示に応じて不利な条件で和解してしまう

個人で請求を行うと、貸金業者から大幅に減額された和解案を提示されることが多くあります。

消費者金融などの担当者は交渉のプロであり、法律知識の少ない個人に対しては強気な姿勢で交渉を進め、低い返還率を提示して早期の和解を迫ります。

その提示額が妥当かどうかを判断できず、不利な条件で合意してしまうケースは、自力での請求における典型的な失敗例です。

取引履歴の引き直し計算を誤って請求額を少なく算出してしまう

過払い金の正確な金額を算出するには、貸金業者から取り寄せた取引履歴をもとに「引き直し計算」を行う必要があります。

この計算は複雑で、利率の変更点や計算期間を間違うと、本来返還されるべき金額よりも少ない額を請求してしまう恐れがあります。

正しい計算結果は、貸金業者と交渉する上での重要な根拠となるため、計算ミスは大きな不利益につながります。

対応に時間がかかり10年の消滅時効が成立してしまう

過払い金請求権には、最後に取引した日から10年という消滅時効があります。

個人で手続きを進めると、取引履歴の取り寄せや引き直し計算、訴状の作成などに手間取り、時間がかかってしまいがちです。

貸金業者が意図的に対応を遅らせるケースもあり、そうこうしているうちに時効が成立し、請求権を失ってしまうリスクがあります。

これは、自力で請求する際の最も避けたい過払い金請求のデメリットと言えるでしょう。

過払い金請求で専門家選びに失敗しないためにはどうすればよい?

自力での請求には多くのリスクが伴うため、多くの場合は弁護士や司法書士といった専門家に依頼することになります。

しかし、依頼する専門家を誤ると、高額な費用を請求されたり、十分な説明を受けられず不安なまま手続きが進んだりといった新たな問題が生じかねません。

過払い金請求にかかる費用や実績、評判などを比較し、信頼できる専門家を見極めることが成功の鍵を握ります。

ここでは、失敗しないための専門家選びのポイントを解説します。

過払い金請求で生じるデメリットを事前に詳しく説明してくれる専門家を選ぶ

信頼できる専門家は、無料相談の段階で、メリットだけでなく過払い金請求のデメリットについても個別の状況に合わせて丁寧に説明してくれます。

ブラックリストに載る可能性や、クレジットカードが使えなくなるなどの注意点を隠さずに伝え、依頼者が納得した上で手続きを進めようとする姿勢があるかどうかが重要な判断基準です。

メリットばかりを強調する事務所は避けた方が賢明でしょう。

報酬体系がわかりやすく明示されている法律事務所を選ぶ

依頼する前に、過払い金請求にかかる費用の内訳が明確であるかを確認しましょう。

公式サイトやパンフレットに、着手金、基本報酬、成功報酬(過払い金返還報酬)、その他実費などが具体的に記載されている事務所は信頼性が高いと言えます。

契約前に見積もりを提示してもらい、後から追加費用が発生する可能性がないか、報酬体系について納得できるまで質問することが大切です。

回収できる過払い金より専門家費用が高くなる費用倒れを回避する

過払い金の発生額が少ない場合、返還された金額よりも専門家へ支払う費用が高くなってしまう「費用倒れ」に注意が必要です。

特に、借入期間が短い、または借入額が少ないケースでは、費用倒れのリスクが高まります。

無料相談の際に、過払い金がいくら発生しそうか、費用を差し引いて手元にいくら残るのか、という見込みを必ず確認しましょう。

過払い金請求のデメリットに関してよくある疑問とは?

ここまで過払い金請求のデメリットについて状況別に解説してきましたが、まだ個別の疑問や不安が残っているかもしれません。

特に、家族への影響やブラックリストに載る具体的な期間など、多くの方が共通して抱く疑問があります。

このセクションでは、そうした「よくある疑問」を取り上げ、Q&A形式で簡潔に回答します。

最終的な判断を下す前に、最後の不安を解消しておきましょう。

過払い金請求を行うデメリットは家族にまで及ぶ?

過払い金請求のデメリットが家族に直接及ぶことは基本的にありません。

信用情報に影響が及ぶのは請求した本人のみで、家族の信用情報には影響しないため、配偶者や子供がローンを組めなくなるといったことはありません。

ただし、家族が保証人になっている借金を請求する場合は影響が及ぶ可能性があるため、必ず専門家に相談してください。

過払い金請求のデメリットとしてブラックリストに載る期間はどれくらい?

返済中の請求で借金が残りブラックリストに載った場合、その期間は約5年間です。

この期間は、信用情報機関に事故情報が登録されている期間を指します。

任意整理の手続きが終わり、和解内容に基づいて完済してから5年が経過すると情報が削除され、新たなローンが組めなくなるなどの影響はなくなります。

過払い金請求によるデメリットを完全にゼロにする方法はある?

借金を完済した後の過払い金請求であれば、ブラックリスト登録のリスクがなく、デメリットをほぼゼロにできます。

ただし、請求先の貸金業者やそのグループ会社が利用できなくなるというデメリットは残ります。

将来的にその会社でローンやカード作成を考えていないのであれば、このリスクは無視できるため、デメリットは実質的にないと言えるでしょう。

まとめ:過払い金請求のデメリットを避けて手続きを進めるには?

過払い金請求のデメリットを避けて手続きを進めるには、まず自身の借金の状況が「完済後」なのか「返済中」なのかを正確に把握することが最も重要です。

完済後であればデメリットは限定的ですが、返済中の場合は債務整理扱いになるリスクがあるため、慎重な判断が求められます。

不明点や不安な注意点があれば、安易に手続きを進めるのではなく、まずは無料相談などを利用して専門家に相談し、自身の状況で過払い金請求するべきかアドバイスを受けることが賢明な選択です。

この記事を執筆している司法書士

いなげ司法書士事務所 豊島裕也
いなげ司法書士事務所 豊島裕也司法書士・行政書士
千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号

経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。

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