自己破産の費用相場はいくら?弁護士への分割払いや払えない時の対処法

借金の返済に追われ、「お金がないから自己破産をしたいのに、そのための費用が払えるだろうか」と不安に感じていませんか。
自己破産の費用は決して安くありませんが、その相場や内訳、そして費用が払えない場合の対処法を知ることで、解決への道筋が見えてきます。
この記事を読めば、ご自身の状況に合わせた自己破産の概算費用を把握し、弁護士への分割払いなどを利用して、手元に資金がなくても手続きを開始できると理解できます。
この記事でわかること
- 自己破産の種類ごとに変動する費用相場
- 手元の資金がなくても費用を工面する具体的な対処法
- 費用をかけてでも弁護士に依頼することで得られるメリット
【手続き別の費用一覧】自己破産の総額は20万円〜80万円が目安
自己破産に必要な費用の総額は、手続きの種類によって大きく異なり、目安として約20万円から80万円以上と幅があります。
自己破産には、所有している財産の状況や借金の理由に応じて「同時廃止事件」「管財事件」「少額管財事件」の3つの手続きがあり、どの手続きになるかによって費用が変動します。
特に、裁判所に納める「予納金」の額が、総額に大きく影響する仕組みです。
まずは、ご自身の状況がどの手続きに該当しそうか、大まかな費用一覧を確認しましょう。
自己破産については「自己破産のデメリットや手続き、費用」で詳しく紹介しています。

財産がほとんどない場合(同時廃止事件)の費用相場
債務者にめぼしい財産がなく、借金の理由にも特に問題がない場合に適用されるのが「同時廃止事件」です。
この場合、破産管財人が選任されないため、手続きが比較的簡素で費用も最も安く済みます。
裁判所に納める費用と弁護士費用を合わせた総額の相場は、20万円から30万円程度です。
自己破産全体の約7割がこの同時廃止事件に該当するといわれています。
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一定以上の財産がある場合(管財事件)の費用相場
持ち家や車、生命保険など、債権者へ配当できる一定以上の財産がある場合や、借金の経緯に免責不許可事由(ギャンブルや浪費など)の疑いがある場合は「管財事件」となります。
この手続きでは、財産の調査・管理・処分を行う「破産管財人」が裁判所によって選任されるため、その報酬として高額な予納金が必要になります。
費用相場は、弁護士費用と合わせて総額で50万円以上、財産が多い場合は100万円を超えるケースも少なくありません。
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借金の経緯に調査が必要な場合(少額管財事件)の費用相場
「少額管財事件」は、管財事件の一種ですが、弁護士が代理人となることで手続きの一部を簡略化し、裁判所に納める予納金を低く抑えた制度です。
主に、財産の額はそれほど多くないものの、借金の経緯を調査する必要がある場合などに適用されます。
管財事件よりも費用を抑えることができ、裁判所に納める予納金の相場は約20万円です。
これに弁護士費用が加わり、総額の相場は50万円前後からとなります。
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自己破産にかかる費用の内訳|何にいくら支払うのかを解説
自己破産にかかる費用は、大きく「裁判所に納める費用(実費)」と「専門家(弁護士・司法書士)に支払う報酬」の2種類に分けられます。
総額だけでなく、何にいくら支払いが必要なのかという内訳を理解しておくことが重要です。
ここからは、それぞれの費用の詳細について説明します。
ご自身の状況と照らし合わせながら、費用の内訳を確認していきましょう。

裁判所に納める費用(実費)の内訳
裁判所に納める実費は、自己破産を申し立てる際に必ず必要となる費用です。
この実費の内訳は、主に「申立手数料」「郵便切手代(予納郵券)」「官報公告費」で構成されます。
特に、手続きの種類によって大きく変動する「予納金」が、全体の費用に大きく影響します。
これらの費用は、原則として申し立て時に一括で納付する必要があります。
申立手数料(収入印紙代)
申立手数料は、自己破産の申し立てを裁判所に行うための基本的な手数料です。
手続きの種類にかかわらず、一律で1,500円分の収入印紙を購入し、申立書に貼付して提出します。
この費用は、自己破産手続きにかかる費用の中では最も少額なものの一つです。
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郵便切手代(予納郵券)
予納郵券とは、裁判所が債権者への通知書類などを郵送するために使う郵便切手代のことです。
申し立てをする際に、あらかじめ裁判所に納付します。
金額は裁判所や債権者の数によって異なり、おおむね3,000円から15,000円程度が目安となります。
債権者が多いほど、必要な切手の金額も高くなる傾向があります。
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官報公告費(予納金)
官報とは、国が発行する新聞のようなもので、自己破産をすると氏名や住所が掲載されます。
この掲載料が官報公告費であり、予納金の中から支払われます。
金額は手続きによって異なり、約1万円から2万円程度です。
管財事件の場合は、これに加えて破産管財人の活動費用である「引継予納金」が最低20万円から必要となり、予納金が非常に高額になります。
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専門家(弁護士・司法書士)に支払う報酬の内訳
自己破産の手続きを弁護士や司法書士に依頼する場合、裁判所に納める実費とは別に、専門家への報酬が発生します。
事務所によって料金体系は異なりますが、主な内訳は「相談料」「着手金」「成功報酬」です。
最近では、費用に関する不安を抱える方のために、分割払いや法テラスの利用を案内してくれる事務所も増えています。
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相談料
相談料は、弁護士や司法書士に自己破産について正式に依頼する前に、法律相談をする際にかかる費用です。
ただし、現在では多くの法律事務所が初回相談を無料としており、気軽に専門家のアドバイスを受けられる環境が整っています。
有料の場合でも、30分5,000円程度が相場です。
まずは無料相談を活用し、複数の事務所の話を聞いてみることをお勧めします。
着手金
着手金は、弁護士に自己破産の手続きを正式に依頼した段階で支払う費用です。
手続きの結果にかかわらず、原則として返還されません。
多くの事務所では、この着手金が弁護士費用の大部分を占めます。
相場は20万円から50万円程度で、手続きの種類(同時廃止か管財事件か)によって金額が変動するのが一般的です。
分割払いに応じている事務所も多いため、相談時に確認することが重要です。
成功報酬
成功報酬は、自己破産の手続きが無事に完了し、裁判所から免責許可決定を得られた場合に支払う費用です。
ただし、弁護士事務所によっては、自己破産の場合には成功報酬を無料としているところも少なくありません。
成功報酬が設定されている場合の料金相場は、0円から30万円程度と事務所によって幅があります。
依頼する前に、料金体系をしっかりと確認しましょう。
【状況別】あなたの自己破産費用はいくら?ケースごとの目安をシミュレーション
これまで説明した費用の内訳を踏まえ、具体的なケースで自己破産の費用はいくらになるのか、目安をシミュレーションしてみましょう。
財産の有無や借金の原因によって、適用される手続きや費用が大きく変わります。
ご自身の状況に最も近いケースを参考に、総額のイメージを掴んでください。

ケース①:20万円以上の財産がなく、借金の原因が浪費ではない場合
預貯金や不動産など、価値が20万円以上の財産を所有しておらず、借金の原因が生活苦や病気などやむを得ない事情である場合です。
このケースでは、手続きが簡単な「同時廃止事件」として扱われる可能性が高くなります。
費用総額の目安は、裁判所費用が約3万円、弁護士費用が約20〜30万円となり、合計で23万円〜33万円程度です。

ケース②:持ち家や車など20万円以上の財産を所有している場合
ローンを完済した持ち家や、価値が20万円を超える車、解約返戻金が20万円以上見込まれる生命保険などを所有しているケースです。
これらの財産は債権者への配当に充てられるため、破産管財人が選任される「管財事件」となります。
費用総額の目安は、裁判所への予納金が最低50万円、弁護士費用が約30〜50万円となり、合計で80万円以上かかる可能性があります。

ケース③:借金の主な原因がギャンブルや浪費の場合
借金の主な原因がギャンブルや特定の買い物への浪費である場合、免責が認められるかどうかの調査が必要となるため「管財事件」となります。
ただし、弁護士に依頼することで、費用を抑えた「少額管財事件」として扱われる可能性があります。
費用総額の目安は、裁判所への予納金が約20万円、弁護士費用が約30〜50万円となり、合計で50万円〜70万円程度です。

自己破産の費用が払えない時の4つの対処法|手元にお金がなくても大丈夫
自己破産を検討していても、「費用が払えないから」と諦めてしまう必要はありません。
手元にまとまったお金がなくても、手続きを進めるための方法はいくつか存在します。
払えない場合に利用できる制度や工夫を知ることで、借金問題解決への一歩を踏み出すことが可能です。
ここでは、具体的な4つの対処法を紹介します。

対処法①:弁護士事務所独自の分割払い・後払い制度を利用する
多くの弁護士事務所では、自己破産を検討する人が経済的に困窮している状況を理解しており、費用の分割払いや後払いに柔軟に対応しています。
正式に依頼した後、債権者への返済を止めている期間を利用して、弁護士費用を毎月少しずつ積み立てていく方式が一般的です。
まずは無料相談を利用して、支払い方法について相談してみましょう。
対処法②:法テラスの民事法律扶助(立替制度)を活用する
法テラス(日本司法支援センター)は、経済的に余裕のない人でも法的なトラブルを解決できるよう支援する公的な機関です。
収入や資産が一定の基準を下回る場合、「民事法律扶助制度」を利用して、弁護士費用や裁判所費用の立替をしてもらえます。
立て替えられた費用は、原則として月々5,000円から10,000円程度の分割で無理なく返済していくことが可能です。
対処法③:受任通知で返済を止めてから費用を積み立てる
弁護士に自己破産を依頼すると、弁護士は各債権者に対して「受任通知」という書類を送付します。
この通知を受け取った貸金業者は、法律により債務者への直接の取り立てや督促ができなくなります。
つまり、借金の返済が一時的にストップするため、これまで返済に充てていたお金を、弁護士費用の積立や裁判所に納める費用の支払いのために充当できます。
対処法④:親族に援助を依頼して費用を工面する
どうしても費用の工面が難しい場合の最終手段として、親や兄弟姉妹といった親族に援助を依頼する方法も考えられます。
ただし、この方法は家族関係に影響を及ぼす可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
援助を受ける際には、借りたお金の返済方法などを明確にし、誠実な対応を心がけることが大切です。
正直に状況を説明し、理解を得る努力が求められます。
費用をかけてでも弁護士に自己破産を依頼すべき4つのメリット
自己破産の手続きは、本人だけでも申し立てが可能ですが、多大な費用をかけてでも弁護士に依頼することには、それを上回る大きなメリットがあります。
法律の専門家である弁護士に依頼することで、手続きがスムーズに進むだけでなく、精神的な負担も大幅に軽減されます。
ここでは、弁護士に依頼すべき具体的なメリットを4つ解説します。
自己破産するとどうなるかについては「自己破産するとどうなる?生活への影響やデメリットをわかりやすく解説」で詳しく紹介しています。

メリット①:債権者からの取り立て・督促がすぐに止まる
弁護士に自己破産を依頼する最大のメリットの一つが、債権者からの厳しい取り立てが即座にストップすることです。
弁護士が「受任通知」を債権者に送付した時点で、貸金業者は債務者に直接連絡することが法律で禁じられます。
これにより、電話や郵便物による督促から解放され、精神的な平穏を取り戻しながら、落ち着いて手続きの準備を進めることが可能になります。
メリット②:複雑な裁判所への申立て手続きを全て代行してもらえる
自己破産の申し立てには、申立書や陳述書、財産目録など、膨大で専門的な書類を多数作成し、裁判所に提出する必要があります。
これらの書類に不備があると、手続きが滞ったり、免責が認められなかったりするリスクがあります。
弁護士に依頼すれば、これらの複雑な手続きをすべて正確に代行してもらえるため、時間と労力を大幅に節約でき、手続きの成功率も高まります。
自己破産の手続きの流れについては「自己破産の流れ|いつ何する?期間や必要書類をステップ解説」で詳しく紹介しています。
メリット③:免責許可が下りて借金をゼロにできる可能性が高まる
自己破産の最終目的は、裁判所から「免責許可決定」を得て、借金の支払い義務を0円にすることです。
しかし、借金の経緯に問題がある場合など、免責が認められないケースも存在します。
弁護士は、依頼者の状況を法的な観点から分析し、免責が許可されるように裁判官を説得するための適切な主張や資料提出を行います。
専門家のサポートにより、借金をゼロにできる可能性が格段に高まります。
メリット④:家族や会社に知られずに手続きを進めやすくなる
自己破産を検討する際、家族や会社に知られたくないと考える人は少なくありません。
弁護士に手続きを依頼すると、裁判所や債権者とのやり取りはすべて弁護士が窓口となって行います。
そのため、自宅や職場に連絡が来ることを防ぎ、プライバシーを守りながら手続きを進めることが可能です。
周囲に知られるリスクを最小限に抑えられる点も、大きなメリットといえます。
生活保護受給中なら自己破産の費用は免除される?
生活保護を受給している方が自己破産を検討する場合、費用の負担が実質的に免除される可能性があります。
これは、公的な支援制度である法テラスの「民事法律扶助制度」を利用することで実現します。
経済的に特に困窮している状況にあるため、通常のケースよりも手厚いサポートが受けられる仕組みになっています。

法テラスの費用立替制度と償還免除の仕組み
生活保護受給者は、法テラスの民事法律扶助制度における収入・資産要件を通常満たすため、弁護士費用や裁判所費用の立替制度を利用できる可能性が非常に高いです。
さらに、自己破産の手続きが完了した後も生活保護の受給が続いている場合、立て替えてもらった費用の返済(償還)の免除を申請できます。
この申請が認められれば、実質的な費用負担なしで自己破産が可能です。
費用の免除を申請するための具体的な流れ
費用の免除を受けるための手続きは、まず法テラスに相談し、民事法律扶助の利用を申し込むことから始まります。
審査に通ると、法テラスと契約している弁護士を紹介され、自己破産の申し立て手続きを進めます。
無事に破産手続きが終了した後に、法テラスへ「償還免除申請書」と生活保護受給証明書を提出します。
この申請が承認されることで、立替金の返済義務が免除されるという流れです。
自己破産の費用に関するよくある質問
ここでは、自己破産の費用に関して、特に多く寄せられる質問とその回答をまとめました。
弁護士への支払いや費用の内訳など、多くの方が疑問に思うポイントを解説しますので、ご自身の状況と照らし合わせて参考にしてください。
自己破産の費用は、弁護士に分割で支払うことができますか?
はい、分割払いに対応している弁護士事務所は数多く存在します。
弁護士への依頼後は債権者への返済が止まるため、その浮いた分を分割金の支払いに充てることが可能です。
多くの事務所が依頼者の経済状況を考慮してくれるため、無料相談の際に支払い方法について柔軟に対応してもらえるか確認してみましょう。
予納金とは何ですか?自己破産費用の中でどのくらいを占めますか?
予納金とは、自己破産の手続きを進めるために、事前に裁判所へ納める費用のことです。
官報公告費や、管財事件で破産管財人へ支払う報酬などがこれに含まれます。
同時廃止事件では1~2万円程度ですが、管財事件では最低でも20万円以上となり、自己破産の費用の中で大きな割合を占める場合があります。
同時廃止と管財事件では、費用はどれくらい違いますか?
総額で30万円から50万円以上の差が出ることが一般的です。
財産がほとんどない場合の同時廃止は、弁護士費用を含めた総額が40万円から50万円程度で収まることが多いです。
一方、一定以上の財産がある場合の管財事件は、裁判所に納める予納金だけで最低20万円程度かかり、総額は70万円以上になるケースも少なくありません。
債務整理の種類と費用については「債務整理とは?3つの種類と費用、最適な選び方を解説」で詳しく紹介しています。

まとめ
自己破産の費用は、手続きの種類によって相場が大きく異なり、20万円から80万円以上と幅があります。
費用は主に、裁判所に納める実費と、依頼する場合の弁護士報酬で構成されます。
手元に資金がない場合でも、弁護士への分割払いや法テラスの立替制度などを利用すれば、手続きを進めることは可能です。
借金問題で悩んでいる方は、まずは弁護士の無料相談を活用し、ご自身の状況に合った費用や支払い方法を確認することから始めましょう。
この記事を執筆している司法書士

- 司法書士・行政書士
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千葉司法書士会:登録番号第867号
認定司法書士:法務大臣認定第204047号
千葉県行政書士会:登録番号第02103195号
経歴:平成16年に個人事務所を開業。債務整理や裁判、登記業務を中心に20年以上の実務経験。解決実績は1万人以上。
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