相続放棄の期間延長

被相続人が死亡した場合、その相続人は相続開始後3ヶ月以内に相続を承認するのか、限定承認もしくは放棄するのかを決めなければいけません。

相続を承認するのであれば、特に何らの手続きを要しませんが、放棄する場合は期限内(これを熟慮期間といいます)に家庭裁判所に相続放棄の申立てをしなければいけません。

ただし、3ヶ月以内に相続財産の調査をして、承認するのか放棄するのかを決めるといっても、現実的に時間が足りない場合があります。

そういった場合は、熟慮期間内に家庭裁判所に相続の承認・放棄の期間の伸長を申し立てることができます。

熟慮期間は相続人ごとに進行するので、1人の相続人が期間の伸長の申し立てをしても、その他の相続人の熟慮期間には影響を与えません。

よって、相続人全員が期間の伸長をしたい場合は、相続人全員がそれぞれ申し立てをしなければいけません。

ここがポイント!

3か月以内に決められない場合は期間伸長の申し立てができる

熟慮期間を延長したい相続人は、家庭裁判所に相続の承認または放棄の期間の伸長を申し立てなければいけません。

以下は千葉家庭裁判所における場合です。

申立人

☑ 相続人

☑ 利害関係人(被相続人の債権者、受遺者、相続人の債権者など)

☑ 検察官

申立先

☑ 相続開始地(被相続人の最後の住所地)の家庭裁判所

必要な費用

☑ 収入印紙800円

☑ 切手252円(84円 × 3)

必要書類

☑ 相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書

☑ 被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)

☑ 被相続人の住民票除票または戸籍の附票

☑ 伸長を求める相続人の戸籍謄本

☑ 申立人の利害関係を証する資料(親族が申し立てる場合は戸籍謄本など)

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相続の承認・放棄の期間の伸長の申立てがあったとしても、伸長を認めるかどうかは、相続財産の構成や所在場所、相続人が居住している場所(国内遠隔地か海外か)などを考慮したうえで、家庭裁判所が決定します。

期間伸長の申立てがあった場合、一般的には1~3ヶ月程度の延長が認められることが多いですが、場合によっては期間の伸長が認められない場合もあります。

家庭裁判所が期間の伸長を認めるかどうかを判断するのに1~2週間程度かかります。

そのため、熟慮期間が終了する直前に期間伸長の申立てをして認められなかった場合、その後に相続放棄をしようとしても、すでに熟慮期間が経過してしまって、もはや相続放棄できないということがあり得ます。

よって、期間伸長の申立ては日程的な余裕をもっておこなうのが安全です。

ここがポイント!

☑ 期間の伸長を認めるかどうかは裁判所の裁量

☑ 期間の伸長が認められない場合もあるので、熟慮期間が終了する間際の申立てはなるべく避ける

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